ユーラシア特急

南北首脳会談を成功と評価する韓国人は9割、こんなニュースが流れた。

まあ、そうだろう。金正恩委員長の印象も韓国内では一気に改善しているという。

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その後の動きも慌ただしい。

北朝鮮は、北東部・豊渓里にある核実験場を5月中に閉鎖すると約束した。ムン大統領は国連事務総長との電話会談で、国連も一緒に閉鎖現場を確認してほしいと、自ら主導している宥和政策を世界に拡散する努力を精力的に続けている。

そのムン大統領が、「ノーベル賞はトランプ大統領が受け取り、われわれは平和だけもらえればいい」と語ったとのニュースも伝わっている。

「ノーベル平和賞」の話題も盛り上がり、イギリスのブックメーカーの一番人気はムン大統領と金委員長、2番手がトランプ大統領だという情報も流れた。トランプ大統領の遊説では、会場から「ノーベル賞、ノーベル賞」という声援が湧き上がっているという。

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トランプさんにノーベル賞というのはいかにもブラックジョークだが、本人は絶対に欲しいと思っているだろう。経済しか能がないトランプさんにとって、これ以上自分の仕事が世界のためになっていることをアピールする勲章はない。何が何でも、米朝首脳会談を成功させようとするに違いない。ムン大統領と金委員長の作戦は着々と実を結びつつある。

そして今日、南北両国は軍事境界線に配備していた宣伝放送の施設を撤去し始めた。これまでにない目に見える動きが次々に実現している。

ムン大統領に近い「ハンギョレ新聞」は、南北融和の先にある夢の計画を煽り始めた。

『ソウル・釜山出発「ユーラシア特急」、大陸経済に進出する始発点』という記事を引用しておく。

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『 釜山とソウルを結ぶ京釜高速道路には「アジアハイウェイ1号線」の表示板が設置されている。表示板には中国、インドを経て、トルコにつながると表示されている。国連アジア太平洋経済社会理事会(UNESCAP)が概念化したアジアハイウェイは、アジア地域と欧州を繋ぐ国際幹線道路網だ。韓国はアジアハイウェイ1号線と6号線(国道7号線・東海高速道路)の出発点だ。しかし、この道路は欧州どころかアジアにもつながっていない。これまで韓国は陸の孤島だったからだ。

南北首脳が「板門店(パンムンジョム)宣言」を通じて南北の鉄道と道路を繋ぐと宣言したことによって、南北交流を越え、韓国経済が陸路を通じて中国やロシアなどユーラシア大陸に直接繋がるかもしれないという期待感が高まっている。特に宣言文にソウルと新義州(シンウィジュ)を結ぶ京義線と、釜山(プサン)から羅津(ラジン)の豆満江(トゥマンガン)流域まで続く東海線の連結を一次的に言及したのも、そのためと見られる。京義線は新義州を通じて欧州までつながる中国横断鉄道(TCR)と連結されており、東海線は羅津~ハサンを経て、シベリア横断鉄道(TSR)に繋がる。道路網であるアジアハイウェイ1号線、6号線ともそれぞれ重なる。南北の鉄道と道路の連結は南北分断後、事実上島国のような経済構造だった韓国が、本格的な大陸型経済に転換する始発点と言える。

大陸と陸上交通・物流網が繋がった場合、南北の経済に及ぼす波及力はかなりのものになると評価される。中国の東北3省(遼寧省・吉林省・黒竜江省)やウラジオストクなどの極東ロシアにモンゴル地域までを網羅する北方地域は、人口1億2千万人の巨大な消費市場であり、天然ガスなどの資源の宝庫だ。海運や鉄道、道路など複合物流網を構築し、ガスのパイプラインの連結などを通じてエネルギー単価を引き下げれば、交易量が大きく増えるものと見られる。2014年の国土研究院の研究によると、京義線が中国横断鉄道と連結された場合、2030年を基準に京義線を通じた鉄道物流量は3015万トン、東海線がシベリア横断鉄道と連結された場合の物流量は754万トンになるという。』

 

経済が今ひとつ振るわない韓国にとって、南北融和は単なる政治問題ではなく、経済問題でもあるのだ。少なくとも、ムン大統領が韓国国民に対して夢を語るには最高の演出なのだろう。

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一方で、予想通り日本との歴史問題が盛り上がる兆しを見せている。

韓国の労働団体が釜山の日本総領事館前に徴用工像を設置しようとして警官隊ともみ合いになった。韓国政府はひとまず日本との間でこれ以上の揉め事は作りたくないと考えているようだ。しかし、韓国世論はどのように動くのか? 予断を許さない。

そして、日中韓の首脳会談が9日に東京で開かれることが決まった。

ムン大統領が日本にやってくる。今こそ、韓国・中国との関係改善が不可欠だ。

安倍さんにとって、絶対に失敗の許されない外交の季節がいよいよ始まる。

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