<吉祥寺残日録>国内感染者20万人突破で「年末年始はステイホーム」 #201222

早いもので、昨日はもう冬至。

コロナに揺れた2020年も残り1週間となった。

このところ冷え込みが強まり、井の頭池の表面がモヤモヤと氷が薄く貼り始めている朝も増えてきた。

私はこの週末の3日間、自主的にステイホームを貫き一歩も外に出なかったが、買い物から帰った妻に聞くと相変わらず吉祥寺の街は人でいっぱいだったという。

そして国内のコロナ感染者の累計がついに20万人を突破。

みんなの「ちょっとした緩み」が積もり積もった数字である。

地方の首長や医療関係者からは強い危機感の表明が相次いだ。

東京都の小池知事は、「年末年始のステイホーム」を呼びかけ、年末にコロナ患者を受け入れた病院に対しては協力金を出すことなどを表明した。

また日本医師会などの9団体が合同で記者会見を開き、「医療の緊急事態」を宣言し、「国が先頭に立って、国民の移動や行動を制限することを、政策として掲げてほしい」と訴えた。

これに対して、夕方会見した分科会の尾身会長は、「首都圏を沈静化させないと全国の感染を沈静化できない」として首都圏での強い措置を求めたものの、緊急事態宣言が必要な段階ではないとの認識だった。

これが本心なのか、立場上言わざるを得なかったのかは不明だ。

そしてTBS「News23」のインタビューに応じた菅総理は、「先般も尾身先生は『まだそこはない』ということを言ってらしたと思います」と述べて、現段階では緊急事態宣言について否定的な見解を示した。

コロナ対応をめぐって支持率が急落している菅内閣だが、このインタビューを聞いても心に響くものがまったくないのは、やはり一国のリーダーとしては寂しい。

良くも悪くも、トランプさんやジョンソンさんのように、連日会見を開いたり、SNSで動画を発信した方が国民受けはいいのではないかと思うのだが、菅さんは話が下手だし、よほど話すことが苦手なんだろう。

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欧米の感染状況も深刻だ。

イギリスでは、従来より7割も感染力が強い変異型のウィルスが発見されたというニュースが流れ、ヨーロッパを中心にクリスマスシーズンにロックダウンするエリアが広がっている。

私の妻などは、政府はなぜ緊急事態宣言を出さないのかと憤っているが、私は春の第一波の時とは違って、あまり強い危機感を感じていない。

当時と比べれば、コロナウィルスの正体がある程度はっきりしてきて、高齢者や基礎疾患がある人以外は致死率が高くないこともわかってきた。

むしろ緊急事態宣言を出して街から人が消えると、多くの倒産、失業が出るだろうと予想する。

ほとんどの人にとっては行動を制約されるだけのことだが、一部の人たちにとっては生活の破綻を意味することになり、コロナによる死者よりもずっと深刻なダメージを社会に与えることになるだろう。

コロナで死ぬのは高齢者だが、経済で困窮するのは現役世代であり、コロナがこの程度であれば政府が経済にバランスを置いた政策をとっているのもある程度理解できる気がしている。

最も懸念されるのは医療崩壊だが、正直な話、まずは医学界がシステム全体を見直して総力を挙げて対処すべき課題だと思っている。

感染者を増やさないよう国民に呼びかけることは重要だが、欧米並みに感染者が急増した時にどう対処するか、その方法を考えるのは医学界の使命だろう。

もちろん政府・自治体・厚労省には、そうした医学界の奮闘を支えるあらゆる支援を行ってもらいたい。

メディアの伝え方を聞いていると、国民の「コロナ疲れ」を仕方ないとするような論調が気になる。

「個々人のやれることは限界だ」などと視聴者にこびるような安易な言動は絶対に慎むべきだ。

これはある意味ウィルスとの「戦争」であって、自分がいくら疲れていても相手は常に攻めてくる。

自身を鼓舞して、やるべきことを各自が続けるしか方法がないのだ。

今年の年末年始は、国民も医学界も自分を甘やかさず、それぞれの責任をきっちり果たすべき時期だろう。

もちろん、政治家や公務員が頑張るのは言わずもがなである。

そういえば、昨日の夕方テレビの天気予報を見ていたら、木星と土星が400年ぶりに大接近するのが今見えるというので、慌てて屋上にかけ上がって南西の空を眺めた。

残念ながら、どれが木星なのか建物も邪魔になって私には確認ができなかったが、東の方向を眺めるとライトアップされた東京タワーが遠くに見えた。

小池都知事は、都心で行われている年末のイルミネーションも午後8時で消灯するよう各所に要請したという。

いっそのこと、象徴としてやめてしまえばいい。

年末年始は、自宅で、いつもの家族とステイホーム。

気ままな私はすでに実践しているが、果たしてどれだけの人が要請に従うのだろう?

まったく予想もつかない。

私権を制限する強力な法律ができる前に、国民の自主的な行動変容によって感染拡大が止まることをとにかく期待したい。

戦前、関東大震災後の混乱の中で「治安維持法」が成立した歴史の悪夢がチラッと私の頭をよぎった。

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