<吉祥寺残日録>祝!岡山県勢初の全国制覇!高校サッカー「岡山学芸館高校」の快挙を見届けて私も岡山へ #230110

岡山では新年早々、大ニュースに違いない。

今年101回目を迎える高校サッカー選手権、一度も決勝に進んだことのなかった岡山県勢がついに全国制覇を成し遂げたのだ。

決勝にふさわしいいい試合だった。

岡山学芸館と京都・東山の決勝戦。

共に初優勝をかけた一戦、東山が得意のパスサッカーで終始ボールを支配し、硬い守りでそれを防いだ岡山学芸館が鋭いカウンターで相手ゴールに迫る。

高校サッカーは長らく見ていなかったので、すごくレベルが上がったことに驚かされた。

前半を1対1で折り返すと、後半7分、左からのクロスにMFの木村匡吾がドンピシャのヘディング、ボールは東山ゴールの左隅に突き刺さった。

さらに後半40分、再び木村がダメ押しの1点を奪いそのまま逃げ切った。

決して前評判が高かったわけではなく、プロに内定している選手もいない。

しかし最後まで全員で走り続け、球際の強さを発揮して相手の猛攻を凌ぎ切った。

運も岡山学芸館に味方した。

この日も先制点は相手のオウンゴールだった。

準決勝の神村学園との試合でも、競り合いの中からうまい具合にゴール前にいる選手の足元にボールが飛んでくる。

運も実力のうち、そんな少ないチャンスを確実に決めて勝ち進んだ。

私は高校時代まで岡山で育ったが、「岡山学芸館高校」という学校は知らなかった。

調べると伯母の家から遠くない西大寺という町にその学校はあった。

この無名だった学校を一躍全国制覇まで育てたのは、就任14年目となる高原良明監督の執念だった。

日刊スポーツにちょっと学園ドラマのような記事が掲載されていたので引用させていただこう。

1998年(平10)の創部時は、部員の喫煙が日常のチームだった。グラウンドは硬式野球部が独占。10人前後だったサッカー部は、校外の空き地でボールを蹴るだけだった。当然、部室もない。雨が降れば木の下で着替える。日没の早い冬は、車のライトでしのいだ。荒れ果てたチームを更生させたのが、高原良明監督(43)だった。

W杯日韓大会のあった02年に東海大を卒業。翌03年、J2昇格前のファジアーノ岡山でプレーしていた頃、クラブ設立の関係者だった当時の岡山学芸館の理事長から「セカンドキャリアの支援をする」と言われ、教員のオファーを受けた。大学時代に教員資格を取得しており、常勤講師として吉谷コーチとともに赴任。夕方からは自身の練習、昼間はサッカー部のコーチとして指導に携わることになった。

高校サッカーで育ち、高校サッカーを愛していた。胸躍る指導者生活のはずが、一瞬にして絶望的な現実に向き合うことに。

「いまだにこんなチームがあるのかって。衝撃的なスタートでした」

それまで外部の指導者はいたものの、部員はグラウンド整備のやり方も、トンボのかけ方も分からなかった。遠征に連れていけば、宿舎の部屋からタバコの臭いがもれてきた。「臭い! 窓を開けろ!」。風呂場に足を運べば、吸い殻が散乱していた。どうしようもなかった。

現役引退後の08年、正式に監督へ就任した。座右の銘は「人生何事にも耐えて勝つ」。文字通り、耐えた。不祥事だらけで辞めていく部員はいなかったが、有望な選手は来ない。学校は特待生も取れなかった。吉谷コーチと「入学した生徒を育てる」と誓った。

高原監督は東海大3年時に総理大臣杯で優勝、ファジアーノ岡山でもプレーした。実績はある。まずはあいさつの指導から始め、鍛えていった。12年、高校総体に初出場。3回戦で静岡学園に0-9で完敗し、生徒たちは初めて全国レベルを痛感した。それが強い岡山学芸館のスタートラインだった。強豪校との試合も増え、徐々に力をつけていった。

荒れ果てたサッカー部が、20年もかからずに全国制覇した。学校関係者は「熱い教育をコツコツコツコツ積み重ねてきた高原監督と吉谷コーチの功績です。あの2人が二人三脚でやってきたものが、ようやく結実した」と涙ぐんだ。どん底を知っている。本当の苦労を味わっている。優勝した高原監督の心境は、考えるまでもない。

引用:日刊スポーツ

素敵なお話だ。

岡山県勢はこのところ高校野球でもあまり良い成績を残していない。

平松投手を要する岡山東商業が選抜で優勝したのは私がまだ小学生だった1965年のことである。

高校のスポーツで全国トップクラスの実力校といえば、女子バレーの就実と男子駅伝の倉敷ぐらいだろうか。

いずれにしても、男子サッカーでの初優勝には岡山県民も驚き、大喜びしているだろう。

そして荒れ果てたチームでもここまで強くなれるという岡山学芸館のストーリーは、きっと教育界でも大きな話題、語り継がれる伝説になるに違いない。

私には直接関係はないが、高校時代を岡山で過ごした一人として思いがけず大きな感動をいただいた。

そんな晴れやかな気持ちと共に、私は今日、岡山に帰省する。

時間があったら、車を走らせて岡山学芸館高校まで行ってみたいと思っている。

<吉祥寺残日録>WBCとロシアとジェットスター、そして岡山県勢初の決勝へ「岡山学芸館高校」にブラボー! #230107

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