今日は朝から我が家のテレビがつけっぱなしだ。
卓球の全日本選手権。男女とも東京五輪につながる若きスーパースターが優勝をさらった。
まずは女子。主役は、伊藤美誠だった。
女子シングルス準決勝は、世界ランク4位の石川佳純と5位の伊藤美誠の対戦となった。美誠ちゃんもいつの間にか世界ランク5位かと思いながらみていると、これが強い。猫パンチならぬ「美誠パンチ」が炸裂し、長年日本のエースとして君臨してきた石川佳純をまったく寄せ付けない。
伊藤の顔には自信がみなぎり、昨年全日本で初優勝した平野美宇に比べて堂々と石川を下した。石川は2年続けて急成長する後輩の前に涙を飲んだ。
そんな美誠に対して私の贔屓の平野美宇ちゃんは、精彩を欠いた。準決勝もフルセットの逆転勝ち。こんな試合が3試合続いた。去年、中国のトップ選手も撃破していたあの勢いはどこへ行ってしまったのか?
そして、決勝は同じ17歳のライバル、美宇・美誠の対戦となった。卓球としては異例の7000人の観客が見守る。東京五輪に向けた夢の決勝戦だ。
結果から言えば、伊藤の一方的な試合だった。平野の調子が悪かったのかもしれないが、この1年での伊藤の急成長と初の決勝戦にもまったく動じないメンタルの強さが際立った。
これで美誠ちゃんは女子ダブルス、混合ダブルスに続きシングルスでも優勝し、石川以来3人目となる三冠を達成した。去年は平野美宇の年、そして今年は伊藤美誠の年となりそうだ。
2020年、20歳を迎えるこの2人がどこまで強くなるのか。本当に楽しみだ。
そして、男子。こちらは、14歳の天才少年、張本智和の独壇場だった。
準決勝では、日本の第一人者、水谷隼と張本が圧倒的な強さで勝ち上がり、2人の夢の対決が実現した。他の選手との実力差は明らかに開いている。
そして注目の決勝戦。張本は早いタイミングでどんどんスマッシュを打ち込んでいく。それもすざましい正確さでコーナーを攻める。水谷が下がる。終始、押されている。
途中、水谷がテクニックで何とか2ゲームを取り返したが、ここまで。張本は危なげなく、史上最年少での全日本チャンピオンに輝いた。圧勝だった。
試合後の水谷のコメント。
「中国選手とたくさんの試合をしてきたが、張本は彼らと同じレベルにある。誰がやっても勝てない。張本が来る前に何回も優勝していてよかったなあと。それくらい強い」
張本は間違いなく世界のトップに立つと確信した。そして、彼の雄叫び「チョレイ!」はきっと日本中の子供たちがマネする流行語になるだろう。そうなってほしい。
両親とも中国人という張本が日本のスーパースターとして社会に受け入れられることを切に望む。すごいものは素直にすごいと評価される社会でありたい。こんなすごい奴が日本人になってくれたのだから、むしろ感謝しなければならない。偏狭なナショナリズムは糞食らえだ。
そもそも彼は、日本生まれなのだ。
さあ次の舞台は、世界。彼らが中国選手を撃破するようになれば、卓球ブームは今とは比べものにならないような盛り上がりとなり、一時のフィギュアスケート並みの人気スポーツになることだろう。
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