反天連デモ

6月最初の土曜日。快晴の朝だ。

爽やかな空気に誘われて、最近さぼりがちな井の頭公園ランニングに出かけた。

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青空をバックに緑が映える。体は重いがゆっくり走る。

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いつの間にか紫陽花が咲いている。今年は一番好きな新緑の季節にジョギングをさぼってしまった。公園の季節の変化を撮影することなく、もう間もなく梅雨を迎えようとしている。

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ほぼ1ヶ月ぶりに行きつけの整体に行く。本当にここの院長先生は上手だ。肩甲骨の固まった部分に先生の指がグニュっと入って行く感じがする。背中が随分楽になった。

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整体を終えて家に帰ると、前の道に機動隊の車両が5台も止まっている。

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家から見下ろす。車両の屋根には警視庁の文字が・・・。

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重装備に身を固めた警察官たちがせわしなく動き回る。一体、何があるのだろう?

自転車で図書館に向かう。すると・・・

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街中に警察官の姿が・・・。

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公園の近くでも・・・。

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検問まである。

警察官に聞いてみた。

「デモがあるんですよ。反天連という天皇制反対の団体の。去年ちょっと荒れたから、今年はがっつりやることになりまして」

とても丁寧に教えてくれた。本当に日本の警察官は優しい人が多い。

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コンビニの前にも・・・

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アトレの前にも・・・

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駅前ロータリーにも・・・。

大量の警察官が配備されるだけで、見慣れた街に不思議な緊張感が漂う。不安そうに「何があったんですか?」と警察官に問いかける女性の姿もあった。みんなが街の異変を感じている。

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そもそも「反天連」というのは、「反天皇制運動連絡会」の略で、反皇室闘争を目的とする新左翼グループだ。1984年に結成され、大喪の礼や即位の礼などの皇室関連行事に抗議する活動を展開している。

しかし「反天連」そのものが何か騒ぎを起こすわけではない。反天連のデモにはそれを襲撃する右翼団体がついて回る。

去年11月20日、この吉祥寺で両者の間で騒ぎが起きたのだ。その時の様子がYouTubeにアップされている。

私もたまたまそのデモに遭遇した。その時撮影した写真がこちらだ。

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この時は、警察官の数が足りず両者が接近しすぎたと考えた警察は、今回は完全に封じ込むことを決めたのだろう。

ランチを済ませ一旦帰宅した後、やはりデモを見に行きたくなった。正確に言えば、デモが行われている吉祥寺の街を見たかったのだ。カメラを持って家を出た。

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デモは井の頭通りを進んでいた。多くの警察官が周囲を囲む。

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先頭は青いチームだ。近くの立体駐車場に上がり、デモを眺める。

デモをしている反天連のメンバーは数十人。それにつきまとってハンドスピーカーで罵声を浴びせている右翼風の男たちが10人ほど。そして両者の衝突を避けるようにデモの周囲を取り囲み、一般車両や通行人の交通規制をする警察官が数百人。

何だか懐かしい光景だ。

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実は警視庁記者クラブ時代、私はよくデモの取材をした。多くは左翼団体が主催するデモだった。共産党や労働組合のデモはそれなりの参加者がいたが、新左翼のデモは参加者が少ない。しかし、それをマークする公安警察や機動隊が大量投入され、少数のデモ参加者を多くの警察官が取り囲んで道路を進んだ。

一般の人たちには、まったく関係のない「活動家vs警察」の狭い狭い世界がそこにはあった。

激しいシュプレヒコールが轟く現場は局所的な興奮状態が生じる。しかしかつての安保闘争のように彼らの訴えが一般の共感を得ることはない。記者として取材しても、そのデモがニュースとして放送されることはほとんどない。ごくたまにデモが大荒れになり想定外の事態が起きた時だけ小さなニュースとして取り上げられるだけだ。

 

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デモ隊が吉祥寺駅前にやって来た。そこには20人ほどの右翼活動家が日の丸を持ってデモを待ち受けていた。

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「天皇制が嫌なら日本から出て行け!」デモ隊に向かって激しい罵声を浴びせる。

右翼活動家は事前に場所を決められ、その柵の中から抗議する。

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デモ隊との間に警察官が並び、両者が直接接触することを防ぐ。駅前のロータリーは騒然とする。両者のハンドスピーカーから大音量のシュプレヒコールや罵声が飛び交う。

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デモが通り過ぎる間、道路を渡ることはできない。たまたまデモに遭遇した一般の人たちは、何が起こっているのか戸惑いながらデモが通り過ぎるのを呆然と待つ。

デモ隊に抗議する右翼活動家1人に対し10人ほどの警察官が包囲する。

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警視庁公安部はいくつかの課に分かれているが、公安一課は極左、公安三課は右翼を担当する。活動家たちの多くはすでに60歳代となり、一般大衆への影響力はもはやまったくない。デモなどで日常的に接する警察官の姿だけが自らの活動の証となっている。

戦後のある時期まで、天皇制反対運動は学生や労働組合から強い支持を受けた時代があった。しかし、今では共産党までも皇室を支持する立場だ。かつては新左翼の拠点だった大学のキャンパスでも、彼らの訴えに耳をかたむける学生はいない。

右翼活動もその精神性が失われ、暴力団や総会屋と同義語になった。ただこのところ、ネット右翼と呼ばれる若者たちや安倍政権を支持する「日本会議」など、愛国的な勢力は勢いを増してきている。

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こうした日の当たらない警備活動に従事する警察官の皆さんには「ご苦労様」と声をかけたい。ただやはり、吉祥寺の街に警察官があふれる光景は見たくないと思った。

ましてや、軍隊が配備されるような時代が再び来ないよう、一人一人が平和な世界を守る努力しなければならない、と強く感じた1日だった。

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