<吉祥寺残日録>サウジにイランに中央アジア!来年の旅行計画を練るために「ツーリズムEXPO」に行ってきた #220925

政府は重い腰を上げ、来月11日から水際対策を大幅に緩和することを発表した。

これまで団体ツアーしか受け入れていなかった外国人観光客も、来月からは個人客の受け入れも認めることになった。

日本人については、すでにワクチン接種の証明書があれば入国時のPCR検査は不要となっていて、ようやく海外旅行にも出かけやすい環境が整ってきたわけだ。

会社を辞めてからの2年あまり、有り余るほど時間があっても海外に行けない状態が続いてきた。

だから来年からは農作業と並んでいよいよ旅行を生活の柱に据えることが可能となりそうだ。

そこで昨日、久しぶりに「東京ビッグサイト」まで出かけてきた。

この日は2週連続で台風が連休を直撃するとの予報だったが、幸い小雨が降った程度で問題なくたどり着くことができた。

台風のせいか会場に向かう人の波はさほど多くないように見えた。

この日私が訪れたのは年に一度の旅行の祭典「ツーリズムEXPOジャパン 2022」。

日本各地の自治体や各国の政府観光局、航空会社や旅行代理店が一堂に会し、旅に関する情報を集めるには便利な展示会である。

コロナ前には仕事の関係で毎年訪れていたのだが、コロナ禍で中止を余儀なくされ、今回が4年ぶりの東京開催となる。

ビッグサイトの中に入ると驚きの光景が待っていた。

すごい行列ができているなと思って通り過ぎようとすると、なんと全て「ツーリズムEXPO」会場への入場を待つ人の列だったのだ。

台風の影響で人出が少ないだろうという私の読みは完全に外れた。

入場の列は「国内」と「海外」で分けられていたが、圧倒的に海外の列が長い。

私同様、みんな海外旅行を待ち兼ねていたんだと感じる。

コロナ前はメディア登録をして出入りしていたので、こうした行列に並ぶこともなかったが、もはや一般人、団体旅行さながらに係員の誘導に従って亀の歩みのように行列が進むのを待つしかない。

およそ30分並んで、ようやく会場に入ることができた。

海外旅行のゾーンで目についたのは、韓国や台湾のブースはコロナ前とさして変わらないが、大きなスペースを占めていた中国のブースが見当たらない。

ゼロコロナ政策を継続する中国では、今も入国後10日ほどの隔離が求められていて、気軽に観光旅行に行ける状況ではないのだ。

そのほか、フランスやイギリスもブースを出店しておらず、コロナ前と比べればずいぶん寂しい印象だった。

そんな中で、今回私のお目当てだったサウジアラビアはブースを出展していた。

これまでは観光客を全く受け入れていなかったサウジアラビアが、外国人旅行者に門戸を開いたのは2019年、まさにコロナ禍直前だった。

だからまだ日本では旅行先としてサウジアラビアを思い浮かべる人は少ないだろう。

ドバイやアブダビは近年日本人にも人気の旅行先として認知度が高まっているが、アラブの盟主であるサウジアラビアのムハンマド皇太子が石油と並ぶ経済の柱として観光に目をつけた。

2030年をめどに世界有数の観光地となることを目標として掲げ、数兆円もの巨額のオイルマネーをつぎ込んで紅海沿岸に世界最高の高級リゾートを作ろうとしているのだ。

その第一弾として、サウジアラビア西海岸で現在進められているのが「レッド・シー・プロジェクト」だ。

来年までには1つの空港と16のリゾートホテルが完成する予定である。

プロジェクトには、世界中の高級ホテルチェーンが参加していて、何もなかった無人島が数年のうちに世界のセレブが訪れるトップクラスのリゾート地に生まれ変わる計画だ。

将来的には、外面が鏡で作られた全長170kmにも及ぶ直線的なスマートシティの建設が計画されているほか・・・

北西部の山岳地帯にスキーリゾートを建設して冬季オリンピックを誘致する計画も真面目に進めている。

砂漠の国でスキーリゾートなど作れるとは誰も考えなかったが、サウジなら本当に実現させるかもしれないと思えるほどマジなのだ。

ドバイがあっという間に世界中のセレブが集まる観光都市になったことを考えれば、サウジアラビアにそれができないはずがない。

日本人が目先のちまちましたことにとらわれている間に、中東ではとんでもない変革が起きているのである。

「ツーリズムEXPO」のサウジブースでは、こうした将来の計画について大々的な広報は行われていなかったが、よく見ると1枚のパネルに使われている写真は「レッド・シー・プロジェクト」のものであった。

ブースで案内に当たっていたサウジアラビア人の女性は、顔を覆い隠すヒジャブではなく明るい色の民族衣装を纏っていた。

厳格なイスラム国家だったサウジアラビアは今、急速に変わりつつある。

今後、日本でもサウジアラビアの観光案内をさまざまなメディアで目にするようになるかもしれない。

次に私が訪れたのは、イランのブース。

イランというとちょっと厄介な印象を抱く日本人が多いが、ペルシャ時代からの多くの歴史的遺産を持つ大変魅力的な観光地でもある。

イランの場合には、観光ビザを取得するために現地からの招待状が必要で、そのあたりのことを確認したくて立ち寄ったのだ。

対応してくれたのは、イラン専門の旅行代理店のイラン人社長と日本人の代表。

この会社に依頼すれば簡単にビザを取得でき、現地での厄介な旅行の手配も全てやってもらえるという。

個人旅行は可能かと聞くと、可能ではあるが言葉の問題もあって限られた日数で効率的な旅行はできないだろうとのことだった。

わざわざイランを訪れるのは中高年が多いだろうから、高額なツアーでもそれなりにニーズはあるのだろう。

もう一つ、注目したのは中央アジア5カ国の共同ブース。

このエリアも私にとって足を踏み入れたことのない未知の国々である。

ウズベキスタンなどはシルクロードの要衝として比較的日本人観光客も訪れる国だが、トルクメニスタンなどは入国できるのかさえわからない謎の国だ。

トルクメニスタンのブースにいた男性に「ビザは必要なのか?」と尋ねると、「ここに電話すれば大丈夫」と言って名刺を渡された。

どうやらこの男性は旅行代理店の人間らしい。

他にも、モンゴル、ブルネイ、パラオ、キプロス、アイスランド、ラトビア、ジャマイカなどなど、まだ行ってことのない国々のブースを訪ね資料をもらってきた。

紙の資料などもらわなくても、昔と違って今では世界の最果ての情報でもネットで得られる時代である。

でもいざとなると、日本語でいろいろ教えてもらえる人がいると安心なのも確かだ。

その意味では、サウジアラビアとイランについてはいい情報源を見つけることができ、わざわざ出かけた甲斐はあったと感じている。

ついでに国内旅行のエリアも足速に回ってみた。

私の目に止まったのは、エリア別ではなくあるテーマに沿った観光情報を紹介するブースだった。

例えばこちらは「農泊」のブース。

有名観光地ではなく、普通の農家に泊まって農作業を体験するような旅行が広がっているのだ。

こちらは「船旅」をテーマに、日本各地の離島を集めたブースだ。

私も島旅は大好きで、2年前に訪れた与那国島も対馬もとても印象深かった。

奄美大島や五島列島、佐渡や隠岐島など行ってみたい日本の島はまだ無数にある。

そしてこちらは「日本酒」をテーマにしたブースである。

日本全国にある酒蔵をまとめて一つの観光商品にしようという動きもあるようだ。

コロナによって順調に伸びていたインバウンドの動きも中断を余儀なくされた。

それでも、歴史的な円安が追い風となり、入国制限が撤廃されれば多くの外国人観光客が日本にやってくると見られている。

海外旅行に出かける日本人には今の為替は厳しいが、時間を味方につけて経由便をうまく使えば、それなりに旅行の行き先を見つけることはできるだろう。

さて、まずは来年初めの旅行の計画を立てよう。

気温のことなども考えると、目的地は中東が第一候補である。

この冬、とんでもない変異株が出現して再び国境が閉ざされないことを祈りつつ、なるべくキャンセルが効くプランを作ってみるつもりだ。

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