<吉祥寺残日録>オミクロン株の世界的感染拡大はコロナ時代の終焉か? #211230

いよいよ明日は大晦日。

妻の付き添いでささやかなお正月の買い出しに出かけた。

なるべく街に出ないようにしている間に、サンロード商店街にはお正月の飾り付けがされていた。

来年は寅年。

虎の古代文字、これは読めない。

妻御用達の「西友」で、エビを3匹、数の子、伊達巻など最低限の材料を買う。

年が改まるとは言っても、別にこの年になると嬉しくもないので、お正月の支度は文字通り最低限に済ませる。

大晦日から三男が泊まりに来るというので、その分余計に食べ物が必要なぐらいだ。

朝10時に買い物に行ったので、街はまださほど混雑していなかったが、ダイヤ街商店街には長蛇の列ができていた。

行列の先が何かと進んでいくと・・・

昭和20年創業の老舗練り物屋「塚田水産」だった。

年末におでん?

と思って覗き込むと、お正月用のかまぼこなども売っているらしい。

その隣では、「肉のさとう」も久々の大行列。

妻によれば、吉祥寺の街中は連日買い物客でごった返しているという。

昨日は東京の新規感染者が76人と、2ヶ月半ぶりに70人を超えたらしい。

アメリカでは1日50万人、フランスでも20万人という感染爆発が起きていることを考えれば、日本でも年明けにはオミクロン株の急拡大が予想される。

そんな中、吉祥寺でも無料のPCR検査が始まっているようだ。

焼肉屋の李朝園が入っている雑居ビルの1階に木下グループが設置したPCR検査場。

11月半ばから有料で検査が受けられるようになっていたそうだが、今月25日からは無料で検査が受けられるようになったらしい。

PCR検査を拡大するという政府の方針を受けて東京都が始めた「PCR等検査無料化事業」の一環だ。

基本的には唾液による検査のようで、結果は翌日までに通知される。

ただし事前の予約が必要だと木下グループのホームページには書いてあった。

私は引きこもっているので特段検査を受けるつもりもない、検査したい人たちにとっては一歩前進だろう。

ダイヤ街では「東京都モニタリング検査」と書かれた会場の設置が行われていた。

聞くと今日の12時から活動を開始するということで準備中だったが、こちらは東京都が感染状況を把握するために各地で無作為に行なっている疫学調査の一環なのだろうか?

岸田政権発足後、どういうわけかずっと感染者が少ない状況が続いてきたが、そろそろ本格的に第6波への警戒が始まっているようだ。

オミクロン株の増殖の速度はデルタ株の70倍という研究結果も発表されていて、欧米を中心に猛烈なスピードで感染が広がっている。

世界全体で見ると、28日の新規感染者数は7日間の移動平均で1カ月前に比べて6割増の約93万人となり、過去最高となったという。

27日の1日だけで見ると、全世界で144万9000人が新たにコロナに感染し、おそらく今日はもっと増えているのだろう。

ところが注目すべきは死者数の推移で、7日間の移動平均は約6400人で、1カ月前に比べて約8%減った。

肺では比較的ウイルスが増えにくいというオミクロン株の特性が影響している可能性があり、デルタ株に比べて入院のリスクが40〜45%低いというデータもある。

さらに最初にオミクロン株の感染が拡大した南アフリカでは、急速に拡大して急速に減少したという報告とともに、オミクロン株に感染した人はデルタ株に対しても有効な免疫を獲得しているという報告もあり、オミクロン株の爆発的な感染拡大によって世界中の多くの人がコロナに対する免疫を獲得する可能性もあるようなのだ。

オミクロン株の拡大がどこまで広がるか分からないので、来年の状況を占うのは早計だが、ひょっとするとオミクロン株の出現は、2年以上続くコロナの時代が終わろうとしていることを意味するのかもしれない。

何事も楽観的な私には、そんな風に思えるのだ。

多くの人が私と同じように考えているせいか、過去最大の感染爆発にも関わらず、かつてのような絶望的なニュースは伝わってこない。

ワクチンがあり、飲み薬も開発されて、コロナは徐々に普通の病気になりつつあるのかもしれない。

メディアでもこれまでのコロナ対策について検証する動きも始まっている。

NHKスペシャル「検証 コロナ予算77兆円」。

去年から3回編成されたコロナ対策の補正予算77兆円がどのように使われたのかをAIを用いて検証する番組だ。

「未曾有の」という枕詞とともに与野党あげて国家予算の大盤振る舞いをしたこの2年間。

国民全員への10万円給付など前代未聞の対策のオンパレードだった。

その成果として、去年の初め私が危惧したような大恐慌に陥ることもなく2年目の年の瀬を迎えることができた。

しかし、冷静に分析してみると、2020年の倒産件数は7800件と2000年以降2番目に低い水準となったという。

飲食や観光、エンターテインメント業界など、日本全国から悲鳴が上がっていたが、結果的には倒産した会社はとても少なかった。

さらに今年は去年に比べても倒産件数は大幅に減少していて、帝国データバンクが昨日発表した情報では今年の倒産は5000件台にとどまる見込みだという。

この数字は、1966年以来55年ぶりの低水準である。

これは本当ならば潰れていた会社まで国民の負担によって生き延びたことを意味する。

さらに問題なのは、電通など一部の大企業に莫大なコロナ予算が流れ込んでいることだ。

これは今回のコロナ対策に限らず、政府が発注する公共案件すべてに言えることだが、各省庁が立案した政策を実施するにあたり電通のような出入り業者が実務をすべて請負い、それを下請けに再委託することで大儲けする構図が存在する。

私もテレビ局でのキャリアの最後、公共案件にも携わる仕事をしたことがあるが、中央官庁の別働隊のように日夜役所に出入りしている特定の企業が、コロナ対策でも元請けとなり巨額の予算をそれらの民間企業が差配する不明朗な仕組みになっているのだ。

持続化給付金の電通しかり、GO TO トラベルの大手旅行代理店しかり。

しかし霞ヶ関の官僚たちだけでは具体的な事業は回らない。

彼らには実務能力も実行部隊もないのだ。

デジタル化の遅れがこうした古くからの官民馴れ合いの構図を生き延びさせている。

予算執行の情報公開が不十分なことも無駄遣いの温床となっているのである。

ポストコロナはどんな時代になるのだろう?

77兆円のコロナ予算はすべて国債によって賄われている。

つまり「未曾有」という魔法の言葉によって、負担はすべて将来世代に押し付けられた。

こうしてばら撒かれた大量のマネーによって、株価は上がり、裕福な人はますます豊かになった。

日経平均の今年の終値は2万8791円。

多くの専門家が予想した3万円には届かなかったが、史上最高値を付けた1989年以来、32年ぶりの高値水準だったという。

それでも連日史上最高値を更新するアメリカなどに比べて、日本株は出遅れているという声は根強い。

人間の欲は止まるところを知らない。

コロナで収入を減らした人に対象を絞って支援するという当初の政策は、「不公平だ」という訳のわからない世論によってねじ曲げられたのだ。

コロナバブルを生み出した責任は政府だけにあるのではなく、目先の利益だけに汲々とする私たちにも大きな責任がある。

77兆円というコロナ予算の金額は、東日本大震災の復興予算10年分の倍以上である。

一人当たり60万円以上。

そのお金をどうやって返済するのか?

復興予算に関しては私たちも多少負担した記憶があるが、コロナの場合はどうするのだろう?

何事も借りるのは簡単だが、返済するのは大変であり痛みを伴う。

しかも今回は、世界的なパンデミックだったため世界各国が同時に財政赤字を増やしてしまった。

先送りの根拠だった世界の人口増も、今世紀中にはピークを迎え、将来世代に負担を強いるという手法はどう考えても破綻している。

安易に「未曾有」という言葉を使って大盤振る舞いをしていると、首都直下地震で東京が壊滅した時、復興するためのお金はどこにも無くなってしまうのではないだろうか?

「入るを量りて出ずるを為す」。

先人たちが残した言葉は、いつの時代も真理であると私は思うのだが・・・。

<吉祥寺残日録> “アベノマスク”の4社目 #200428

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