<吉祥寺残日録>コロナの時代に旅行をするということ〜沖縄本島の旅 #200709

2泊3日の沖縄旅行から昨日の夜帰ってきた。

九州を中心に広い範囲で大雨の被害が出る中、ちょっと後ろめたい気持ちもあったが、去年のふるさと納税でゲットしたホテルの宿泊券を利用した退職祝いの旅には、定年後「旅行」を生業としたいと思っていた私が、いろいろと考えた末に決めた旅行だった。

7月6日月曜日。朝5時に家を出た。

この日、梅雨前線が日本列島に停滞し、東京にも雨が降っていた。

吉祥寺駅まで歩いて、リムジンバスの乗り場へ。

さすがに朝早いので、乗客は少ない。

飛行機は7時半出発なので、もう少し後の便でもよかったのだが、あえて早いバスを利用したのにも理由があった。

飛行機に多くの欠航が出るのに合わせて、空港リムジンも吉祥寺から成田空港は全面運休、羽田行きも大幅に間引き運転が行われていた。

吉祥寺から羽田空港へは朝の時間帯、通常なら20分おきにバスが出るのだが、5時40分のバスが運休となっているため、5時20分のバスに乗ることにした。6時のバスでも十分間に合うはずではあったが、もし5時40分のバスに乗ろうとした乗客が運休のために6時のバスに変更した場合、6時のバスが混雑することも予想された。

少しでも、早い方がバスは空いていると判断したのだ。当然、電車で空港に行くことに比べれば、空港リムジンの方が格段に混雑にはならないはずだ。

私が予想した通り、リムジンも空港も早朝は人が少なかった。

午前6時には空港に到着し、荷物チェックもスムージに済ませて、7時半発の全日空機に乗り込んだ。

機内は思ったよりも乗客が多く、7割ほどの座席は埋まっていたように感じる。

雨が降る羽田空港を予定通り離陸した。

全日空では3分ごとに機内の空気が入れ替わるように換気に努めているということで、機内の温度はいつもより寒いと感じたが、感染防止の観点から毛布の貸し出しは行なっていないという。

フライトの間はもちろんマスクを着用している。キャビンアテンダントは手袋も着用し、機内サービスはジュースかお茶の二択。他の飲み物や機内販売などは一切ない。

日本列島周辺はずっと雲に覆われていたが、沖縄に近づくと嘘のように真っ青な空と海が窓の外に広がっていた。

湧き上がる真っ白な雲が、熱帯を感じさせた。

わずか数時間で、日常の風景がガラッと変わる。これこそが旅の醍醐味である。

那覇空港でレンタカーを借りて、妻と二人、自動車で沖縄本島を走る。

レンタカーに乗り込んで、マスクを外した時にはやっぱり強い開放感を感じた。

沖縄ではもう2ヶ月以上、新規の感染者が確認されていないということで、マスクをしていない人も多く、東京と比べると警戒感はずっと低いと感じる。

それでも最初に訪れた古民家食堂で、店員たちがフェイスシールドを付けて接客しているのを見て、観光に携わる人たちはやはり意識が違うと感じた。

どうすれば観光客が店に来てくれるのか?

お客さんに安心してもらうためには何をすればいいのか?

一つ一つの飲食店やホテルが、個別の模索を続けていた。

窓を開け放つには気温が高すぎるため、クーラーを使う代わりに席の数を大幅に減らしていた。

私たちにとっては、コロナ後はじめてとなる飲食店での食事だったが、こうした対応を見ながら不安を感じることなくランチをいただくことができた。

行き先も、有名観光地を避けて、東海岸の行ったことのない小島を選んだ。

ほとんど人とすれ違うこともないのどかな島。

こうした場所をレンタカーで回る旅なら、感染リスクはほどんどないだろうと感じた。

でも、注意すべきは、沖縄の人たちから私たちが感染することではなく、東京に住む私たちが沖縄の人たちに感染させるリスクだ。

そう考えれば、自ずと行動も慎重になる。

1泊目の宿は、恩納村にある「ホテルモントレ沖縄 スパ&リゾート」。

ふるさと納税で宿泊券を手に入れたので、さほど期待していなかったのだが、2013年のオープンしたまだ新しいハイセンスなリゾートホテルだった。

ホテルに入る際には、検温を受ける。

夕食のビュッフェも、用意されたメニューから食べたい料理を選んで従業員の人に持ってきてもらうオーダーバイキング形式が取られていた。

プールの監視員に聞いてみると、お客さんの数は例年の3分の1程度だという。

何と言っても、中国・韓国・台湾・香港などからのインバウンド客がまったくいなくなったのが決定的に違うのだ。

でも、日本人にとっては逆に今がチャンスとも言える。夏のハイシーズンにこんなガラガラのプールでゆっくりと過ごすことなどコロナがなければ望むべくもないだろう。

2泊目は、すぐ近くにある「シェラトン沖縄サンマリーナリゾート」。

こちらも恩納村へのふるさと納税でゲットした。

サンマリーナホテルは、4年前に外資ホテルに買収されたが、元々はバブル期に建設されたJAL系列のリゾートホテルだった。

そのため、作りがバブルっぽくて、個人的には建物は「モントレ」の方が断然よかった。

一方、コロナ対策はこちらのシェラトンでも厳重で、入口で検温があり、荷物も自分で部屋に運ぶなどの対策が取られていた。

朝食のビュッフェでは、青いビニール手袋を渡され、手袋をつけてトングを使うよう求められた。

プールはモントレの方が上だったが、プライベートビーチはシェラトンの方が充実していて、オレンジ色のパラソルが白い砂浜に美しく咲いていた。

しかし利用客は少なく、様々なアトラクションも待つことなく利用できた。

若い人たちは海に突き出した防波堤まで張られたワイヤーを滑るジップラインを楽しんでいたが、私は浮き輪に乗って海にプカプカと浮かび、コロナを忘れて青い空を眺めるだけで大満足だった。

ほどんどホテルで過ごした今回の旅行。

部屋でもプールサイドでもマスクを外して過ごした。

プールでも海でも、人との間隔は十分すぎるほどに確保されていたので、リスクはほとんどなかったと感じている。

やっぱり、旅は素晴らしい。

定年後は旅行を柱に据えて生きていくと決めていた私にとって、コロナ時代の旅のあり方を考えるヒントはいくつか得られた気がしている。

宿を中心とする国内旅行だ。

それならほとんど感染リスクもなく旅行を楽しむことができ、私が支えたいと思っている航空会社や宿泊施設、飲食店などへのささやかな応援になるのではないか、と感じた。

まずは、国内の行き先を決める。なるべく人が少ない場所がいい。

次に、宿にこだわる。基本的に滞在型の旅なので、魅力的な宿を選びたい。

そして、移動はなるべく早朝、人の少ない時間に行う。移動時間を考えると、列車よりも飛行機、レンタカーとの組み合わせがベストチョイスだと思う。

こうしたことに気をつければ、コロナ時代にも旅行は楽しむことはできるだろう。

旅行業界はコロナのダメージを最も強く受けている。

アフターコロナの時代になって、ホテルも店もすべて潰れてしまっていたら、あまりに悲しすぎるではないか・・・。

東京にいる間はできるだけ自宅にこもって、旅行に備えよう。

それが私の「新たな日常」。

沖縄から帰った今、私はそんな気分になっている。

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