<吉祥寺残日録>1都3県に緊急事態宣言発令へ!でも去年の死者数、実は減ったらしい #210105

事前の報道と違って、菅総理は緊急事態宣言に舵を切った。

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年等の記者会見に臨んだ菅総理は、次のように述べ、1都3県に対する緊急事態宣言の検討に入ると宣言した。

『12月の人出は多くの場所で減少しましたが、特に東京と近県の繁華街の夜の人出はあまり減っておりませんでした。昨年以来、対策に取り組む中で判明したことは、経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと専門家が指摘いたしております。したがって、飲食でのリスクを抑えることが重要です。そのため、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮に御協力いただくことが最も有効ということであります。1都3県について、改めて先般、時間短縮の20時までの前倒しを要請いたしました。そして、国として緊急事態宣言の検討に入ります。飲食の感染リスクの軽減を実効的なものにするために、内容を早急に詰めます。さらに給付金と罰則をセットにして、より実効的な対策を採るために、特措法を通常国会に提出いたします。』

1000人を大きく超えた大晦日の東京都での感染者数や小池知事ら1都3県の知事からの要請を踏まえ、菅さんは経済優先の方針を変えた。

政府が東京都に求めていた午後8時以降の営業自粛に協力しなかった小池さんが、緊急事態宣言と引き換えに受け入れる姿勢に転じたのも大きかったようだ。

引用:日本経済新聞

こうした感染対策ほか、菅さんは水際対策、医療体制、ワクチンの早期接種にも言及したが、それほど強烈なものはない。

対処療法で「ごまかしごまかし」時間を稼ぎ、ワクチンの効果でコロナが鎮静化するのを待つ作戦のようだ。

罰則付きの特措法の改正には野党の反対も予想されるが、「有事」と「私権制限」という日本人が避けてきた議論がどこまでなされるのか関心を持って見ていきたい。

パンデミックのような特異な病気に限定するというところがポイントだろう。

政府の決定を受けて、小池都知事はさっそく3県との連携で「徹底して人の流れを抑制する」と強調し、1都3県共同の「緊急事態行動」を打ち出した。

午後8時以降の不要不急の外出自粛、飲食店全般に対する午後8時までの時短営業、テレワークの徹底などが柱となるようで、細部についてはまだ調整中だという。

今回も小池さんの強かさが目立った形だが、個人的には菅さんの会見には好感を抱いた。

安倍さんのようなきらびやかな言葉を使わず、実務に徹し余計なことを言わない。

無愛想で一般受けはしないだろうが、言ったことは実行する、実行できないことは言わないという信頼感はある。

緊急事態宣言によってダメージを受ける人たちのことを考えて、最後の最後まで悩んで決めたという菅さんの言葉を私は信じる。

もちろんもっとわかりやすく率直に語りかけた方がいいとは思うが、言葉だけ上手い政治家よりはずっとマシだ。

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緊急事態宣言に至った今回の感染拡大は、必ずしも政治家たちのせいではない。

国民一人一人がこの1年間の経験から抱いたコロナに関する認識が大きくばらついたことにより、自粛する人と自粛しない人に分かれた当然の結果であり、それが日本社会の「自由」の度合いを意味しているとも考えられる。

アメリカやヨーロッパに比べると、日本社会には「同調圧力」が強くて「自由度」が低いが、中国や韓国に比べると「自由度」が高い。

それがそのままコロナ感染者数の推移として数字に表れているに過ぎないのだ。

どのくらいの感染者が出ると、社会が危機感を抱くかによって、政治家の対応も変わってくる。

それが今回は大晦日の1000人越えだったという話だろう。

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政府の呼びかけに応じて、この年末年始はほとんどの人が帰省や旅行を我慢した。

しかしその反動として、近場への外出はあまり減らず、商業施設も普通に営業している。

首都圏でのコロナ感染を抑えようと思うのならば、優先順位は旅行よりも日常の行動パターンを変えることが先決だ。

年末の日経新聞にちょっと面白いデータが出ていた。

去年の1月から10月までの日本全国の死者数が1万4000人減ったというのである。

引用:日本経済新聞

日本中の人たちが必死でコロナ対策に取り組んだ結果、コロナ以外の肺炎や心疾患、インフルエンザで命を失う人が減ったというのである。

「コロナなんて風邪みたいなもので、マスコミは騒ぎすぎだ」と主張する人たちの言い分もあながち間違いとは言えない。

トータルの死者数が減っているならば、医療体制をいかに確保するかという医療界全体のマネージメントの問題がより大きく、あとは重症化リスクの高いシニア層が自分の身を守る行動を徹底することが最も重要だろう。

若者たちに行動自粛を求める声はよく聞くが、私が一番気になるのは、ランチタイムに友達と普段通りおしゃべりしているおばさんたちや飲み屋で昼間から大声で喋っているおじさんたちの行動である。

そういう意味では夜間の行動にスポットライトが当たり過ぎて、無自覚なおばさんたちが他人事と思ってしまうことの方が心配だ。

私を含めてシニアの責任ある行動が、飲食業界の苦境を少しでも助けることを期待したい。

今回の緊急事態宣言はまさに飲食店を狙い撃ちするものだけに、吉祥寺で新たに閉店を決める店もきっと出てくるだろう。

そうした新陳代謝もある程度は致し方ない。

過去の不況でも、多くの店が消えていったのだ。

とはいえ私としては、吉祥寺の飲食店を少しでも応援するためにまたテイクアウトの回数を増やそうと思っている。

そして、岡山への月一帰省は当分お預けになるだろう。

この冬は「冬眠」。

そう割り切って、家でゆるゆる過ごす特別な冬になりそうだ。

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