<吉祥寺残日録>五輪組織委員会の新会長は橋本聖子さん!私は断固応援します #210219

すったもんだの末、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新しい会長に橋本聖子さんが選出された。

五輪担当大臣を辞めて、森さんの後任の会長就任を受諾したのだ。

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本人が望まぬうちに、外堀が完全に埋められていた。

森前会長の女性蔑視発言によって、国内だけでなく海外からも厳しい視線にさらされる「渦中のクリ」を拾うのだ。

しかも、大臣の職を投げ打って・・・どう考えても割りに合わない。

しかも、待ち受けているのは茨の道である。

橋本さんは、厳しい批判にさらされる森前会長を「政界の父」と呼美、その親しい関係は大きなマイナスイメージとなる。

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さらに、ソチオリンピックの選手団長だった橋本さんが、男子フィギュアの高橋大輔さんにキスを強要した「パワハラ問題」も再び蒸し返されることは間違いない。

橋本さんが、直前まで「五輪担当大臣を続けたい」と述べていたのは本心だろう。

それでも、会長選出後の会見に臨んだ橋本さんは、踏ん切りがついたというスッキリした表情に見えた。

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『今まで東京オリンピック・パラリンピック、男女共同参画の大臣を全うしたいと思ってきて大変悩んだが、こういう状況だから乗り越えなければいけないと伝えられた。私が受けることが重要だと思って決断した』

橋本さんは、そのように語った。

パワハラ問題についても、はっきり反省の意思を示した。

『自身の軽率な行動について深く反省している。7年前にそういった一連の問題が出されたわけだが、しっかりと経緯を受け止めながら会長職を全うすることで、しっかりと多様性や調和、男女平等、あらゆる問題に対してオリンピズムの原則、ムーブメントをもとに着実に進める。そうすることで皆さんにご理解いただけることになると思う』

長い人生、誰でも間違いはある。

高橋大輔さんも「あれはセクハラではなかった」と言っているのに、最近の日本社会は過去の過ちを許す寛容性が失われてしまっているのではないか?

その上で橋本さんは・・・

『一連の問題に対して早急な対応が必要だと思っている。今月内には新たな方向性を示したい。女性理事の比率を40%にして、多様性と調和をしっかり打ち出して、理解いただけるよう早急にやっていきたい』

と、さっそく組織委員会の女性理事の比率を増やすことを約束した。

どうせなら、思い切ってスポーツ界に蔓延る男性優位の風潮をぶっ壊してもらいたいものだ。

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今では日本人選手がオリンピックでメダルを取るのは珍しくないが、女性選手にとって冬季五輪でのメダルは遠い夢だった。

その夢を初めて達成したのが、1992年のアルベールベル五輪女子1500m、日本期待の橋本聖子選手が獲得した銅メダルである。

日本中が興奮した快挙だった。

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橋本さんは、スピードスケートでサラエボ、カルガリー、アルベールビル、リレハンメルの冬季4大会、さらに自転車競技でもソウル、バルセロナ、アトランタの夏季3大会に出場した。

若い人たちにはピンとこないだろうが、1964年の東京オリンピックの直前に生まれた橋本さんが「オリンピックの申し子」と呼ばれ、当時アイドル並みの人気を博していたことを私の世代以上の人たちは憶えているだろう。

だから、私は橋本聖子さんに期待する。

断固として応援したい。

どんな立場であろうとも、東京オリンピックの成功のために全力を尽くす、その思いは誰よりも強いと信じるからだ。

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今回の会長選びにあたってメディアでは、「透明性の確保」という言葉がしきりに語られた。

辞める森さんが川淵三郎さんを後継に指名し、官邸が介入して一夜のうちにひっくり返すというドタバタ劇があったからだ。

しかし個人的には、「人事」に完全な透明性を求める意見には違和感がある。

最も重要なことは結果を出すこと、オリンピックを無事に安全に行うために誰が適任かということであって、選定のプロセスをフルオープンにすることではないと思っているからだ。

組織は、きれいごとだけでは動かない。

開幕が5ヶ月に迫った今の時期に、各所との調整を担うだけでも大変なのに、様々な方面からの圧力も予想される。

こんな厄介なポジションを引き受けられる候補者はほとんどいないだろう。

だから、責任のない人たちがあれこれ意見を言い合って、人気投票で選ぶことが良いとは決して思わないし、絶対にそれは避けるべきである。

人事は人事権を持つ人が行い、その人が責任をすべて背負う以外にないのだ。

橋本さんが抜けた後の五輪担当大臣には、私が大嫌いな丸川珠代さんが就任することになったが、これも人事なので私も不満を抑えて受け入れるしかないだろう。

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私も一時、会社の人事に関わっていた時期があるが、「透明な人事」などというものは見たことがない。

どこの会社であろうと、どこの団体であろうと、人事は人事権者が決める。

人事評価には常に個人の好き嫌いが反映されるものだ。

「なんであいつが」と新しい人事が発表されるたびに、多くの人が不満を募らせるのがサラリーマンの常であり、人事というものだと理解している。

メディアもあまり幼稚な批判をせずに、組織委員会が早く正常な軌道に戻れるよう橋本さんを応援するような報道をして欲しいと思う。

オリンピックが開催されるにせよ、中止になるにせよ、粛々と必要な準備を進め、日本社会の成熟ぶりを世界に示すべき時だと私は考える。

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