バイデンさんが来日し、岸田さんたちと中国を封じ込めるための策をあれこれ練っていたこの月曜日、私は1ヶ月半ぶりにゴルフに行ってきた。

晴れたり曇ったりのちょうどいい天気で、おまけに湿度が低く、吹き抜ける5月の風が爽やかな最高のコンディションだった。
一緒に回ったのは70代半ばのメンバーさん2人で、聞くと年120回とか70回とかラウンドしているのだとか。
お二人とも元気なもので、私もあと10年ぐらいはゴルフを楽しむことができるかなと思い、コロナで控えていたゴルフを再開することにした。

あまりに久しぶりだったので、自分のホームコースにも関わらず細かなレーアウトが頭からすっかり消えていた。
とはいえ、この間一度もゴルフクラブを振っていなかったもののショットの方は思いのほか順調で、OB1つ、池ぽちゃ1つぐらいでなんとか乗り越えることができた。
一方で、パットやアプローチは散々で、3パットが5回、4パットが2回、アプローチもほとんどミスして、スコアは46、50の96だった。
いやはや、思い通りにはいかぬものである。

それでも70代の先輩たちに励まされながら、長らく来ていない間に消失したハンディキャップを再び取ろうと決意した。
そのためには、年内に最低10回はスコアを提出しなければならない。
不本意なスコアでもそれが今の実力、素直に受け入れてスコアカードをとりあえず1枚提出してきた。
他にもやりたいことがいろいろあるので、年間100ラウンドなど考えられないが、東京にいる間は週1回ゴルフ場に足を運ぶことを目標に、残る年内9回を目指そうと思う。

さて、思いのままにならないことといえば、北海道知床での観光船沈没事故も思わぬ展開になっている。
船体を引き上げるためにサルベージ船が現場に到着、「飽和潜水」という特殊な方法でダイバーが水深120メートルの海底に潜り船を水面近くにまで引き上げるのに成功した。
意外にあっさり引き上げができたものだと眺めていたら、観光船をサルベージ船の上に持ち上げるため浅瀬に曳航する途中で、誤って観光船が落下してしまった。
今度は前よりも深い水深180メートルの海底。
人間が潜れる深さではないため、水中ロボットを使って再度引き上げを試みるという。
私もかつて潜水艦「なだしお」と漁船の衝突事故を取材したことがあるが、民間人が宇宙に飛ぶ21世紀になっても深海はまだまだ人類にとってはままならぬフロンティアなのだ。

事の発端は、町役場が新型コロナウイルス対策の給付金として町内に住む男性に誤って4630万円を振り込んでしまったことだった。
町はすぐに過ちに気づき男性に返還を求めたところ、この24歳の男性は全額をネットカジノで使ってしまったのでもう手元にお金がないと言って返還を拒んだ。
コロナ給付金、ネットカジノ、そして男性の逮捕。
ゲスな興味を掻き立てるこの事件は、瞬く間に日本中の関心を集め、日本海沿いの小さな町が一躍全国の注目を集めることとなった。

「えっ、ネットカジノで使ったんじゃなかったの?」
「やっぱり隠していたんだ」
と思ったが、真相はいまだにはっきりせず、にわかにこの「決済代行業者」という存在が注目されることになった。
私も全く知らなかったので調べてみると、実に多くの決済代行業者が存在し私たちの身近な存在になっていることを知った。
要するに、クレジットカードや電子決済、QR決済など、決済手段が多様化する中でそれぞれと契約するのは面倒で審査にも手間がかかる。
そこで決済代行業者が間に入ることで、売る側も買う側も便利にさまざまな決済サービスを利用できるようになっているということらしい。
ECの普及によりこのところ年16%ほどの伸びを示していて、2025年には7000億円市場に成長するとみられているという業界なのだ。
この男性が利用した3社がどこの決済代行業者だったかは明らかになっていないが、業界のシェアトップは「ソフトバンクペイメントサービス」、そして2位が「GMOペイメントゲートウェイ」だそうだ。
ソフトバンクもGMOも、お金に絡むところにはどこにでも顔を出す。
男性が利用した3社がなぜ町にお金を返したのかその理由はまだわからない。
「ネットカジノで全額使った」という男性の証言からマネーロンダリングのようなやましいところがあるので、捜査の手が入る前に返金したのではないかとの憶測も流れている。
元はと言えば、町役場がなぜこの男性に大金を振り込んだのかというのが大問題で、どう考えても理解に苦しむのだが、その点はあまり突っ込まれないまま憶測が憶測を呼ぶ展開となっている。
平和といえばまことに平和な日本であるが、いつまでこの平和が保たれるのかはわからない。

中国軍とロシア軍の爆撃機あわせて6機がきのう日本周辺を飛行するのが確認された。
核兵器も搭載できる爆撃機で、岸防衛大臣は日米豪印4カ国の枠組み「クアッド首脳会合を開いた開催国たる日本への示威行動を意図したものだ」と不快感をあらわにした。

ここ数年、中国軍とロシア軍が共同で日本周辺で示威行動を行うことが増えているが、日本政府がそれをあえて発表することにも狙いがあるということは見ておく必要があるだろう。
お互いが国内向けに危機を煽れば煽るほど、現実の緊張も高まってくる。
台湾有事には現実的に対応して準備する必要はあるが、不必要に緊張を煽るのは賢明な策ではないだろう。
どうやれば、台湾を含めた東アジアの平和が守れるのかが需要であり、防衛力強化はその手段でしかない。
たとえ防衛力を強化したからといって、それだけで中国を封じ込められると考えるのは危険で、思いのままにならぬ相手とどう向き合っていくのか幅広い選択肢を持っておくことが求められる。

バイデン大統領が日本を離れたのを見定めたように、北朝鮮も今朝3発のミサイルを発射した。
そのうちの1発はアメリカ本土をも射程に収める大陸間弾道弾だったという。
私は常々、北朝鮮の挑発にはいちいち反応しない方がいいと考えているが、アメリカと韓国はこれに応戦するかのようにそれぞれ日本海に向けてミサイルを発射したそうだ。
ロシアによるウクライナ侵攻以来、世界中がとても好戦的になっているように感じる。
勇ましい言葉を吐くことは政治家としては気持ちがいいのかもしれないが、それぞれの国内向けのポーズやアジテーションが国民を次第に戦争に向かわせるリスクを警戒しなければならない。
何事も思いのままにはならぬもの。
プーチンの戦争が何よりもそれを証明しているではないか。