<吉祥寺残日録>8月の満月スタージェンムーン #200804

昨日の夜、窓の外をふと見ると、東の空に大きな月が浮かんでいた。

まだ空の色は、多少の青みを残していて、そこに黄色い月が浮かんでいる。

あわててベランダに出て、月をカメラを向けた。

しかし私の使っているコンパクトカメラでは、周囲に比べて月が明るすぎて、肉眼で見ているような青と黄色のコントラストをうまく写し込むことができない。

月をアップにすると、少し黄色に写るのだが、今度は周囲の空が真っ暗になってしまう。

こうやって夜景を撮影するたびに、いかに人間の眼というものがよくできているかということを思い知らされるのだ。

戸棚から久しぶりに三脚を取り出して、さらに望遠で月を撮る。

その後、ネットニュースで、8月の満月は「スタージェンムーン」と呼ばれるのだという記事を読んだ。

「スタージェン」とはチョウザメの意味だそうで、ちょうどこの時期に成長したチョウザメの漁が始まるらしい。

ということは、8月の満月はさしずめ「キャビア」ということなのだろうか?

黄色とも赤とも言えるこの日の満月は、確かに「魚卵」のようにも見えた。

さて、8月といえば、戦後の日本人にとっては「敗戦」という言葉と結びつく。

今の若者たちにはピンとこないかもしれないが、昭和30年代に生まれた私たちの世代は、学校でいわゆる「平和教育」を受けてきた。

日本の行った戦争は間違った侵略戦争だったというイメージはなんとなく植え付けられた一方で、明治以降の近現代史については、「あまり受験に出ない」という理由できちんと教えてもらわなかった記憶がある。

確かに、いまだに日本の近現代史に関しては政治的信条とも絡んで評価が定まっておらず、うかつに受験問題で扱うことができない状況が続いている。

そんな中、私が毎週録画して欠かさず観ているテレビ番組がある。

BS-TBSの「関口宏のもう一度!近現代史」というマイナーな番組である。

この番組は、ありそうでこれまでなかった番組である。

関口さんの意向が強く反映されているんだろうけど、真正面から日本の近現代史を教科書的に取り上げる。

教科書的に時系列を紹介しているだけなのだが、実に知らないことが多い。

歴史的な事実だけは知っていても、他の出来事との関連性などについて、新たに気付くことが実に多いのだ。

学校で習ったのは、テストに出そうな年号や人名や出来事の名称ばかりで、それらがどのように絡み合って次の事象が起きたのか、その因果関係がまったく頭に入っていないことを思い知らされる。

戦後長きにわたり、8月に戦争を振り返り2度と過ちを繰り返さないと誓ったはずの日本だが、再び日韓関係が危険な状況に陥ろうとしている。

韓国での元徴用工をめぐる裁判で、韓国の裁判所が4日以降、原告側が差し押さえた日本企業の資産売却を命じることができるようになるという。

韓国政府は相変わらず「青瓦台が司法の決定について立場を明らかにするのは適切ではない」と静観の構え。

それに対して日本政府は、「旧朝鮮半島出身労働者問題に関する韓国大法院判決と、関連する司法手続きは明確な国際法違反だ。現金化に至ることになれば深刻な状況を招くので避けなければならないと、韓国側には繰り返し強く指摘しており、早期に解決するよう強く求めていきたい」と、もし現金化されれば報復措置を取る考えを示唆している。

1945年8月の敗戦に至る歴史を振り返ることは、私が育った時代よりも難しくなってきた気がする。

実際に戦争を経験した人たちの大半がこの世を去り、政界でも戦前の歴史を美化したり、日本の侵略を正当化する声に歯止めがかからなくなっている。

戦後のいわゆる「平和教育」もある意味で事実とは言い難い部分もあるが、「反日」の一言で過去を歪曲しようという輩もまったく事実にはお構いなしだ。

時間が経てば経つほど、真実は忘れ去られ、歴史の闇に埋もれていってしまう。

忘れることも大切だが、過去を正しく理解しそこから教訓を学びとることこそが私たち一人ひとりに求められているのだ。

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