<吉祥寺残日録>歴代最長記録更新!安倍総理の連続在職2799日 #200824

連日の猛暑が一服すると、少し睡眠の質が改善された気がする。

今朝は6時半ごろまで寝ていた。

外を見ると、朝からもこもことした入道雲が立ち上がり、猛々しい空模様である。

なかなか、いい。

若い頃は、とにかく青空が好きで、雲ひとつない朝はそれだけで幸せな気分になったものだが、今は逆だ。

今日のような表情のある複雑な空が好きになった。

雲が大空のキャンバスに自由奔放な絵を描いている、そんな朝が好きなのである。

この夏、朝からうだるような猛暑の日が続いたせいで、すっかり運動不足になっている。

先週ダイエットの誓いを立て、テイクアウトの回数も減らして、食べる量にも気を使い始めたのだが、今朝の体重は75.8キロ。

思ったほど減っていない。

最初の目標である75キロまで減らすためには、少し運動をする必要があるだろうと、朝食の後、久しぶりに井の頭公園を軽く走った。

平日の午前9時、西園にあるアスレチック施設は空いていた。

器具に身を委ねながら軽くジャンプすると、全身の表面を覆った贅肉がゆらゆらと揺れるのを感じる。

こいつらを全部削ぎ落とせば、間違いなく数キロは痩せるだろう。

鉄棒にぶら下がって身体を伸ばし、腹筋台を使ってお腹まわりも少しいじめる。

やっぱりこうして無理のない範囲で定期的に身体を動かさないと、食事を減らしただけでは痩せないのだと改めて心を入れ直すことにした。

家に戻ってから、まず風呂で汗を流し、眼科で電話して白内障の診察を予約し、9月に予定していた岡山行き航空券の払戻手続きをした。

航空会社は利用客が再び減少したため、少し増やしかけていた国内線の便数をまたまた減らすことにしたらしく、私たちが予約していた便も欠航となったのだ。

会社を辞めたら旅行三昧、そんな私の計画もコロナのおかげで初っ端から狂いっぱなしである。

さて、そんな月曜日。

安倍総理は歴史的な1日を迎えた。

総理大臣としての連続在職日数が今日で2799日となり、佐藤栄作氏を抜いて憲政史上最長記録を更新したのだ。

しかし、安倍さんの体調はどうやら本当におかしいらしい。

「歴代最長の総理」となった記念すべき日に、安倍総理は朝から慶應大学病院を訪れた。

先週受けた検査の続きだという説明だが、周囲の発言やこのところの露出の少なさに加え、時折カメラに映る表情も暗く、自信過剰だったこれまでの安倍さんとは明らかに違って見える。

病で政権を投げ出した第一次内閣の時の記憶がいやでも蘇る。

当然のことながら、永田町では「ポスト安倍」の話がにわかに盛り上がってきている。

Embed from Getty Images

メディアでは、歴代最長の任期の中で安倍総理が何をなしたのか、という当然の問いを投げかけている。

歴代2位の佐藤栄作は沖縄返還を成し遂げた。3位の吉田茂は戦後の日本の骨格を作った。4位の小泉純一郎は郵政民営化、5位の中曽根康弘は国鉄民営化などの行政改革。

歴代の長期政権はみんな一言で言えるような足跡を残したことを考えると、安倍総理のレガシーははっきりしない。

Embed from Getty Images

安倍さんが最もやりたかったのは、自民党結党以来の悲願である憲法改正。

しかし、いまだに目処は立っていない。

憲法前文と9条を守りたい私個人としては、安倍さんたち一派が狙うような憲法改正には絶対反対なので、7年半の長期政権でもそれが実現できなかったことは大いに歓迎したい。

日本国憲法の平和主義は、それだけ多くの日本国民に受け入れられ、戦後日本の根幹をなしているという証だろう。

Embed from Getty Images

続いては、これも歴代政権が解決できなかった北方領土問題。

プーチン大統領とは度重なる会談を重ね一時は打開の糸口が掴めるかと思われたが、結局日露関係改善も具体的な成果をあげられないままここに至っている。

北方領土問題を解決するためには、日本側の大幅な譲歩が必要だと私はずっと見ていたので、安倍さんは結局そこまでの譲歩はできなかったということだろう。

したたかなプーチンさんが、安倍さんの足元を見透かして値段を釣り上げてきたので、合意できなかったのはこれはこれで致し方ないとも思う。

しかし、正直な話、この問題解決は保守派に強い影響力を持っている安倍さんじゃないとできないと考えていたので、本当に残念である。

Embed from Getty Images

さらには、北朝鮮による拉致問題。

小泉訪朝の時から拉致問題に大きく関わってきた安倍総理としては何としても成果を上げたかったのだろうが、この問題については当初の圧力路線が災いして北朝鮮と対話のテーブルさえ用意できなった。

もう少し違ったアプローチがあったのではないかと思うだけに、これは残念だった。

一方で、中国とは当初最悪の関係で習近平さんと会うこともできなかったが、安倍さんは大人の対応で時間をかけながら関係を構築していった。

本当ならば今年予定されていた習近平さんの訪日によって新たな日中関係を構築してこれをレガシーにしたかったのだろうが、コロナによって台無しになってしまい、さらに米中関係がどんどん悪化する中で立ち位置が一段と難しくなっている。

Embed from Getty Images

安倍さんの唯一の成果といえば、やはり経済しかないだろう。

安倍さんの代名詞ともなった「アベノミクス」だが、これもコロナによってかなり色あせてしまった印象がある。

とはいえ、私はこの7年半の経済については一定の評価をしている。

第二次安倍政権がスタートした時の日経平均は1万0230円、為替は1ドル=85円だった。

黒田バズーカから始まった政府日銀が一体となった露骨な円安誘導は、確実に日本経済を元気づけた。

事業仕分けによって経済を縮小させた民主党時代に対し、アベノミクスは経済規模を大きくする方向へと舵を切った。

今となっては安倍政権前の経済状況は忘れてしまったが、多くの企業が円高に苦しみ、経済発展を続ける中国を横目に日本経済はジリ貧で完全に自信を失っていた。

はったりでもいいので、「日本を取り戻す」という公約は実現した安倍さんを私はそれなりに評価している。

若い世代の内閣支持率が一貫して高かったのは、まさにこの間、就職状況が順調だったことの裏返しでもあるだろう。

ただ、日銀がため込んだ大量の日本企業の株を今後どうするのか、出口戦略を示さないままアベノミクスは完全に行き詰まっているのも事実である。

Embed from Getty Images

こうして振り返ってみると、第二次安倍政権の7年半は、歴史的な出来事がほとんどなかったことがわかる。

いいことも悪いこともあまり突出したことがなかった相対的に穏やかな時期だったと後世では総括されるのかもしれない。

つまり、歴史には残らないということだ。

でも、それは決して悪いことではない。

我々が教えられる歴史というものは、ほとんどが戦争の歴史であって、庶民が苦しんだ時代ほど歴史に残るからだ。

安倍政権の7年半、日本社会の人口減少は続き、超高齢化は進み、お隣中国の膨張も続いた。

普通であれば日本社会から活力が失われ、日本人が自信を失ってしまっていてもおかしくはなかったのだ。

でも、安倍さんの中身はないがやたらに強気な発言と国際社会での一定の存在感によって、日本は間違いなく自信を取り戻した。

Embed from Getty Images

東京オリンピックはもともと石原都知事の置き土産だったが、いつの間にか安倍さんが成果を横取りし、日本を訪れる外国人も確実の増えた。

インバウンド政策は、紛れもなく安倍政権が戦略的に取り組んだ施策である。

その結果として急増した訪日外国人の数は、取りも直さず海外で日本への関心、注目度が増したことを意味している。

インバウンドを強化するため、日本各地ではそれぞれ地方の魅力を再発見しそれを商品化して国内外に発信する動きが奨励された。

今はコロナによって厳しい逆風にさらされているが、コロナ後の世界ではきっと観光立国としての日本の魅力は日本にとって大きな財産となるだろう。

そして何よりそのポテンシャルに日本人自らが気づいたことこそ、安倍政権の最大の成果だと私は評価している。

Embed from Getty Images

一方で、安倍一強の奢りは見るに堪えないものがあった。

これは安倍さん一人の問題ではなく、安倍さんの取り巻き、さらには安倍さんの権力にすり寄ろうとする輩によって生まれた複合的な問題だったと理解している。

とはいえ、安倍さんの言葉や振る舞いに大きな原因があったことは間違いなく、とっくの昔に政権交代が起きていても不思議ではなかった。

自らの過ちを認めず嘘に嘘を重ねて強行突破をはかり、反対勢力は力でねじ伏せる。

権力というものはそういうものだと言ってしまえばそれまでだが、非常に見苦しかったし、我々のリーダーとして恥ずかしいと思う局面もたびたびあった。

Embed from Getty Images

それでも、麻生さんや菅さん、二階さんをうまく使って、この長期政権を維持した操縦術は大したものである。

何と言っても、この間に行われた衆参6回の選挙にすべて勝ったのだ。

民主主義国家である以上、この結果は重い。

野党に魅力的な人材が出てこなかったという要因にも助けられただろう。

さらに、自分の地位を脅かすような自民党内の動きもほとんどなかった。

結局はそれが安倍長期政権を実現した一番の原因だと考えられるが、そうなると日本政界の人材不足の方こそ心配になってしまう。

立憲民主党と国民民主党が合流して誕生する最大野党に果たして新たなスターが誕生する日が来るのかどうか?

自民党内の「ポスト安倍」の行方も絡んで、にわかに政治が面白くなってきた。

でも、誰が総理になっても、ポスト安倍は絶対に苦労するだろう。

コメントを残す