<吉祥寺残日録>祝!大谷翔平、ベーブ・ルース以来104年ぶり投打の「ダブル2桁」達成! #220810

岸田総理は今日、内閣改造と党役員人事を行い、第2次岸田改造内閣が発足した。

麻生副総理、茂木幹事長は留任、注目の安倍派からは萩生田氏を政調会長に引き入れて、党内のバランスを意識した布陣だ。

総務会長には気心の知れた遠藤利明氏を起用して党内の融和を目指す一方、選挙対策委員長として森山裕氏を執行部に入れたことは菅さんや二階さんへの配慮とも言える。

高市さんや福田さんといった若手を党三役に抜擢し、安倍さんの傀儡のようだった前の執行部よりもバランスがいい感じがする。

一方、内閣の方を見ると、旧統一教会の関連で名前が出た閣僚は全員交代し、秋の国会論戦での守りを固めたようだ。

当初9月と言われていた内閣改造が急きょ今日に早められたのも、政治と宗教の疑惑で野党から攻撃されることを恐れたからだろう。

「聞く力」を標榜する岸田総理らしい小手先の一手である。

もう一つ目を引くのは、加藤厚労相、河野デジタル相、西村経産相と菅内閣の中心メンバーが復活したことだ。

事前の報道では菅さんの入閣も取り沙汰されていて、岸田さんには菅さんを取り込もうという狙いがあったのかもしれない。

しかし菅さんが入閣を断り、代わりに菅さんが信頼するメンバーを岸田さんに推薦したように見える。

こうして経験豊富な人材を内閣に取り入れることによって、岸田政権は前よりも仕事ができるようになりそうだ。

とはいえ、肝心の岸田さんがいまだに何をやりたいのか全然見えてこないだけに、岸田さんにとってはこれからが真価を問われる局面であろう。

選挙で勝利し、安倍さんも亡くなり、岸田さんが主導権を握れる環境は整った。

今までのような小手先だけの対策でお茶を濁すようなことは許されない。

山積する難題を根本から変えていくような実行力を新内閣には求めたい。

とはいえ、今日の私は、ニュースも見ずにずっと大リーグ中継を見ていた。

「野球の神様」ベーブ・ルースが104年前に残した1シーズン10勝10ホームランという大記録がかかった4度目の試合である。

この日の投手・大谷は立ち上がりからあまり調子が良くなかった。

スライダーにいつものキレがなく、三振が奪えない。

その代わり、打たせて取るピッチングが続き、ランナーを出しても要所をしめる粘りの投球が続いた。

表情にも覇気がなく、打者を威圧するようないつもの大谷ではないように見えた。

しかし、逆にそれが良かったのかもしれない。

対戦相手アスレチックスの貧打にも助けられ、6回を無失点で投げ切った。

後半戦、大谷が投げる試合で全く得点が奪えなかったエンゼルスが、この日は前半で4点のリードを奪い、エンゼルスはそのまま5−1で逃げ切って、大谷はついに今季10勝目を手にした。

ベーブ・ルース以来となる104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁ホームラン」という二刀流の大記録を達成したのだ。

さらに7回には打者・大谷が自らのバットで25号ホームランを放ち、大記録に花を添えた。

このホームランで、メジャーでの大谷のホームランは118本となり、イチローの記録を抜いて松井秀喜に次ぐ日本人単独2位となった。

さらにさらにこの試合で、大谷は日米通算1000奪三振も達成。

後半戦は登板間隔も中6日から中5日になるそうで、ケガさえなければ今シーズン規定の登板回数を投げる可能性が高く、投手として奪三振のタイトル獲得なども夢ではなさそうだ。

昨年はホームラン王争いを演じた選手が、今年は最多奪三振やサイ・ヤング賞の有力候補に浮上するということで、もうすでに大谷はベーブ・ルースを超える「21世紀の野球の神様」になりつつあるのだ。

ただ気になるのは、このところ大谷の表情がいつも暗いことである。

ホームランを打っても以前のように喜びを素直に表すことがなくなったし、今日のマウンドでもほとんど無表情に淡々と投球を重ねていた。

もちろん疲れもあるだろう。

痛いところもあるに違いない。

それでも主力選手が早々に故障で戦線を離れ、ポストシーズンへの望みもないエンゼルスでの戦いは、大谷が頑張るモチベーションを見つけるのが難しい環境である。

侍のように職人のように個人成績を重視するイチローと大谷はやはりタイプが違う。

大谷翔平にはもっと野球ファンの注目が集まる強いチームで優勝のかかった試合で活躍してもらいたい。

このシーズン中もヤンキーズなど3球団から好条件での移籍話があったが、エンゼルスのオーナーがそれを受けなかった。

そのトレード話が流れて以来、大谷の表情から笑顔が消えた気がする。

今年のシーズンオフ、大谷により良い条件を与えられるチームへの移籍が実現することを祈らずにはいられない。

日本では大谷個人の活躍や記録ばかりがニュースになるが、スポーツはやはり勝ってなんぼなのだ。

今シーズンもまだどんな記録を打ち立ててくれるか楽しみだが、来季以降、グラウンドで輝くような大谷の笑顔が見たいと1ファンとして感じた試合であった。

<吉祥寺残日録>まさに「賞タイム」!選手が選ぶ年間最優秀選手に大谷翔平 #211029

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