<吉祥寺残日録>温暖化対策に新目標!私は「氷河期10万年周期説」を学ぶ #210423

政府は来週からのゴールデンウィークに合わせて、3回目の緊急事態宣言を東京・大阪などに出す方針を決めたが、私の関心はコロナよりもむしろ地球温暖化対策の方にある。

コロナは今後どれほどひどい状況になろうとも、あと1−2年で終息する。

しかし、地球温暖化対策をめぐる世界的な競争は、世界的な哲学の変化をもたらすとともに、この分野での勢力図が数十年後の国力を左右するからだ。

アメリカのバイデン大統領の呼びかけにより、主要40か国の首脳が気候変動について話し合うオンラインサミットが始まった。

これを前に、アメリカは2030年に温暖化ガスの実質排出量を2005年に比べて50~52%減らす目標を発表した。

アメリカは2050年までのカーボンニュートラル実現を公約していて、トランプ前政権との違いをアピールすると同時に、次世代の成長分野である温暖化対策で世界の主導権を握る思惑がある。

気候変動問題は、もはや単なる環境問題ではなく経済や安全保障の問題となっているのだ。

気候変動サミットに参加する菅総理も昨夜、日本の新たな目標を発表した。

「2030年までに2013年比で温室効果ガスを46%削減する」

これまでの目標を20%上乗せする思い切った数字である。

菅政権も2050年までのカーボンニュートラル実現を公約に掲げており、今すぐに大胆な改革に着手する意欲を国際的に表明することになる。

「グリーン&デジタル」という菅政権の目指す方向は、私は断固支持する。

ぜひ思い切った政策転換とオールジャパンでの技術革新を実現してもらいたい。

こんな中で、NHKで再放送された「地球事変  GIGA MYSTERY 氷河期」という番組を見た。

2015年に放送された大型番組で、過去に何度も地球に訪れた「氷河期」の痕跡を求めて、ナイアガラの滝やカナダの北極圏をめぐる内容だった。

番組自体はさほど驚くようなものではなかったのだが、この中である「気づき」があった。

それは「氷期」と「間氷期」の周期についてだ。

アメリカ・デンバーにある国立アイスコア研究所。

グリーンランドの採取された氷柱「アイスコア」が保管されている。

氷の中にはその時代ごとの空気が小さな泡となって閉じ込められていて、密閉された容器の中でこの空気を取り出せば大気中の成分や温度がわかるという。

今から2万年前の地球は現在より10〜15度も気温が低かったことがわかっている。

この研究所にある最も古い「アイスコア」は85万年前のもので、その研究から過去100万年では、10万年周期で「氷期」と「間氷期」が繰り返されてきたことがわかったという。

私が驚いたのは、その比率である。

10万年ほど「氷期」が続いた後、比較的暖かい「間氷期」が1万年ほど挟まる。

つまり、ほとんどの期間は寒い「氷期」であり、「間氷期」はむしろ例外的な時期だというのだ。

そして私たちは1万3000年前から始まった「間氷期」に生きている。

理論的に言えば、いつ次の「氷期」が訪れてもおかしくない。

Embed from Getty Images

そもそもなぜ「氷期」と「間氷期」の周期が生まれるのか?

その理由は、地球が太陽の周りを回る公転の軌道が10万年周期で変化するためだという。

この周期的変化は「ミランコビッチ・サイクル」と呼ばれ、太陽からの距離が遠くなると地球は冷え、近づくと暖かくなるというわけだ。

しかし、あまり心配しすぎる必要はない。

人類=ホモサピエンスが地球上に現れたのは20万年前であり、人類の祖先は何度も「氷期」を生き延びたのだから・・・。

Embed from Getty Images

この番組に刺激を受けて、「氷河期」について少し調べてみた。

すると、「氷期」「間氷期」というのは細かな周期であって、地球の歴史を見るともっと長期にわたる「氷河時代」というのが存在するということを知った。

氷河学的には、地球の歴史の中で、地球上に大陸並みの大きさの氷床が存在している時代を氷河時代という。この意味においては、広大な氷床が南極大陸とグリーンランドにある現在は氷河時代である。また、地球上に氷床がない時代を温室期というのに対し、氷河時代のことを氷室期という場合もある。氷河時代の中でも、中緯度地域まで氷河や氷床に覆われるような、特に氷河の発達した寒冷な時期を氷期という。氷期と氷期の間の温暖期で、相対的に氷河が縮小した時期を間氷期という。

出典:ウィキペディア

つまり大きく捉えると、現在は4900万年前に始まった「新生代氷河時代」の最中であり、その氷河時代の中では比較的暖かい「間氷期」にあるということのようなのだ。

Embed from Getty Images

とはいえ、現在進行中の温暖化は、地球が過去に経験したことのない不確定要素である。

そのため、科学者たちの間でも、次の「氷期」がいつ始まるのか予想が割れているというし、そもそも「氷河期」の仕組みについてはまだ解明されていないことが多いのだ。

氷河時代の原因は、大きなスケールの氷河時代の期間についても、氷河時代の期間内で繰り返す比較的小さな氷期・間氷期についても、完全に理解されてはいない。氷河時代の原因に関する一致した見解は、いくつかの要因が重要だということである。それらの要因とは、大気の組成、地球の公転軌道の変化(ミランコビッチ・サイクル)、プレートの動き、太陽の出力変化、地球-月系の軌道の相互関係、火山活動の影響などである。

これらの要因のいくつかは互いに影響を及ぼし合う。例えば、地球の大気組成(特に温室効果ガスの濃度)の変化は気候を変えることがある一方、気候変動自体も大気組成を変化させることがある(例えば、大気中のCO2と反応する風化作用による変化)。

出典:ウィキペディア

「氷河時代」は数億年続くことがあるようで、現在の氷河時代が始まったのも、南極大陸が分離して現在の位置に移動したことやヒマラヤ山脈ができたことなどが影響していると考えられている。

そして、太陽との距離や太陽の活動状況も地球の気温に大きな影響を与えているのだ。

あまりに複雑でスケールが大きすぎて、知れば知るほどアホらしくなってくる。

今盛んに議論されているレジ袋の削減とか電気自動車に変えるといった対策とはまったく次元の違う。

そうは言っても私たちが生きている短い間でどうなるという話でもない。

地球環境は壮大なスケールで周期的に変化しているということはぼんやりと理解しながらも、今できる対策を一つ一つ積み上げていくほかはない。

最近暇になって井の頭公園をブラブラしながら植物や動物を観察していると、こうした自然を破壊してきた明治以降の日本人の愚かさを感じる。

どんな高層ビルを建てたところで、自然の壮大さにはかなうはずがない。

一生懸命ブルドーザーで開墾した森林が今での農業をする人が減少し、再び森に戻ろうとしている。

人間は100年足らずの短い間、地球上に暮らすことを許されたちっぽけな存在に過ぎない。

人間が切り開いた畑は、耕す人がいなくなった瞬間からたちまち自然に帰っていく。

それは岡山の農地が教えてくれている自然の摂理なのだ。

みんな謙虚に生きよう。

平成以降の日本は、良い方向に進んでいるのだと私は感じている。

<吉祥寺残日録>頑張れテレビ! BS世界のドキュメンタリー「薄氷のシベリア 温暖化への警告」が伝える恐ろしい現実 #210129

2件のコメント 追加

コメントを残す