<吉祥寺残日録>自民党総裁選は来月29日!さてこの先何が飛び出すか? #210826

自民党の総裁選挙が来月29日にフルスペックで行われることが正式に決まった。

デルタ株による爆発的な感染拡大や横浜市長選での敗北により、無投票再選を狙っていた菅総理や二階幹事長の戦略に狂いが生じたとメディアは伝えている。

岸田さんが早速、出馬表明を行った。

「自民党が国民の声を聞き、幅広い選択肢を示すことができると示し、日本の民主主義を守るために立候補する」

国民の気持ちがわかっていないと批判される菅さんを意識したのだろう。

自民党内のハト派で悪いことはしなさそうな人なので岸田さんが総理になってもいいのだが、果たして岸田総理が何をするのか、さっぱりイメージが湧いてこない。

今日の出馬表明の中ではっきりわかったのは、自民党若手を味方につけようという戦略だ。

党役員に中堅若手を登用することや比例区への「73歳定年制」の堅持を打ち出し、二階執行部に不満を抱く若手を取り込もうという狙いがわかる。

地方票を含めて菅さんに対する批判の受け皿にはなるかもしれない。

しかし岸田さんは、これまでも散々党内で煮湯を飲まされていて、たとえ不満票を集めて総理になったとしても誰かの傀儡になってしまうのではないかと心配になる。

続いて、高市さんも出馬表明した。

「中国政府の人権侵害に対して決議を行うべきだ。ミャンマーに対してできて、中国に対して行わないのは、国際社会から日本は人権侵害に全く関心がないのかと見られかねない」と、安倍路線の継承を訴え、中国への強硬姿勢を打ち出した。

高市さんといい、下村さんといい、菅さんの支持率低下によって安部前総理に近い人たちがにわかに蠢き始めたのは気持ちが悪い。

今のところ、安倍さんは「菅支持」を表明しているが、政局になると何が起きても不思議ではない。

閣内にいる河野さんも沈黙を守っていて、情勢によっては出馬の可能性もあるだろう。

河野さんは27日に著書の出版を予定していて、「私がこれまでやってきたことについて、少し国民の皆さまに読んでいただけたらと思っております」と述べているという。

水面下の駆け引きが当面続き、最終的な総裁選の構図がはっきりするのは来月中旬になるかもしれない。

それにしても、菅さんに対する逆風は凄まじい。

見ていて気の毒になる程だ。

何をやっても、何を言っても悪い方に解釈されバッシングされる。

菅さんを擁護するメディアがないため、サンドバッグ状態である。

私は、菅さんはそれなりに頑張っていると思っているのだが、コロナの感染者が増えるとすべて菅さんの責任になってしまう。

世界の指導者たちを見ても、民主主義の国では誰もがコロナ対策には苦労している。

「ロックダウン」などという言葉も今頃になって飛び交っているが、去年の国会で野党がこぞって「私権制限」に反対していたことは忘れてはなるまい。

「ロックダウン」は戦時体制並みの私権の制限である。

もちろんコロナを押さえ込むには有効だろうし、私は去年からパンデミックに限定してロックダウンを可能とする法整備をすべきとの立場だが、多くの日本人は本気でロックダウンを受け入れる覚悟があるのだろうか?

野党は、「ゼロコロナ」や「ロックダウン」を主張するかと思ったら、「私権の制限」に反対したりする。

菅政権のコロナ対策もツッコミどころ満載なので批判するのは容易だが、それに変わる体系的なコロナ対策というものを私は聞いたことがない。

野党には、ぜひ菅政権を凌駕する実現可能なコロナ対策を打ち出してもらいたいものだ。

ここに来て、メディアの中で政府分科会の尾身茂会長を持ち上げる報道が目につく。

政府に苦言を呈し、IOCバッハ会長の再来日を批判した姿勢を英雄視するものだ。

しかし、どうもこの人、怪しい。

もともと医者というよりも医療官僚であり、その行動や発言は政治家っぽくなる。

専門家ならば一般人よりも一歩先を読んだ具体的な提言をしてもらいたいのに、私でも言えそうな話しかしないのだ。

この尾身さんに関して、ちょっと気になる記事を目にした。

東洋経済オンラインに掲載された『「コロナ病床5%」旧国立・社保庁197病院への疑問』。

尾身さんが理事長を務める病院グループのコロナ対応について知られざる事実が書かれていたので引用させてもらう。

国立病院機構(NHO)と地域医療機能推進機構(JCHO)をご存じだろうか。いずれも厚生労働省が所管する独立行政法人であり、旧国立病院など公的医療機関を傘下に置く。そのネットワークは国立病院機構が全国140病院で計約3万8000床、地域医療機能推進機構は全国57病院で同約1万4000床を有している。

医療に詳しい人でなければ、JCHOの存在を認識していないかもしれない。ただ、JCHOの理事長が政府対策分科会の尾身茂会長と聞けば、公的医療機関の中でも重要な位置にあると想像がつくだろう。

国立病院機構と地域医療機能推進機構はどれほどコロナ患者を受け入れているのだろうか。筆者が入手した資料によると、7月末時点で、国立病院機構の全国140病院の計約3万8000床のうち、コロナ病床は1854床(4.8%)、地域医療機能推進機構は全国57病院の同1万4000床のうち、816床(5.7%)。合わせてざっと5%程度にすぎない。

2機構には、それぞれよって立つ法律もある。国立病院機構法と地域医療機能推進機構法は、それぞれの21条に、「公衆衛生上重大な危害が生じ、若しくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、(厚労相が)機構に対し、必要な業務の実施を求めることができる」といった規定がある。

東京で、国立病院機構は3病院の計1541床のうち128床しかコロナ病床に提供できていない。地域医療機能推進機構も5病院の計1455床のうち158床だ。実際の入院患者は8月6日時点で計195人と、同日に都内で入院していた患者3383人の5.8%にとどまった。災害同然の危機的な状況なのに国が関与する医療機関の対応として妥当なのかと疑問に思う。

なぜ、厚生労働相は両機構に緊急の指示を出さないのか。

8月20日、記者会見でこの点を田村憲久厚労相に聞くと、次のように答えた。

「法律にのっとってというより、いまもお願いはしておりまして、病床は確保いただいております。無理やり何百床空けろと言っても、そこには患者も入っているので、転院をどうするという問題もあるので、言うには言えますが、実態はできないことを言っても仕方がない。極力迷惑をかけない中で最大限の病床を確保してまいりたい」

引用:東洋経済オンライン

こういう事実こそ、メディアには報道してもらいたい。

どうして尾身さんは、自分が理事長を務める病院をコロナ専用に変えないのか?

政府が医療機関に命令できないことが日本の医療逼迫を招いている原因だとすると、まずは厚労省傘下の病院から始めるのが筋ではないのか?

尾身さんにぜひ聞いてみたいものである。

この点について、河野さんの著書にもこんな記述があるという。

「いざという時に医療機関や医療従事者に対して政府が指示、あるいは命令を発することができる仕組みが必要」

私も、コロナ問題の根幹には日本の医療界が抱える構造的な問題があると思っている。

菅さんでも新たな総理でも、自民党の支持団体である医師会に斬り込むぐらいの覚悟を見せてもらいたいものだ。

<吉祥寺残日録>圧勝!菅新総裁誕生の裏で気になる「施し票」と石破さん #200914

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