<吉祥寺残日録>シニアのテレビ📺 「激走!シルクロード 104日の旅」に刺激され旅心がムクムクと目覚める #221203

サッカー・ワールドカップもベスト16が出揃い、韓国が後半のアディショナルタイムにしぶとくゴールを決め、強豪ポルトガルを破って辛くも予選を突破した。

日本同様、さぞや、韓国国内は大騒ぎだろう。

そんな週末、私は録画していた旅番組を見て過ごした。

NHKの過去の番組を紹介する番組「プレミアムカフェ」、今回再放送されたのは2012年に放送された「激走!シルクロード 104日の旅」だった。

前後編合わせて4時間10分という長編だ。

この番組は、トルコのイスタンブールから中国の西安までの1万7682キロを改造トラックで走破する104日間のツアーに密着したドキュメントだ。

このツアーはイギリスの旅行社が主催したもので、興味を持った旅人が世界各国から集まり乗り合いで一緒に旅をする。

夜は屋外でキャンプ、食事は当番制の自炊だ。

欧米では昔からこうしたツアーは珍しくなく、特に交通機関が整備されていないアフリカなどを旅行する手段として浸透している。

私も以前からこのトラックバスのツアーに興味を持っていたので、布団に寝っ転がったままダラダラと番組を見て1日が終わってしまった。

使用する車両は大型トラックの荷台を改造し、壁に沿ってソファーが設置されている。

荷台の前方は一段高くなっていて、サンルーフの屋根から体を乗り出して周囲の風景を眺められるようになっていた。

しかも、その土地土地の空気を感じたいという理由で窓も開けっぱなしなので、標高の高いところでは寝袋にくるまり、砂漠では熱風を直に感じながらの長時間ドライブである。

夕方になると、ルート上に適当な寝場所を探してテントを張る。

2人1組の炊事当番が全員分の食事を交代で作るのがルールで、そのための食材も現地で調達しながらのワイルドな旅なのだ。

Embed from Getty Images

イスタンブールを出発したトラックは、トルコの地中海沿岸からカッパドキア、さらにアララト山へと東に進み、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタンを通過して中国に入る7カ国の旅だ。

トルコと中国以外は私が行ったことのない国ばかりで、これまたこのツアーに興味を持った理由である。

中央アジアの国々は隣接していて一気に回りたいとは思うのだが、どの国も国土面積が結構広く、陸路で回るのはやはりそれなりの時間がかかり、交通機関を探すのも大変そうだ。

Embed from Getty Images

特に、「中央アジアの北朝鮮」とも呼ばれるトルクメニスタンは長年鎖国状態にあった国で、今でも基本的に個人旅行が認められていない。

ソ連崩壊後にこの国に君臨した独裁者ニヤゾフ大統領が築いた首都アシガバートは、天然ガスの収益によって作り上げた人工都市で、ほとんど人のいない白亜の街は独特の雰囲気を醸し出している。

このツアーがトルクメニスタンを訪れたのは10年前だが、現地のツアーガイドは同行するものの比較的自由にツアー客は街を歩いているように見えてとても興味深く見た。

Embed from Getty Images

トルクメニスタンには「地獄の門」と呼ばれる魅惑的な観光スポットがある。

砂漠の中にポッカリと開いた燃えるクレーター。

実は有毒ガスを防ぐために自噴する天然ガスに火をつけたものだが、真っ暗な砂漠で赤々と燃えるクレーターがあまりに幻想的であるため、トルクメニスタン最大の観光名所となったのだ。

トルクメニスタン政府は「地獄の門」の消火も検討しているそうで、ぜひ火が燃えている間に見てみたいと私の行きたい場所リストの中に入っているスポットである。

またイランもぜひ行きたいと思っている国だが、厳格なイスラム教の国なのでツアー客、特に女性客たちはイラン入国前に頭髪を隠す衣装を調達するなど特別な準備をして入国した。

でも実際にイランに入ってみると、人々はとてもフレンドリーで、イランと敵対関係にあるアメリカ人もバザールで歓迎され刷り込まれていた印象を大きく変えたようだった。

私も何度も経験したが、「恐ろしい国」と教えられていた国に行ってみて、その印象がすっかり変わってしまうことは実に多い。

これこそが実際に異国に旅する意味なのである。

Embed from Getty Images

ウズベキスタンやキルギスタンに入ると、イスラム教の美しいモスクに加えて、天山山脈や湖、草原でテント暮らしをする遊牧民など、シルクロードの多様な文化に触れることもできる。

また、地中海で泳ぎ、カッパドキアで気球に乗り、馬に乗り、氷河を歩くなど行く先々で様々なアトラクションが用意されているのもこのツアーの魅力だ。

その国の首都を飛行機で訪れるだけでは味わえない線としてのシルクロードを実感するにはトラックに揺られてのツアーというのは捨て難い。

さらにこのツアーが魅力的なのは、自分のスケジュールに合わせて途中参加、途中離脱が可能なことである。

実際にイランから参加する客、キルギスで離脱する客など様々だ。

もしも私が参加するとすれば、テヘランから乗り込んで、中央アジアを周り、中国の新疆ウイグル自治区で離脱するのが良さそうである。

イスタンブールから西安まで104日間参加した場合の料金は80万円。

これはあくまで10年前の価格なので、円安の今はもっと高くなっていると思われる。

決して安くはないが、交通の便の悪い国々をしっかり旅行するには、ツアーに参加する方が費用対効果が高いことも否定できない。

義父の容体が思わしくないので、当面はこうした長期間の旅行に出かけるのは無理だが、また落ち着いたらぜひ検討してみたい旅の形態だと感じた。

シルクロードに限らず、アフリカの国々を回るにはトラックバスの旅は重要な選択肢となるだろう。

基本的に英語でコミュニケーションを取るので英語の修行にもなりそうだ。

<吉祥寺残日録>サウジにイランに中央アジア!来年の旅行計画を練るために「ツーリズムEXPO」に行ってきた #220925

コメントを残す