昨夜は夜中にトイレに起きる度に、テレビをつけて全米女子オープンの途中経過を確認した。

残念ながら、渋野日向子2度目のメジャー制覇の夢はかなわなかった。
結果は4位、でも良くがんばった。
それにしても低温の中、無観客の中で行われた最終ラウンドはものすごく寒々しく感じられた。

夜が明けてお日様が昇ると、東京上空にも筋状の雲が出ていた。
今朝は寒かった。
この冬一番の寒気が日本列島に流れ込んでいる。

今日は久しぶりに会社に行った。
6月まで働いていたテレビ局。
担当していた数年がかりの大型プロジェクトについて、会社を辞めた後も顧問の肩書をもらってこの仕事だけは最後まで面倒をみることになっている。
数ヶ月ぶりに職場に入ると懐かしいいくつもの顔が迎えてくれた。
みんな元気そうだが業績はあまり芳しくないらしい。
ポツポツとコロナの患者も出ているという。
コロナの時代に新規の仕事を獲得するのは容易ではない。

そういえば昨夜、菅総理が突然、「GO TO トラベル」の全国一斉停止を打ち出した。
ある程度予想はしていたが、驚いたのはその期間で、12月28日から1月11日までだという。
年末年始を選んで「GO TO」を止めるという策はメディアや専門家からもあまり聞いたことがなかったので、菅さんらしい切れ味を感じた。

観光庁の担当者たちも発表の10分前に知らされたというこの決定、メディアの評価は「内閣支持率の急落を受けて追い込まれた」「対応が後手後手だ」と総じて厳しい。
確かに、菅さんの本心は地方経済を守るために「GO TO」はやめたくなかったのだろう。
そこで、「勝負の3週間」と銘打って国民に行動の自粛を求めたが、まったく協力が得られなかった。
そのため、このタイミングで思い切った手を打たざるを得なかったのだと思う。
つまり、菅さんは国民の良識に頼るのをやめたのだ。
方針転換の決定打となったのは、「GO TO を一旦停止すべき」という声が8割に迫った世論調査の結果だと思う。
「GO TO」で直接恩恵を受ける人以外はほぼ全員が停止すべきと考えているという調査結果であり、こうした世論が「GO TO」を止めたのだ。
ではなぜ、菅総理は年末年始を選んだのか?
年末年始は「GO TO」がなくても例年人の動きが集中する時期であり、この膨大な人の動きを抑制しなければ感染の急拡大を引き起こす可能性が高い。
その意味では、年末年始に「GO TO トラベル」を全国一斉停止にした判断は正しいと思う。
まあ、私が菅総理に期待している分、評価が甘くなっているのだが、むしろ心配なのは支持率急落で党内基盤の弱い菅政権が短命に終わってしまう可能性も高まったことだ。
ポスト菅で、またぞろ安倍さんが再登場するのだけは御免被りたいのだが・・・。

そもそも、菅総理肝いりの「GO TO トラベル」は地方経済を支えるための政策である。
ギリギリの状況にある医療関係者を救うことはとても重要だが、倒産の危機に瀕している飲食業・宿泊業、さらにはそうした観光関連業者に食料などを供給している幅広い人たちにも支援が必要であり、菅さんが「GO TO」に執着した理由もそこにあるのだと私は理解している。
しかし、多くのメディアは医療崩壊を防ぐために今すぐ「GO TO」を止めるべきとの論陣を張った。
野党は「人災だ」とまで言って攻撃し、「GO TO」停止を求める世論が広がった。
政策の意義を国民に浸透させられなかった菅政権に責任があるとは言え、この冬、多くの中小事業者が倒産し、失業者が増えることを懸念する。
春以降、ずっと体力を奪われてきた中小の事業者にとって今回の決定は「死刑宣告」になりかねない。
コロナが終息した時、たとえば吉祥寺の街から個人店が消えチェーン店ばかりになっていたり、地方を旅行してもアパホテルばかりになっていたら悲しい限りだ。
そんなことにならないよう、あまり「GO TO」ばかりを目の敵にするのではなく、週末や年末年始をみんなが静かに過ごすような世論づくりが大切なのではないかと感じている。