午前3時からのキックオフ。録画して朝見る予定だったが、なぜか3時直前に目が覚めた。
テレビをつける。ちょうど日本vsベルギーの決勝トーナメント1回戦が始まった。
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最初のシュートを放ったのは日本。テンポ良いパス回しから香川がシュートを打った。
スターティングメンバーは私の期待通り、1、2戦目と同じメンバーに戻った。
大迫、乾、香川、原口、柴崎、長谷部、長友、昌子、吉田、酒井、川島。
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落ち着いた立ち上がり。やはり今の日本代表ではこれがベストメンバーだろう。短期間の間にこのメンバーを選んだ西野監督の慧眼に敬意を評したい。
前半は、ベルギーの猛攻をしのぎ、0−0で終えた。ディフェンス陣に乱れがない。ルカクをはじめとする世界トップクラスの攻撃陣を的確に抑え、ベルギーは苦し紛れのロングシュートを放ち、流れを止めてくれた。
ただ、日本のクリアボールはことごとくベルギーに拾われた。前線でホールをキープする余裕が日本にはない。なんとかしのぎ切ったとも言える前半だった。
しかし、後半立ち上がり、日本にビッグチャンスが訪れる。
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後半3分、柴崎からのロングパスが右サイドを駆け上がった原口に通った。誰もフォローする仲間はいない。フリーとなった原口は一瞬ためらったように見えたが、次の瞬間低いシュートを放った。
ボールはキーパーの手が届かぬところを通り、ゴール左隅に突き刺さった。
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日本先制。世界中の予想を覆す日本の先制ゴール。前半戦からは考えられなかった予想外の展開だ。
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さらに後半7分、香川から乾に渡った球を乾がエリア手前からミドルシュート。キーパーの指先をすり抜けゴール右隅に決まった。昔の日本代表では見られなかったような見事なゴール。今大会の乾は本当に素晴らしい。
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誰も予想しなかった2−0での日本リード。世界ランク3位のベルギー選手にも焦りの表情が浮かんだ。
これはいけるかもしれない。私は思った。寝ていた妻も起き上がってきてテレビを見始める。
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しかし、転機は後半24分だった。
日本ゴール前の競合いから相手がヘディングしたゆるいボールが川島の頭上を越え、ゴールに入ってしまった。シュートではなく、ゴール前に合わせたようなルーズボールだった。
川島!!!!!!
飛んだ位置が悪かった。不運だった。ただ、川島にはこのボールは取って欲しかった。世界レベルのキーパーならこのボールをどのように処理しただろう?
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さらに後半29分、ベルギーの高さにやられた。司令塔アザールのクロスに身長194cmのフェライニが頭で合わせ鮮やかなゴールを決める。これは仕方がない。コーナーキックのたびにヒヤヒヤしたベルギーの高さ。むしろここまでよく凌いできたというべきだろう。
こうしてあっさりと同点に追いつかれたところで、日本は本田と山口を投入する。本田は得意の無回転シュートを放つなど意地を見せるが、ベルギーゴールを割ることはできなかった。
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そして延長戦かと思われた後半ロスタイム。日本のコーナーキックを奪ったベルギーが速攻、シンプルにパスをつないで最後はシャドリが日本ゴールに押し込んだ。もしこの時間、日本がリードしていたら、吉田や昌子は前線に出ずカウンターを食わなかったかもしれない。
すべては最初の失点からつながっている悪い流れだ。
そしてそのまま試合終了。日本のベスト8進出はまたも夢と消えた。あと一歩だった。
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この試合で私が感じたのは、ポーランド戦の後遺症だ。2点先取したチームは普通わざとらしく時間を使う。それを日本は一切せず最後まで正々堂々と戦った。ポーランド戦の最後10分間のボール回しが日本国内だけでなく、世界中から非難された。決勝トーナメント進出のための捨て身の賭けだったが、西野監督も選手たちもよほどこたえたのだろう。その影響がこの試合に出てしまった。日本は世界標準のズルさを捨てたのだ。
その意味では、潔い敗戦だった。日本中が落胆したが、同時に彼らを称えた。日本人はやはりズルさよりも潔さを愛する国民なのだ。
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これでサムライブルーのロシアは終わった。
ナイスプレーだった。心から拍手を送りたい。
中田中心の時代よりも、本田中心の時代よりも今の日本代表は層が厚くなり、レベルアップしていると私は思う。乾や柴崎にはこれまでの日本代表とは一味違ったスキルを感じる。
2022年の日本代表に期待しよう。