<吉祥寺残日録>カタールW杯2022🇶🇦 ベスト4への激闘!ネイマールとロナウドが消え、メッシ、エムバペ、モドリッチが残った! #221211

いやはや、2日連続の寝不足である。

カタールワールドカップもいよいよ大詰め、ほぼランキング通りに強豪が勝ち進んだベスト8の激突。

準々決勝の試合開始は午前0時と午前4時、徹夜で見る気にもなれなかったので、地上波の放送があるものは録画したが、午前4時から行われる2試合はABEMAの独占中継だったので、起きてからハイライトでチェックしようと思って寝た。

昨日は朝5時半ごろ目が覚めた。

まだ試合中かなと思って手探りでスマホを見つけてABEMAを再生してみた。

メッシ率いるアルゼンチンが2−0でヨーロッパの強豪オランダをリードしていた。

残り時間は15分ほど、さすがにアルゼンチンは強いなと思った。

ところがである。

後半38分、オランダは長身を活かして右サイドからの長いクロスにベグホルストが頭で合わせ1点を返すと、ここからオランダの怒涛の反撃が始まった。

ゴール前に次々にクロスを蹴り込むオランダに対し、アルゼンチンは防戦一方、次第にラフプレーが目立つようになる。

エキサイトした双方の選手が小競り合いを演じゲームは度々ストップし、結果的に両チーム合わせて17枚のイエローカードが出される乱戦となった。

そして後半のアディショナルタイムに入って11分、オランダがゴール前絶好のポジションからのフリーキックを得る。

オランダは試合終了間際の土壇場で鮮やかなサインプレーを決め、見事同点に追いついた。

まさに不屈の精神である。

同点のまま延長戦に入ったが、そこでも決着がつかず、勝敗の行方はPK戦に持ち込まれる。

オランダのペナルティーキックをアルゼンチンのキーパー、マルディネスが2本続けてナイスセーブ。

アルゼンチンが辛くもオランダを振り切り、2大会ぶりにベスト4に名乗りを挙げた。

この試合でアルゼンチン代表として最多タイのワールドカップ通算10得点目を記録したメッシは、PK戦の最初のキッカーとして登場し、相手キーパーの動きを瞬時で見切って反対側に緩いゴロのシュートを決めて見せた。

日本の敗戦以来、「PK戦は運か実力か」という論戦が戦わされているが、メッシのPKを見るとやっぱり技という側面も無視できないと思った。

ただ気になるのは、あまりの乱戦となったこの試合についてFIFAが規律違反で調査を始めたと報道されていることだ。

違反が認定されれば、アルゼンチンの選手に出場停止の処分が下される可能性があり、その中にメッシの名前も含まれているという。

これに先立って、昨日の午前0時から行われたブラジル対クロアチアの試合は録画して見た。

モドリッチを中心としたクロアチアの中盤が機能し、優勝候補筆頭のブラジルに思うような試合をさせない。

双方ともパスが正確で、攻守が激しく入れ替わる非常にレベルの高い試合だ。

結局90分終わっても両チームとも得点を奪うことができず、試合は延長戦に突入する。

延長前半のアディショナルタイム、均衡を破ったのはネイマールのスーパープレーだった。

2度のワンツーで相手を抜き去ったネイマールは、自らゴール前に走り込みキーパーをかわして角度のないところからゴールをこじ開ける。

さすがスーパースターという素晴らしいテクニックだった。

このゴールはネイマールがブラジル代表としてあげた77点目のゴールであり、王様ペレが持つブラジル代表歴代最多得点記録に並んだ。

しかし絶対に諦めないのがクロアチアの真骨頂だ。

守勢に回る時間が増えた延長後半の12分、カウンター攻撃に転じたクロアチアは、左サイドからのクロスをペトコビッチが左足で蹴り込み土壇場で同点に追いついた。

そして日本戦に続く2試合連続のPK戦に持ち込んだのだ。

準優勝した4年前のワールドカップでも2度のPK戦を制したクロアチアは、日本戦で3本のシュートを防いだ守護神リバコビッチがこの試合でも躍動。

ブラジル側の最初のPKを見事にセーブしてみせた。

クロアチアは全員が確実にゴールを決め、ブラジルの4人目マルキーニョスのシュートが左のポストにあたった瞬間、20年ぶりの優勝を目指した世界ランク1位ブラジルの夢が潰えた。

華麗なゴールで一旦は勝利を手繰り寄せたかに見えたブラジルの英雄ネイマール。

結局、自らPKを蹴ることもなくチームの敗退が決まり、ピッチ上で涙した。

一発勝負の決勝トーナメント、何が起こるか試合終了のホイッスルが鳴るまでわからないことを昨日の2試合は改めて思い知らせてくれた。

それにしてもクロアチアの魔術師モドリッチはすごかった。

前線にいると思えば、次のシーンでは後方にいて相手のボールを奪ってブラジルの攻撃を許さない。

37歳にしてこの運動量、まさに魔術師である。

日本戦では往年の輝きはなく年齢のせいなのかと思ったが、どうやら精彩を欠いて見えたのは日本の中盤が頑張ったためだったようだ。

ブラジルも日本と同じようにPK戦でクロアチアに負けた。

この試合の結果を受けて、「やっぱりクロアチアは強かった」「日本はよく頑張った」と日本代表を再評価する声がネット上に溢れた。

そして今日。

前日と同様、午前0時の試合はテレビで録画し、午前4時の試合はABEMA独占である。

特に早起きしようと意識したわけではないが、朝3時ぐらいに目が覚めた。

布団の中でうとうとして、4時前からスマホでABEMAを見始める。

始まったのは、前回優勝のフランスと優勝候補イングランドの英仏対決。

ベスト8で最も注目された優勝候補同士の戦いである。

先制したのはフランス。

前半17分、チュアメニのロングシュートがイングランドのゴール左隅に突き刺さった。

フランスのエース、エムバペが完全にマークされ自由に動けない局面の中、レアル・マドリード所属の若きミッドフィルダー、チュアメニの目の覚めるようなシュートだった。

やはり、フランスの方が実力が上か・・・。

そう思ったものの、その後はイングランドが攻めフランスが守る時間が続いた。

エムバペやグリーズマンを封じられて、やや攻め手に欠けたフランスは、後半9分、自陣ゴール前でファウルを犯しケインにペナルティーキックを決められる。

これで1−1、ゲームは振り出しに戻った。

これは控え選手にタレントを揃えるイングランドがやや有利かとの見方が広がる中、後半33分、一瞬のカウンターからフランスが逆襲、ゴール前のジルーがクロスに合わせてゴールを奪う。

これで2−1。

しかしその直後、イングランドに再びビッグチャンスが訪れる。

後半35分、フランスのゴール前で途中出場のマウントが倒されイングランドにペナルティーキックが与えられたのだ。

蹴るのは、この日PKを成功させルーニーが持つイングランド代表通算ゴール記録に並んだケイン。

イングランドが土壇場で追いつくのは確実と思われた。

ところが、ケインのシュートはゴールポストの上を抜けまさかの失敗。

追い詰められたイングランドは、途中交代要員ながらすでに今大会3点を取っているラッシュフォードらを投入し猛攻を仕掛ける。

1点をめぐるジリジリした攻防が最後まで続いたが、フランスがそのまま逃げ切った。

史上3カ国目の連覇に向け、また一歩近づいたフランスだが、決して盤石ではないことがこの試合で証明された。

イングランドは、フランスの絶対的エース、エムバペがボールを持つとすぐに3人で取り囲みボールを奪った。

エムバペを封じられることで、フランスの攻撃力は格段に落ちたように見える。

今後フランスと対戦するチームにとってイングランドの戦い方はきっと参考になっただろう。

このフランスと準決勝で対戦する相手は、その時すでに決まっていた。

クリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガルを破ったモロッコである。

午前0時から始まった試合の録画を見る前に、フランス戦の実況の中で結果を知ってしまった。

「えっ? モロッコが勝ったの?」

予想外の結果に思わず唸った。

前半42分、左からのクロスに対しキーパーよりも高くジャンプしたエンネシリのヘディングがポルトガルゴールに突き刺さった。

1−0、モロッコが先制。

その圧倒的なジャンプ力に度肝を抜かれる。

この貴重な先制点をモロッコは堅守で守り抜き、強豪ポルトガルを破って、アフリカ代表として初となるベスト4進出を決めた。

モロッコは1次リーグで、優勝候補のベルギーを破り、決勝トーナメント1回戦ではスペインを撃破した。

モロッコ代表はヨーロッパのリーグでプレーしている選手ばかりで、今大会はその硬い守りで優勝候補をことごとく無得点に抑えてきた。

サッカー界のスーパースターとしてあらゆるタイトルを獲得してきたロナウドは、ワールドカップでも5大会連続ゴールという新記録を打ち立てたが、ついに優勝には手が届かなかった。

前の試合に続き、モロッコ戦でも先発から外され、後半途中出場はしたものの同点ゴールを奪うことはできなかった。

敗戦後、ピッチにうずくまって涙を流したロナウド。

37歳という年齢を考えれば、これが最後のワールドカップになるだろう。

この試合、スタジアムのほとんどはモロッコのサポーターに埋め尽くされた。

初めて中東で開かれたカタール大会には、多くのイスラム教徒が駆けつけた。

これまでヨーロッパと南米の強豪によってキリスト教徒によって争われてきたワールドカップは、いよいよ地域や宗教を超え、文字通り世界的な大会となった。

それを何より象徴するのが、モロッコ代表の快進撃だ。

大会前にはヨーロッパからさまざまな批判が浴びせられたカタールW杯だが、いろんな面で歴史の転換点となる大会になるかもしれない。

準決勝のアルゼンチンvsクロアチアは14日、フランスvsモロッコは15日のそれぞれ午前4時のキックオフだ。

ここから先は全試合テレビ中継があるので、録画しておいて朝起きてからゆっくり見ることにしよう。

そうでないと、眠くて農作業に支障が出てしまうのだ。

<ロシアW杯>④メッシも!ロナウドも!散った!!

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