<吉祥寺残日録>最高気温とGDPと安倍総理 #200818

「暑い!」と言えば、最近では熊谷や館林、多治見といった地名が思い浮かぶが、歴史を振り返ってみると、その時の状況によって日本各地で異常な温度を記録する可能性があるらしい。

昨日、41.1度という国内最高気温タイ記録をマークしたのは静岡県の浜松市だった。

浜松といえば海もあり浜名湖もあってこれまで暑いイメージはなかったのだが、浜松市の北西に山があって、高気圧の縁を回った風が山を越え「フェーン現象」が起きたと考えられている。

過去の国内最高気温を記録した地点を調べていくと、長い間不動の首位だったのは、意外にも山形の40.8度で1933年から実に74年間トップの座を守った。これも間違いなく「フェーン現象」、子供の頃学校で習った気もする。

その山形の記録を破ったのが、2007年の熊谷と多治見の40.9度、さらに2013年には高知県四万十市が41.0度で記録を塗り替えた。そして2018年に今回浜松市が並んだ40.1度を記録したのが埼玉県熊谷市だった。

「暑い記録なんかいらない」という人もいるが、どうせ暑いのなら日本一の方が何かといい。熊谷のように「日本一暑い町」として町おこしにも利用できる。

その意味では、浜松が41.2度にならなかったことで一番喜んでいるのは、熊谷の観光協会かも知れない。

最高の記録が出た同じ日に、過去最悪の数字も発表された。

今年4−6月期のGDPが年率換算27.8%の過去最大の落ち込みを記録したのだ。

この時期は、政府の緊急事態宣言が発表された頃であり、当然大きな落ち込みが予想されていたので、市場の反応も限定的だった。

既に発表されている欧米の数字に比べれば、完全なロックダウンを行わなかった日本の落ち込みはマシではある。

問題はこの後、どのくらい経済が回復するかという点だろう。

常識的に考えれば、今回の反動で7−9月は大きくプラスに触れると予想されるが、夏場にかけて予想外に感染者が増加したため、期待したようなV字回復は望むべくもない。

この数字をどう見るか各メディアがいろいろ分析していたが、私の目を引いたのは「ブルームバーグ」の記事だった。

「実質GDPは500兆円割れ、第二次安倍政権前に逆戻り」というタイトルが付けられていた。

一部、引用させていただく。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い全国で緊急事態宣言が発令された4-6月期の実質国内総生産(GDP)は、第二次安倍政権が発足した2012年10-12月以来初めて年率換算額で500兆円を下回った。財政・金融政策を柱としたアベノミクスが成長を促してきた日本経済を、新型コロナが直撃した。

内閣府によると、4-6月期の実質GDPは年率換算で485.2兆円と、東日本大震災発生直後の11年4-6月(485兆円)以来の水準に落ち込んだ。物価変動を反映した名目GDPは506.6兆円と、安倍政権発足後の13年4-6月(501.8兆円)以来の低水準。

出典:ブルームバーグ

要するに、GDP600兆円を目標に掲げ異次元の金融緩和を続けてきたアベノミクスは、日本経済を大きくするという大目標を達成することはできなかったということを意味する。

すべて新型コロナのせいにするのかも知れないが、憲政史上最長となった安倍総理の任期中、一番の金看板だった「アベノミクス」でも自慢するほどの成果は上がらなかったということだ。

人口が縮小し少子高齢化が進む今の日本社会では、誰がリーダーでも経済を大きくすることはできないのかも知れない。

それならそれで、現状を正確に分析し、できたことできなかったことを誠実に国民に説明していただきたいと私は思う。

その安倍総理。

昨日、都内の慶應病院で日帰りの健康診断を受けたという。

どうもこのところ会見も開かず、野党が求める臨時国会にも応じず、どこか体調が悪いんじゃないかとテレビを見ている庶民にも感じさせる元気のない安倍総理だが、政界でもそう感じるらしく安倍さんの健康状態をめぐって永田町では様々な憶測が飛び交っているらしい。

第一次政権も体調不良で放り出した前科がある。

本当に健康上の問題があるのではないかと勘繰ってしまう。

いったんそうした噂が立ち始めると、永田町では後継問題が一気に浮上してきたりする。

安倍さんの晴れ舞台となるはずだった東京オリンピックも開催の目処も立たない。

一時は真っ黒けの疑惑も正面突破で切り抜けるタフさを発揮した安倍総理だが、陰りが見え始めるといろんなことが弱々しく見えてくるから不思議だ。

史上最長の在任期間で、果たして安倍総理が残したものは何だったのか?

そろそろ総決算が求められる時期に来ているような気がする。

コメントを残す