人工知能

最近視聴率が取れなくて苦戦しているNHKスペシャルだが、やはり面白い番組を作る。

今日放送されたNHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か2017」を見て感心した。

番組の中身がすごいというわけではないが、映像化しにくに最先端のテーマを番組にしようという意欲はさすがだと思う。

番組のホームページを引用させてもらう。

『 今年春、将棋界の最高位・佐藤天彦名人と最強の人工知能が激突する電王戦2番勝負が行われた。人工知能の前に、これまで屈してきたプロ棋士たち。最後の牙城だった佐藤名人も完膚なきまでに叩きのめされた。もはや人間など敵ではない。人工知能は、モンスターのような進化を遂げている。
人間の知性を越える人工知能が、すでに現実社会に進出している。名古屋のタクシー会社では、客がいる場所を指示する人工知能を導入、客の数を大きく伸ばした。人工知能が、人間を評価するという事態も起こっている。シンガポールのバス会社では、事故を起こす危険性の高い運転手を人工知能が見つけ出す。アメリカでは、過去の膨大な裁判記録を学んだ人工知能が、被告の再犯リスクを予測し、刑期の決定などに関わっている。日本のある企業でも、退職の予兆がある人を、人工知能が事前に察知するというシステムを導入した。
将棋界最高の頭脳・羽生善治が、電王戦2番勝負を読み解いていく。思索は、将棋の盤面にとどまらない。人間を上回る能力を持つ人工知能が社会に進出した今、私たちは、その巨大な存在とどう向き合っていけばいいのだろうか。』

番組の柱は「電王戦」だ。ついに名人にも勝ったことで、これ以上人間と戦っても意味がないとして電王戦は今年を最後に終わることとなった。

まだまだ人工知能の応用は始まったばかりだ。紹介される事例もさほど驚くものはない。

その中で一番興味を惹かれたのは韓国で進められている「AI政治家」のプロジェクトだ。

人間の政治家は自分の親族や知人など自らの利害が判断に影響を及ぼす。特に韓国では歴代大統領の不正が著しい。だから、人工知能に国の膨大な情報や国際情勢、世論の動向などを学習させ判断させた方が良い政治ができるのではないかという笑えない実験だ。

このプロジェクトのためにアメリカから人工知能の世界的な権威を招いた。5年後の実用化を目指すのだという。

この話を聞いて、確かに政治こそ最も人工知能を使うべき分野かもしれないと感じた。

日々世界中から飛び込んでくる膨大な情報を分析し、国民の多種多様な要求も理解しつつ、最適な政策を立案し実現するための調整手続きも考える。これはまさに政治家に求められる仕事だ。しかも政治家個人の私利私欲が入らないというのは画期的である。

お友達優先の安倍政権にも人工知能を導入すべきだろう。最終判断は人間の政治家が下すとしても、人工知能が出した答えを国民が広く知ることにより、権力のチェックが可能になるかもしれない。少なくとも今のメディアよりは有効なチェック機能に育てることはできるだろう。

番組を見ながら、私は自分の仕事、すなわちテレビや映像の世界にどのように人工知能を活用できるかを考えていた。どういうデータをAIにインプットすれば、もっと素晴らしいコンテンツを作れるようになるのだろうか?

怖い気もするが、テレビマン人生の最後にぜひ挑戦してみたいテーマである。

1件のコメント 追加

  1. wildsum より:

    私も見ました。開発者もそのAIの能力について、道だというところを見ていて、映画「ターミネーター」を思い出しました。

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