岡山での農作業もだいたい終わり、今日、東京に戻る。
今月の岡山での滞在中、スポーツ界ではいろいろなニュースがあった。

プロ野球では、阪神タイガースが14日、18年ぶり6度目となるリーグ優勝を飾った。
私も中学時代から20代ぐらいまでは阪神ファンだったので、最近すっかり見なくなっていたプロ野球のニュースが気になった。
テレビでも最近はプロ野球の話題を聞くことが少なくなったが、阪神優勝は多くの報道情報番組で大きく扱われた。
その理由は、今シーズンから指揮を執る岡田監督が生んだ流行語「アレ」である。
これまで優勝を意識するたびにチャンスを逃してきた阪神。
そこで岡田監督はシーズン当初から「優勝」という言葉を封印し、代わりに「アレ」を目指すことを選手たちに求めたのだ。

その甲斐あってか、監督就任1年目にして早くも「アレ」を手にしてしまい、阪神ファンの間では今や岡田監督は神様のようになっている。
18年ぶりの優勝に当然関西は大いに盛り上がった。
過去には道頓堀にダイブして死者も出した大阪では、大勢の警察官を動員して橋を警備する物々しい雰囲気の中で優勝の瞬間を迎えた。
通りを埋め尽くすファンたち。
数人が道頓堀にダイブしたものの、大きな混乱はなかったそうだ。
それでも阪神優勝の経済効果は大谷の活躍で日本が優勝した今春のWBCを超えるとの試算もあるのだから凄まじい。

国際大会ということでは、フランスで開催されているラグビーW杯も大きな注目を浴びている。
初戦チリに大勝した日本代表は、3大会連続の「ジャイアントキリング」を目指して17日、前回の準優勝国イングランドに挑んだ。
結果は12−34で敗れたものの、前半はほぼ互角の戦いを演じ、日本のファンを大いに楽しませてくれた。
5チームで争うリーグ戦を突破するためには、格上のサモア、アルゼンチンに勝たねばならず、今後も痺れる試合が続く。

しかし、私にとって一番のニュースといえば、やはり大谷翔平だろう。
すでに10勝を挙げ、ホームランも44本とリーグトップを独走していた大谷。
WBCの疲れも見せず、シーズン初めからフル出場を続けてきた超人も9月に入ってさすがに体が悲鳴をあげた。
8月に右肘靱帯を損傷し、今シーズンの登板を回避して打者に専念した大谷だったが、今月4日、試合前の練習で右脇腹を痛め、それ以降の試合を欠場していた。

大谷が所属するエンゼルスは、8月から失速し連敗が目立つようになった。
ポストシーズン進出に執念を燃やしてきた大谷にとって、夢が日増しに遠のいていく悪夢の日々。
そしてポストシーズン進出の可能性が完全に消えた日、大谷がロッカールームに置いていた荷物を片付けたとの報道が流れた。
全米を沸かせた大谷の2023年シーズンが思わぬ形で終わったのだ。
16日、記者会見に臨んだエンゼルスのミナシアン・ゼネラルマネジャーは、大谷がこの日負傷者リストに入ったと述べ、今季の残り試合をすべて欠場することを明らかにした。
今シーズンの大谷翔平の成績は、投手としては23試合に登板し、10勝5敗、防御率3.14。
打者では、アメリカン・リーグトップの44本塁打を放ち、打率3割4厘、95打点だった。
メジャーリーグ史上初めて、2年連続で10勝10ホームランを記録、日本人初となるホームラン王もほぼ確実と見られている。
とはいえ、大谷にとってはちょっと残念な「終戦」となってしまった。
見守る私たちにとっても少しストレスの残る残念な幕切れである。

大谷翔平という楽しみを奪われた私にとって、今最も注目なのは大相撲秋場所。
9日目を終わって、平幕の高安と熱海富士が1敗で首位に並ぶ展開。
横綱照ノ富士は不在で、大関陣もすでに3敗と上位陣が星を潰し合う中で、ご贔屓の高安の「アレ」に期待が高まる。
高安も阪神同様、優勝が目前に迫るといつも自滅し何度もチャンスを逃してきた。
「優勝」の2文字を封印し、今度こそ「アレ」をつかみ取ってほしい。
そう思っているのは、私だけではないことを国技館からの映像から読み取ることができる。
頑張れ!高安!
今場所こそ、悲願の「アレ」をなんとしても手にしてほしい。
そのためには、満身創痍の体を労わり、弱い心を落ち着かせて一番一番に臨んでもらいたいと思っている。
<吉祥寺残日録>やはり神だ!エンゼルス残留が決まった大谷翔平がメジャー初の完封勝利と2打席連続ホームラン #230728