<吉祥寺残日録>ウクライナ危機🇺🇦 暴かれるロシア軍の住民虐殺!「戦争犯罪」への対応で問われる日本の本気度 #220406

ロシア軍が撤退したキーウ周辺で、一般市民の遺体が次々に見つかり、「戦争犯罪」が新たなキーワードに浮上してきた。

ウクライナ軍と共に激戦地となったブチャに入った西側のメディアが、遺体が放置されたままの衝撃的な映像を伝えた。

中でも、フランスAFP通信のサイトを見ると、生々しい写真が注意書きと共に複数アップされている。

黒い袋に収められてワゴン車に積み込まれる遺体。

街から逃れようと通りに出た市民たちはロシア軍のスナイパーに撃たれたと住民たちは証言する。

こちらは袋に収められる前の遺体。

体格のいい男性のようだ。

現場を取材したAFPの記事を引用しておく。

 自治体職員のセルヒー・カプリチニ(Serhii Kaplychnyi)さんによれば、ブチャ当局はロシア軍の占領下で、犠牲者の埋葬を認められず苦慮していた。「ロシア軍の銃弾や砲弾の破片で大勢が亡くなった」

「彼らは、私たちが犠牲者を埋葬するのを許さなかった」「寒い間は放置しておくように言った」とカプリチニさんはAFPに語った。

 最終的にロシア軍は遺体の収容を許可した。「トラクターで穴を掘って、集団埋葬した」

 ある日、頭部を撃たれた10人の遺体を収容したことが忘れられないと話す。「狙撃手が『楽しんで』いたようだ」とカプリチニさん。

 住民もできる限り、亡くなった隣人の遺体を庭や工場の敷地などに埋葬していた。きちんとした葬儀は危険過ぎてできなかった。

「使われなくなった古い下水溝に遺体を集め、ふたをしてあるそうなので、これから収容に行く」とカプリチニさんは話した。

引用:AFP

今時の日本のメディアでは、遺体の写真を掲載することはタブーのようになっているが、戦争のリアルを多くの人が知ることは私は必要だと思っている。

こちらの遺体は明らかに後ろ手に縛られている。

単に逃げようとした人を撃っただけではない。

 教会の近くの廃虚と化した家々が立ち並ぶ道。白いワゴン車に乗った4人の男性が遺体の収容に当たっていた。この細い道だけでも20人の遺体が放置されていた。全員が民間人の服装だ。1人は白い布で後ろ手に縛られ、フードをかぶった頭部を血だまりに横たえていた。

 ビタリー・シュレカ(Vitalii Shreka)さん(27)はナイフで布を切ろうとしたが、うまくいかなかった。布をほどいて、遺体袋に収納する。一人ずつ身分証を確認し、ワゴン車に乗せていく。

 ウラディスラウ・ミンチェンコ(Vladyslav Minchenko)さん(44)は、別の遺体の横に立ち「やらなければならないことだ」と言った。遺体の周りにはジャガイモが散乱し、雨に打たれていた。買い物帰りに犠牲になったのだろう。

引用:AFP

殺人事件の場合、綿密な捜査が行われるが、戦争となるとたちまち一人一人の人生など忘れ去られ、死亡者の数だけがニュースとなる。

これはおかしな話で、殺人事件で殺された人にも戦争で殺された人にも同じように大切な家族がいて、一生懸命生きてきた足跡があるのだ。

英BBCは次のように伝えている。

ブチャでは、男性住民が人道回廊を通って避難するのをロシア軍兵士らが認めず、住民に向かって発砲したとの目撃証言がある。

通りでは少なくとも20人の遺体が見つかっており、その多くは体の広い範囲で傷が見られる。処刑のようにこめかみを撃ち抜かれた遺体や、戦車にひかれたとみられる遺体もあった。

衝撃的な動画や写真が明らかになり、世界中で激しい怒りの声と、ロシアに対する制裁の強化を求める意見が出ている。

BBCのヨギタ・リマエ記者は、ブチャの民家の地下室で、後ろ手に縛られた男性5人の遺体を確認した。射殺されたとみられる。

キーウ近郊モツジン村では、BBCの取材チームが浅く掘られた埋葬地で4人の遺体を確認した。ウクライナ当局は、さらに多くの遺体がある可能性を示唆した。

遺体のうち3人は、オルハ・スヘンコ村長と、その夫と息子のものだと確認されている。もう1人の身元は不明。4人がいつ殺害されたのかも分かっていない。

引用:BBC

さらにキーウ北西部のボロディアンカという町では、ブチャ以上の犠牲者が出ていると伝えられていて、今後日を追うごとにロシア軍による民間人虐殺の実態が明るみに出るだろう。

ウクライナのゼレンスキー大統領は警護の人たちに守られながらブチャの街を訪れ、沈痛な面持ちで「これは集団虐殺だ」と記者たちに語った。

『我々の軍が入り一部の地域を解放するごとに、何が起きているのか連日のように目にします。言葉にして語るのはとてもつらい。とてもつらいことです、連中がここで何をしたのか目にすると。そして毎日のように知らされます。樽や地下室に押し込められ、首を絞められた人たち、拷問された人たちがいたことを』

さらにゼレンスキー大統領は4日夜のビデオ演説で、戦争犯罪について捜査する考えを明らかにした。

『私たちはすでに、この犯罪に関与したロシア軍の全員をできるだけ早期に特定するため、できる限りのことをしている。ウクライナと欧州連合、とりわけ国際刑事裁判所などの国際機関の共同作業になるだろう。占領者によるすべての犯罪が記録されている。有罪のロシア軍による全犯罪について裁くための、手続き上必要な根拠は提供される』

これを受けてウクライナ国防省は4日、ブチャで民間人殺害に関与した可能性があるロシア軍兵士1600人あまりの名簿を公開した。

氏名や階級、生年月日を明記し「全ての戦争犯罪者は裁判にかけられ、責任を負わされる」とした。

ゼレンスキー大統領は5日、国連安保理の緊急会合で初めてのオンライン演説も行った。

「世界中の潜在的な戦争犯罪者たちに、最大の戦争犯罪がどのように罰されるのか示すべきだ」と訴えると共に、「真実を明かし、説明責任を果たすことに国連の全加盟国が関心を持つべきだ」と全ての加盟国に戦争と止めるための努力を求めた。

そのうえで、平和維持を担う安保理と国連が「機能していないのは明らかだ」と述べ、ロシアの拒否権行使で何の行動も取れなかった国連の改革も強く訴えた。

これに対してロシアは関与を全面的に否定し、「ブチャでフェイクニュースが作られている」として、国営テレビではウクライナ側の映像に嘘があると報道している。

ロシアのスプートニク通信の日本語サイトを見てみると、こんな記事が出ていた。

ウクライナ政権とマスメディアは、キーウ州ブチャの町で撮影されたとされる、道路に死体が横たわる映像を流した。ところがネットユーザーからは、遺体付近の地面に血痕がない、死者の中には袖に白い腕章をしている者が混じっているという指摘のほか、「死者」が腕を動かしている、カメラマンの車のバックミラーに映ったある「死者」が車が通過する際に自分で体位を変えているように見えるという指摘が多数挙げられ、ウクライナ治安維持部隊や国土防衛隊による殺害の疑いがあるとして、ウクライナのロシアに対する非難の信憑性に疑問が呈されている。ロシア国防省は、ブチャでロシア軍が犯した「犯罪」を証明するとしてウクライナが公開した写真とビデオはすべて「挑発の常套手段」だと指摘し、ロシア軍の全部隊はトルコで宇露交渉が実施された翌日の3月30日の時点ですでにブチャから撤退している事実を明らかにしている。ペスコフ報道官は4月4日、ロシアはブーチャでの虐殺に関与したという非難を完全に否定し、世界の首脳らに対して、ロシアに濡れ衣を着せる非難に走らず、ロシアの示す論拠に耳を傾けるよう求めるとする声明を表した。ペスコフ報道官は、ブチャでの虐殺煽動について、ロシア人外交官らは国連安保理の議題として取り上げるよう働きかけていくことを明らかにしている。

引用:スプートニク日本

こうしたロシアの強弁に対し、西側メディアやデジタルハンターたちは即座に反論している。

その一例がこちらの衛星写真。

ニューヨークタイムズは4日、米衛星運用会社のマクサー・テクノロジーズの衛星写真などを分析し、ロシア軍の撤退前からブチャの路上では遺体が確認された。少なくとも11体がロシア軍のブチャ制圧から3週間、同じ場所にあったと伝えている。

さらに、民間人の殺害だけでなく、戦争につきもののレイプも横行しているという。

「クーリエ・ジャポン」はイギリス「ガーディアン」の記事として、なかなか表面に出にくいレイプの問題を報じている。

4月3日、写真家のミハイル・パリンチャクがキーウから20キロ離れた高速道路で撮影した一枚に、世界は震え上がった。男性1人と女性3人の遺体が毛布の下に積み上げられていた写真だった。女性たちは裸で、体の一部が焼かれていたと、パリンチャクは言う。 このおぞましい写真は、ロシアの支配下にあった地域で処刑、レイプ、拷問が市民に対して行われていたことを示す数ある証拠のひとつにすぎない。 とりわけ多くの人にとって理解しがたいのは、性暴力がかなりの規模で行われていたことだ。ロシア軍の撤退を受けて、ロシア兵による残虐行為を警察やメディア、人権団体に訴えるウクライナ人女性や少女たちが相次いでいる。 集団レイプ、銃を突きつけられたうえでの暴行、子供の目前での強姦など、捜査当局に寄せられた証言のなかには耐えがたいほど残酷なものがある。

引用:クーリエ・ジャポン

戦場での意図的な集団レイプは、私が取材していたボスニア紛争でも大規模に行われた。

第二次大戦でも、日本軍による婦女暴行は各地で報告されたし、満州に攻め込んだソ連軍も日本人女性を集団で暴行した。

戦火が収まれば、これまで伝えられることのなかった戦場の不都合な真実が次々に暴かれることになるだろう。

ブチャでの惨劇が伝えられると、ドイツやフランスは即時にロシアの外交官の追放を決定した。

EUのフォン・デア・ライエン委員長はキーウを訪問しゼレンスキー大統領と会談することを決めたほか、欧米各国は制裁の強化に向けて動き出した。

過去の戦争を見ても、こうした残虐行為が明らかになった時、キリスト教徒中心の欧米諸国では一気にフェーズが上がることが多い。

やや手詰まり感があった対ロシア制裁の動きも、一段と強いものが打ち出されるだろう。

その点、日本政府の対応は心もとない。

私が当初から求めていた「サハリン2」からの撤退について、岸田総理は「撤退しない」と明言してしまった。

明らかに、エネルギー価格の高騰を恐れた参院選対策である。

ポーランドを訪問した林外相が、政府専用機にウクライナの避難民を連れて戻ったが、その数はわずか20人。

最初から数を絞ってアリバイ作りをしたにすぎない。

岸田さんはいい人だから支持率を維持しているが、残念ながらその政策に哲学を全く感じない。

ただ目先の課題に対応し、世論の評判が悪ければすぐに方針転換をする。

安倍さんのように人のせいにしたり、やたらに威勢のいい言葉を弄んだりしない点は評価するが、日本をどんな国にしたいのか、もう少しはっきりと打ち出してもらいたい。

ウクライナ避難民の受け入れは、本腰を入れてやれば日本社会にとって物凄い大きな変化をもたらす転機となりうる。

とかく外国人の受け入れに消極的だった日本は、これからどんどん人口が減っていく。

外国人技能実習生などというまやかしではなく、きちんとしたルートで困っている外国人を受け入れる仕組みを整えれば日本はもっと尊敬される国になりうる。

今回の人道危機に当たって、日本が相当数のウクライナ人を受け入れ、今後もミャンマーやシリア、アフガニスタンなどからの避難民にも手を差し伸べるような国となる道筋をつけられたなら、岸田総理の大きな功績となるだろう。

数万人程度の受け入れならば、日本人中心の社会への影響はさほど大きくなく、とりわけ地方の活性化につながる可能性が高いと私は考える。

欧米諸国が一気に制裁のステージを上げた時にジタバタしないよう、岸田総理には腹を括った厳しい対応と共に、経済優先の日本国民を説得するだけの哲学を期待したいと思う。

<吉祥寺残日録>ウクライナ危機🇺🇦 国際世論がプーチンを追い詰める!日本もSWIFT制裁とサハリン2中断を! #220227

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