新型コロナ基本方針発表!「検査をしないことによって、感染者数を増やさない」国民の命よりも大切な【国益】

日本政府は今日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」というものを発表した。

「現時点では、まだ大規模な感染拡大が認められているわけではない」とした上で、「患者の増加のスピードを可能な限り抑制する」ことなどを目標とし、「これからの1−2週間が極めて重要な瀬戸際だ」として国民に協力を求めた。

しかし、特別目新しい施策はない。

国民に行動の制限を求める一方で、政府がやるべき検査や医療体制の充実について、いつまで経っても進展が見られない。これはある意味、驚くべきことである。

今日の基本方針の中で、厚労省はあえて「クラスター」と言う一般には聞き慣れない専門用語をキーワードに使った。今年の新語・流行語大賞でも狙っているのだろう。

「現在は所々で感染集団「クラスター」が発生し始めている段階で、これを早期に発見して潰していくことがウィルスの蔓延を防ぐ上で重要だ」と言う。

あえて「クラスター」という新語を使って、メディアの注意をそらす作戦なのだろう。

メディアは新語に弱い。目新しい言葉が出てくると、ついついその言葉を使いたがる。それが年末の新語流行語大賞にも繋がるのだが、政府はそうしたメディアの習性を悪用し、国民の関心や不満をそらそうとしているように私には感じる。

この週末、唐突に読売新聞が書いた新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の記事も明らかに政府のリークだろう。新型コロナの患者に政府が備蓄している「アビガン」を使おうとしていると言う内容の特ダネを読売新聞が土曜の朝刊で抜き、土曜の朝の読売テレビの辛坊さんの番組に加藤厚労相が生出演。とってつけたように辛坊さんが「アビガン」の話を大臣に聞くのだ。

これが大臣生出演の条件だったのだろう?

私には、あまりにも露骨な出来レースに見えた。

「アビガン」はまだ新型コロナウィルスの特効薬ではない。これから試験投与を行う段階なのだ。それなのに案の定、この日のテレビは、「アビガン」の話題で放送時間を無駄に使っていた。

政府の思惑通り。最近のテレビマンは本当に素直で、私たちの世代のような「天邪鬼」はいないようだ?

新型コロナの背景で、誰が何を画策しているのか、報道を見ていても一向に見えてこないのが、私には歯がゆい。

今日発表された基本方針、そもそも「現時点で大規模な感染拡大は認められない」という現状認識は本当なのか?

多くの国民が疑っている。発表される感染者数は、高いハードルを設けて検査をあえて行わないことによって小さく操作された数字である。国民の多くは、実際にはもっと感染者は多いと思っている。

もうずっと前から私も指摘し、テレビに出演した現場の医師からも批判が寄せられているPCR検査の体制だが、今日の国会で加藤厚労相はようやく「保険適用に向けて準備する」と発言した。もし日本中の民間機関で検査が行えるようになれば、1日数万件の検査が可能になる。

しかし、どうしても日本政府は検査を広げたくないようなのだ。

BS-TBSの「報道1930」を見ていて初めて知ったのだが、民間の検査機関が検査を行った場合には、その結果を国立感染研究所で再度チェックしなければ認めないという謎のハードルがあるという。出演していた医師は、厚労省や感染研の省益があるのかもしれないと話していたが、私は厚労省だけの責任ではないと思っている。

政府には、様々な省庁があり、厚労省は国民の命や健康を守ることを最重要課題とする役所である。しかし、今の厚労省は国民の命を最優先に政策決定しているようには到底思えない。

経産省という役所もある。こちらは日本の企業や経済を強くすることが役目なので、感染者数が増えて経済に悪影響が及ぶことは最小限に抑えたいと思うだろう。人々が自粛し、中小の飲食店などが倒産することを避けたいと思っているはずだ。

どちらも重要だ。そのような対立する正義を調整し、最終的に政権の方向性を決めるのは総理の役目である。

安倍一強と言われる現在の政治状況の中で、安倍さんが何を優先するのかで、政府の方針は自ずと決まるのではないかと思うのだが、いつもは必要以上に出しゃばってくる安倍さんの顔が新型コロナに関していはほとんど見えてこない。

加藤さんを表に立てて、厚労大臣が政府を代表して話をしている。厚労大臣にはもっと国民の命を最優先する立場で最善を尽くしてもらいたいと思うのだが、どうも他のミッションも背負わされているようで、発言がストンと胸に落ちないのだ。

その最たる部分が、PCR検査の体制整備である。

野党も遅ればせながら2月初めから検査体制の拡充を政府に求めているが、2月が終わろうとしているのに一向に前に進んでいない。やる気がないのだ。

先ほどのBS-TBSの番組に出演していた現場の医師・上昌広氏も、他の病気も同じように現場の医師の判断で民間の検査機関を使って検査が行える普通の状況を早く作って欲しいと訴えていた。政府が机上でおかしなルールを作ることで、助かる命が失われていると明らかに怒りを感じていることがわかった。

臨床の医師は、目の前の患者を救うことに全力をかけるのだ。率直に語る上医師の言葉には、愛を感じる。

上医師の話では、スイスのロシェという医薬会社はとっくに検査手法を開発して、中国に無償提供。中国ではそれを導入して多くの検査が日々行われているが、日本だけは国立感染研が開発した独自の手法にこだわり、中国から提供された検査キットも使おうとしていないという。まったく何を大事にしているのか、さっぱり理解できない。

NHKのニュースには基本方針とりまとめに関わった専門家会議のメンバー押谷仁氏が出演していたが、「現場は発生のごくごく初期で、99.99%の人は感染していないので症状の軽い人は病院に行かないで欲しい」と繰り返していた。

「99.99%感染していない」というと一瞬安心するが、計算してみると日本人の0.01%とは1万人を超えるのだ。すでに1万人ぐらい感染者がいるかもという話を裏返すと、「99.99%感染していない」という表現になることに気付いた。言葉のマジックである。

押谷氏の経歴を調べたら、研修医の後、JAICAで海外で指導したり、大学で講師をしたりした人で、臨床の経験がないようだ。直接、患者に向き合っていない人のように感じる。愛がないのだ。

政府が利用する専門家会議というのは、一般的に役所の言うことを聞く御用学者が起用されることが多い。役人がまとめた案にお墨付きを与え、記者からの質問を専門用語を使ってはぐらかす役目だ。押谷氏はまさに政府の本音を誤魔化すためにNHKに出演しているようにしか見えなかった。それに対しNHKのキャスターがまったく切り込まず、ただ相槌を打っているだけのひどい番組だった。

最近のNHKは本当にひどい。政権に批判的な人たちは全て飛ばされると聞く。公共放送は今、どうなっているんだろう?

もちろん、感染者数が増えると株価が下がったり、外国からの渡航制限を受けたりして、国のイメージが大きく損なわれる。ここ数日の間に大きく感染者数が増えた韓国やイタリアでは、そうしたことが実際に起きている。

おそらく東京オリンピックを控える日本政府は、それを恐れてあえて検査を少なくし、感染者数を意図的に少なく見せているのだろう。それはそれで一つの政治判断だとも思う。

でもそれは国民の命を危険にさらす、大きな賭けでもある。

もしその作戦が成功し、破滅的な結果に至らずにウィルスを撃退することができれば、多少不誠実であっても政府のしたたかさとして国民が認めるかもしれないが、果たしてそう思惑通りにいくのだろうか?

検査を行わずに、どうやって各地に発生しているクラスターを発見するのだろう? 発見しなければ、感染は続き、気付いた時には日本中が武漢状態になるのではないのか? 疑問は尽きない。

そうやって考えていくと、「国民の命を守ることよりも重要な「国益」があると今の日本政府は考えている」という結論にたどり着いた。

一人一人の国民に寄り添うのではなく、大所高所から「国益」を考える、まさにお上の発想が大手を振ってまかり通っているように見える。

所詮、「愛」がないのだ。

初動は失敗したがその後徹底的な対策をとった中国では、ここにきて感染者数の増加が目に見えて減ってきた。強硬手段の効果が出始めているようだ。

すぐ近くに、中国という失敗と成功の実例があるのに、そこからなんの教訓も学ぼうとしない日本政府。

果たして、どこを向いているのだろう?

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