<吉祥寺残日録>北京五輪2022🇨🇳 祝!スピードスケート森重航の銅!今度はスターターに疑惑あり #220213

北京オリンピックも残すところ1週間となり、日本人選手たちの活躍でそれなりに盛り上がった。

昨日もスキージャンプの小林陵侑が個人ラージヒルで銀メダルを獲得。

ノーマルヒルでの金メダルに続き、今大会2個目のメダルを手に入れた。

男子のジャンプ競技は実力のある有力選手が僅差でひしめき合っているうえ、風の状況にも左右されるので、私は正直、小林がメダルを取れる確率はせいぜい5割と踏んでいた。

しかし1回目でヒルサイズを越える142メートルの大ジャンプで小林がトップに立った時は、「これは二冠いけるぞ」と一気に期待が高まった。

2回目、予想通り有力選手たちが距離を伸ばし、中でも小林の前に飛んだノルウェーのリンドビークは140m超えのジャンプを2本揃えて最後に控える小林にプレッシャーをかける。

小林の2回目は138メートル、リンドビークには僅かに及ばず2位、銀メダルが確定した。

日本人が期待した二冠とはならなかったが、この人の安定感は驚異的だ。

頼れる日本のエース、まだ団体戦が残っている。

残る種目の中で、最も金メダルの可能性が高いのが、スピードスケート女子の団体パシュート。

高木姉妹を中心とした平昌で優勝した3人は、昨日の準々決勝でも一糸乱れぬ滑りを見せて堂々のオリンピック新記録、トップで準決勝に進出した。

よほどのアクシデントがなければ、銀メダル以上は確定したと言っていい。

そして今夜行われる女子500メートルにはいよいよ小平奈緒が登場する。

個人的には小平の二連覇は難しいと思っているが、場数を踏んでいる小平と高木美帆のコンビは、500mと1000mでいくつかメダルは取ってくれるだろうと期待している。

北京五輪でこれまでに日本が獲得したメダルは、金2・銀3・銅5で合計10個。

過去最多だった平昌五輪が金4・銀5・銅4の13個だったので、ほぼそれに匹敵する好成績となるのは間違いなさそうだ。

そんな中で、私がノーマークだったのが、スピードスケート男子の短距離陣である。

昨日行われた男子500メートルで、今シーズンから代表チームに加わったばかりの専修大学の大学生・森重航が銅メダルを獲得したのだ。

知らなかったが、この種目では日本人選手が世界ランキングの2〜4位を独占しているという。

いつの間にか、スピードスケートの男子も復活を遂げていたのだ。

この森重選手については、日刊スポーツにお母さんのエピソードが載っていた。

とてもいいお話だったので、引用させてもらう。

19年7月、がんのため森重の母俊恵さん(享年57)がこの世を去った。その4日前に残した「スケート、がんばれ…」という最期の言葉を胸に、初めての五輪に臨んだ。

俊恵さんは森重が小学時代から約20キロ離れているリンクへ日々送迎し、大会時はさらに長距離を運転してサポートした。釧路へは片道1時間半、ナショナルトレセンがある帯広へは3時間半もかかる。運転中に突然飛び出して来る野生動物や、冬場の雪道にも骨が折れたが、息子が好きなスケートに没頭する姿を目にすると、疲労も吹き飛んだ。

全校生徒が15人程度だった上風連中3年時、全国中学大会の500メートルを中学新記録で制し、1000メートルと合わせて2冠を達成。実家の牧場経営は休みがないため、大会応援は両親のどちらかしか行けない。この時、俊恵さんは留守番だった。

息子の凱旋(がいせん)を中標津空港で出迎えた。中学の仲間が作ってくれた横断幕とともに。地元のヒーローになった愛息の両脇に寄り添い、記念撮影をした。これが親子3人で撮った最期の写真になった。

12年、俊恵さんは乳がんを患った。森重が小学6年の頃だ。手術は成功。回復後も息子の練習送迎や遠征に帯同した。

高校は10年バンクーバー五輪の男子500メートルで銅メダルの加藤条治を輩出した山形中央高に越境入学。離ればなれの生活になっても、全国高校総体は3年連続で俊恵さんが駆けつけた。

高校3年の総体応援から戻った19年1月。俊恵さんは体調を崩す。父誠さん(68)は「医者から『もう長くない』って。骨にも転移しちゃってて。肝臓に転移したのが大きかった」。

母の病気について「高校時は何も聞かされてなくて、重症化してから聞いた」という森重は同年4月、専大に入学。学業とスケートの練習に多忙を極め、故郷にはなかなか帰れなかった。それでも1度、スケジュールの合間を縫って帰郷し「次に帰れるのは夏休みかな」と言うと母は「もう帰らないでいい。スケートを頑張りなさい」と告げた。

6月、体調がひどく悪化。それでも「航の誕生日までは生きたい」と気力を振り絞った。

7月17日。森重、19歳の誕生日。話すことが出来ないほど病状が悪化していたが、誠さんは聞いた。「誕生日だから電話するか」。うなずく俊恵さん。携帯電話を鳴らすとしばらくして応答した。「ほら、航だぞ」と携帯を妻の耳元にそっと当てる。俊恵さんは、通話口に声を絞り出した。

「スケート、がんばれ…」

苦しくてもうはっきりとは、しゃべれないが森重は確実に受け取った。母の命を懸けた言葉を。涙声が電話口から病室に漏れた。

「2日前からほとんど、しゃべれなかったからね。よく言えたよ」と誠さん。それが本当に、最期の言葉になった。4日後の21日、俊恵さんは旅立った。息子への深い愛情を残して。

引用:日刊スポーツ

北海道の東の果てで8人の子供を育てながら、息子のために20キロの雪道を運転し続けた母親。

令和の日本からは消え去りつつある物語だ。

でも、そんな母親の努力が息子のメダルで少しでも報われたのだとすれば、とても感動的なストーリーである。

だが、現実はどうもそう美しい話ばかりではない。

様々な疑惑の判定が取り沙汰される今回の北京オリンピックだが、昨日の男子500メートルでもまた新たなモヤモヤが生まれてしまった。

問題は、メダルの行方を左右する最後の2レース、まさに森重が滑った組で起きた。

そこまでのトップは中国の高亭宇で、オリンピック新記録の34秒32をマークしていた。

世界トップレベルの選手でも最高のスタートを切らなければ高の記録を抜くことはできない。

そんな状況で、ランキング最上位の選手たちが登場する最後の2組で、立て続けにフライングがあった。

私はすぐに、「あれっ」と思った。

「レディー」の掛け声がかかってから号砲が鳴るまでの時間がそれまでの組よりも遅いように感じたのだ。

さらに、スロー再生で見てみると、スターターピストルが光ってから選手が動き始めているのがわかる。

どちらの組もフライングは確認されなかったのである。

しかし実際には2組ともフライングと認定され、2回目にフライングを犯すと失格になるという状況でのスタートとなった。

それにより、最終組だった日本記録保持者の新浜立也はスタート直後につまづき20位と惨敗、同じ組の世界ランキング1位・カナダのデュブルイユも4位にとどまり、こうして中国選手が金メダルに輝いた。

高選手の滑りは文句なしで、フライング騒ぎがなくても優勝したかもしれない。

でもスターターに中国選手に利する作為があった疑惑は濃厚だと感じる。

前回の平昌五輪でも、小平奈緒の組だけスターターの号砲が1秒ほど遅かったという疑惑が報道された。

この大会でも小平と韓国人選手の金メダル争いが熾烈を極め、スタートの1秒の誤差は勝敗を左右する可能性があったとされる。

結果は小平が冷静に対応し見事金メダルを獲得したのだが、スケートの世界にはスターターが地元選手を有利にするため号砲のタイミングやフライング判定で小細工することがあるのかもしれない。

ひょっとすると、スケートに限らず、オリンピック全体にそうした傾向があるのだろうか?

確かに、開催国の選手になるべく多くメダルを取らせた方が大会が盛り上がる。

去年の東京五輪でも、開催中止を求める世論が日本人選手の活躍によって沈静化していった現実を見てきた。

たとえば、東京五輪で金メダルを獲得し一躍脚光を浴びたスケートボードの堀米雄斗と西矢椛。

彼らの得点が公正なものだったのかどうか、私には正直わからない。

外国人選手との優劣など判断のつかないこうした採点競技で若い日本人選手が金メダルを取り、メディアは熱狂、日本の世論も確実に変化した。

オリンピック関係者は、開催国が多くのメダルを獲得することの重要性を誰よりも認識していて、組織的にエコ贔屓をしているのではないか、そんな気がしてきた。

国際的に大きな問題となったショートトラックやジャンプの団体混合は、担当者がちょっとやりすぎてバレてしまったが、それ以外の種目でもさらに過去の大会でも意図的な采配が行われていたのではないかという疑惑が私の心に芽生えている。

平昌では金5個を含む17個ものメダルを獲得した韓国が、今大会はまだメダル4個(金1)と不振なのに対し、一方の中国は平昌では金1個を含む9個のメダルだったのが今回はすでに金4個を含む8つのメダルを獲得しているというのも、その背景にオリンピック関係者の意図が働いていると考えれば納得がいく。

韓国に対しては、前回サービスしたんだから、今回は多少の不利益に目を瞑れということかもしれない。

しかし韓国という国はとにかく何事もあやふやにするのが嫌いで、ショートトラックでの失格判定をめぐって韓国の人たちの「反中感情」は大爆発、与野党問わず政治家もメディアも大騒ぎしている。

まあ確かに、韓国人が怒るのは無理もない、そういう露骨な中国贔屓の判定が行われたのは事実なのだが、オリンピックにはそうした不公平な側面があると理解した上で見れば、別の楽しみ方も生まれてくるというものだ。

今大会、私が絶対に見たいと思う競技の第一は、日本人選手が活躍しないショートトラックになっている。

なぜなら、今度はどんなズルが行われるのか、それを探すのが楽しみでしょうがないからである。

<吉祥寺残日録>【東京五輪4日目】卓球悲願の打倒中国&13歳の金メダリスト #210727

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