ワールドカップもいよいよ決勝トーナメントが始まった。
初戦は、フランスとアルゼンチンという優勝経験国の激突。双方の特色の出た最高の試合となった。
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この試合で最高の輝きを放ったのは、31歳のメッシではなく、フランス期待の19歳エムバペだった。
前半13分、一瞬の飛び出しからディフェンダー3人を振り切ったエムバペは、アルゼンチンのペナルティーエリアまで独走、いきなりPKを奪った。そのスピードに世界が目をみはる。
このPKをグリーズマンが決めフランス先制。
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これに対し、アルゼンチンは前半41分、ディ・マリアのロングシュートが見事にゴール端に突き刺さり同点。さらに後半3分、メッシのシュートをメルカドがワンタッチでコースを変える芸術的なシュートが決まった。アルゼンチン逆転、決勝トーナメントになると力を発揮するアルゼンチンが優勢かと一瞬思った。
しかし、後半12分、パバールの抑えの効いた素晴らしいボレーシュートで追いついたフランス。その後、フランスの若き10番エムバペの見せ場がやってくる。
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後半19分、23分と立て続けに2本のシュートを決め、あっという間にアルゼンチンを突き放す。この時間帯のフランスは、ドイツが得意とするような集団で一気に攻め上がる破壊的な攻撃だった。フランス、強い。そしてエムバペ、すごい。
アルゼンチンはロスタイム、メッシからのパスにアグエロが合わせ最後まで意地を見せたが、ここで試合終了。4対3という強豪同士の激戦をフランスが制した。
これぞワールドクラスの戦い。日本がこのレベルで戦える日がいつか来るだろうか?
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今回が最後のワールドカップかもと伝えられていたメッシはベスト16で姿を消した。ゴールこそなかったがこの試合でも随所に素晴らしいプレーを見せたメッシだが、新星エムバペの前に世代交代を強く印象付けた。
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どんな英雄でもいつかは交代の時が来る。前回準優勝で終わったメッシはこのまま、ワールドカップのタイトルを手にすることなく、ピッチを去るのだろうか?
そしてベスト16のもう1試合。C.ロナウドのポルトガルvsスアレスのウルグアイというこちらも楽しみな好カードだ。
前半7分、いきなりビッグプレーが飛び出す。ウルグアイが誇る2トップによる華麗なゴールだ。右サイドのカバーニから逆サイドに大きく展開したボールは左サイドのスアレスへ。それを胸で受けたスアレスは素早くクロスをあげ、そこに飛び込んだのはカバーニだった。
たった2人でポルトガルの守備陣を切り裂いた。さすがだ。鮮やかすぎる。
ポルトガルが追いついたのは後半の10分。サイドからのクロスはロナウドの頭上を超え、後ろのペペがジャストミート。ウルグアイゴールに突き刺さった。
しかし、後半17分、フリーになったカバーニがまたも鮮やかなゴールを決め、ウルグアイが引き離す。これが決勝点となり、ウルグアイが世界ランク4位のポルトガルを破った。
初戦でハットトリックを決め、今大会で最も注目されたC.ロナウドのワールドカップはあっけなく終わった。この試合では、ロナウドへのパスがことごとくカットされ、いい位置でボールに触ることができなかった。その意味では、ウルグアイのディフェンス陣の勝利だった。
スーパースターのロナウドがボールを持つと、その動きのキレ、シュートの速さで思わず画面に引き込まれる。その顔、その肉体、文字通り現在最高のスーパースターだ。
そのロナウドがいなくなるのは寂しいが、これが真剣勝負のワールドカップなのだろう。
メッシが消え、ロナウドが消え、そして優勝の行方はますます混沌として来る。
さて、今夜の2試合は、スペインとクロアチアで決まりだと思うが、果たしてどうだろう?
やっぱり、グループ1位で突破したチームのほうが調子いいようです。