<吉祥寺残日録>終わってみれば自民が絶対安定多数!選択肢なき総選挙で国民は何を選んだのか #211101

4年ぶりに行われた総選挙。

私は初めて比例で「日本維新の会」に投票した。

他に選択肢がなかったからだ。

そして、「日本維新の会」は現有議席の4倍に迫る41議席、一気に第3党に躍り出る大躍進を遂げた。

大阪府の吉村知事の人気で大阪の小選挙区で圧勝したのに加えて、全国各地で比例の議席を獲得、全国政党への第一歩を踏み出した形だ。

しかし、維新の訴えはこれまでと何も変わっていない。

コロナ禍で行われた今回の選挙で各党がバラマキ公約を乱発する中で、危機感を持った私のような有権者が、バラマキを口にせず従来通り「規制改革を徹底して行政の無駄を省く」と主張した維新の立ち位置に共感したのだろうと分析する。

立憲民主党と共産党を中心とした野党共闘が成立し、自民党が議席を減らし野党が伸びるだろうと予測されていた今回の選挙。

注目は、自民党が単独過半数を維持できるか、そして野党がどこまで議席を伸ばすかという点だった。

午後8時の投票終了とともに、テレビ各局が一斉に発表した議席予想を見てみると、自民党の議席数は大幅に減ると予測されていた。

最も多い予測を出したテレビ朝日が243、次いでテレビ東京240、TBS239、日本テレビ238、フジテレビに至っては230議席と単独過半数割れを予想した。

NHKは212〜253と幅を持たせたが、233の単独過半数に届くかどうかとの厳しい予測に変わりはなかった。

私もそのつもりで夜中まで選挙特番を見て寝たのだが、朝起きてみると状況は大きく変わっていた。

与党293議席に対して、野党は162議席。

結局、自民党は現有議席から15減らしたものの、テレビ各局の予想を遥かに超えて261議席を確保、単独で絶対安定多数を維持した。

就任したばかりの岸田総理にとっては、大勝利と言える選挙結果だろう。

「岸田総理では来年の参院選は戦えない」との声も漏れ始めていただけに、岸田さんにとっては党内のそうした声を封じ込める力を得たことになる。

しかし、大きな波乱もあった。

選挙の責任者である甘利明幹事長が小選挙区でまさかの敗北を喫したのだ。

自民党の歴代幹事長で選挙に負けたのは甘利氏が初めてだという。

比例で復活はしたものの党内の求心力はもはやなく、岸田総裁に辞表を提出した。

就任したばかりの幹事長交代は岸田政権にとって吉と出るか凶と出るのか。

誰を次の幹事長に起用するかによって、岸田政権の安定度が大きく変わって来そうな雲行きである。

甘利さんの他にも多くの大物議員が落選したのが今回の選挙の特徴だった。

「石原軍団」の応援を受けてこれまでの選挙で圧勝を続けてきた石原伸晃氏は、野党統一候補の新人に大差で敗れ比例での復活もならなかった。

派閥を率いてきた石原氏の政治生命は断たれたに等しい。

菅内閣でデジタル庁を立ち上げた自民党きってのIT通、平井卓也氏も立憲民主党の候補に敗れたほか、大ベテランの野田毅氏も保守分裂で古賀誠氏が推す無所属の新人に敗れた。

しかし大物の落選という意味では、立憲民主党の方がダメージが大きかっただろう。

副代表として党の顔だった辻元清美氏が落選したというニュースには私も驚いた。

大阪で吹き荒れた維新ブームに知名度の高い辻元さんも太刀打ちできなかったのだ。

また選挙で一度も負けたことがなかった小沢一郎、中村喜四郎の両ベテラン議員も初めて小選挙区で自民党議員に敗れた。

党首の枝野さんや元総理の菅直人さんも深夜まで勝敗の分からぬ大接戦で、辛くも議席を守ったのだ。

対立軸がはっきりしない今回の選挙で、「世代交代」は有権者にとって一つのキーワードだったのかもしれない。

結局、立憲民主党は現有議席から14議席も減らして100の大台を割った。

共産党との選挙協力に踏み切った枝野党首の責任論は免れないだろう。

枝野さんでは政権交代は起きない。

この際、新しい顔を選んで再出発した方が日本の政治にとって良いだろうと私は思う。

政権のチェックは当然野党の務めだが、自民党の挙足を取るだけの野党では国民の支持は得られない。

しっかりした対立軸を示し、自民党とは全く違う日本の将来を示すべきであり、それは社会主義ではないことが今回の選挙ではっきりとした。

日本に今必要なのは、中道勢力なのだ。

自民党が岸田色を強めて中道化するならそれも一つの選択肢である。

しかし安倍さんの影響力が強く残り保守色を強めるならば、野党が中道化する方がチャンスがあるに違いない。

共産党と組んで左傾化したことが立憲民主党の敗因である。

中国の存在が強まる中で、社会主義的な方向性は国民には強い違和感があり、枝野さんの言動には習近平さんに通じる強権的なものを感じるのだ。

今回、「日本維新の会」だけが躍進したのは必然である。

日本の有権者はバカではないことを証明したとも言える。

各党の安易なバラマキは大きな風を起こすことはできず、時代遅れとなっている日本の構造改革をまだまだ進めてほしいという意思を示したのだ。

この民意を岸田さんがどのように政権運営に取り入れていくのか?

まずは幹事長人事が注目である。

安倍一強台風

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