<吉祥寺残日録>コロナ第7波が直撃する夏をどう過ごすべきか? #220725

コロナ第7波が直撃した今年の夏休み。

昨夜、桜島が噴火した。

午後8時5分に起きた爆発的な噴火によって、火口から約2.5キロの地点まで大きな噴石が飛んだという。

桜島は毎年噴火を繰り返す日本でも有数の活火山だが、今回のような大噴火は久しぶりだそうで、2007年に噴火警戒レベルが導入されてから初めて「レベル5=避難」に引き上げられた。

これを受けて鹿児島市は、火口から半径3キロに住む33世帯51人に避難指示を出し、既に全員が避難を終えたそうだ。

鹿児島の人は噴火に慣れっこになっているとはよく聞く話で、これ以上被害が広がらなければ日常生活は保たれるのだろうが、山体の膨張はまだ続いているということで今後火砕流や溶岩流の発生にも注意が呼びかけられている。

コロナの影響で大量の力士が休場となった大相撲名古屋場所。

千秋楽に横綱照ノ富士が敗れ、平幕の逸ノ城が12勝3敗で優勝を飾った。

たどたどしい日本語で優勝インタビューを受ける逸ノ城が愛らしくてそれはそれでよかったのだが、それにしてもけったいな場所だった。

本来なら表彰式で優勝賜杯を逸ノ城に渡す役目の八角理事長も、千秋楽に部屋の力士から陽性者が出たという理由で欠席、急遽代役を務めた陸奥親方がどうすればいいのかわからず土俵上でまごまごする姿が今場所を象徴していた。

大関御嶽海や関脇大栄翔、優勝争いをしていた琴ノ若など連日次々に有力力士が姿を消し、相撲の勝敗よりも次は誰がいなくなるのかその方が気になる場所だった。

千秋楽も北勝富士の感染が明らかになり、同じ部屋の隠岐の海も休場に追い込まれた。

コロナ禍で決めた「毎日PCR検査をしてコロナ陽性者が見つかった部屋の力士は全員休場」というルールが適用された結果、コロナに感染していない多くの力士が出場の機会を奪われてしまった。

一方で観客は今場所から入場制限を撤廃し、コロナ前と変わらない多くの人が客席を埋めていた。

去年までのデルタ株などとは明らかに違うオミクロン株の出現で、従来のコロナルールは少し実情に合わなくなっている。

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海外のスポーツイベントでは、すでにポストコロナに向けて舵を切っている。

選手たちはマスクは付けず、観客にもマスク着用を求めないのが当たり前だ。

欧米でも「BA5」の感染拡大が起きているが、今月行われたゴルフの全英オープンには史上最多の観客が詰めかけたという。

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日本経済新聞によれば、フランスで行われる自転車競技「ツール・ド・フランス」などではコロナへの対応が日本と全く違っているようだ。

ツール・ド・フランスではスター選手を含む10人以上が途中棄権。一方で大会側は、無症状者や濃厚接触者をあえて特定していない。現地で取材したスポーツコメンテーターのフローラン・ダバディさんによると「今大会では陽性者を3つのカテゴリーに分け、無症状者や軽症者の出場は各チームの判断とした。ゴールした選手の中にも相当数の陽性者がいたはずだが、公表されないのでグレーゾーンになっている」。パンドラの箱は開けないほうがいい、という判断だ。

引用:日本経済新聞

あえてパンドラの箱は開けない。

それも一つの判断だろう。

大相撲の場合、毎日積極的に検査を行うため無症状でも陽性者が見つかる。

一人陽性者が見つかれば、その部屋の関係者は全員出場停止というのは、いかにも日本的な「連帯責任」を感じさせる。

本来、病気というのは極めて個人的な問題だが、感染症となると社会的な意味合いが強くなってしまう。

「自分が感染するのは構わないが、他人に感染させては申し訳ない」と日本人は考える。

それは日本人の長所でもあるのだが、いつの間にかそのルールに従わない人を攻撃する輩が現れる。

そのためスポーツ団体も普通の会社も世間から後ろ指を指されないように過剰に行動を制限するようになり、いつの間にかそれが社会のルールとなってしまったのだ。

我が家でも悩みは同じだ。

心配性の妻がコロナの急増に恐れをなし、この夏の全ての予定をキャンセルすると言い出したからだ。

結婚40年の祝いに計画した京都旅行も、孫と遊ぶ予定だった岡山への帰省も全部取りやめとなった。

妻が嫌がるのに無理やり強行しても後々面倒なだけだ。

京都も岡山も、不特定多数で飲食するわけでもなく、無用に出歩くつもりもなかったので感染リスクは高くないと私は思っているのだが、こうした病気の話になると「怖い」という人の意見に従わざるを得ないのが実情だろう。

ポッカリと空いてしまった今年の夏をどう過ごすのか?

急にそんな課題に直面することとなった。

とりあえず、昨日から朝のジョギングを始めた。

今朝の井の頭公園は、青空がとても美しかった。

こんな青空、久しぶりだ。

しばらく走っていなかったので、体が重い。

でも気持ちいい。

体重も少し増えてきているので、余った時間を使って体をシェイプアップするのもいいかもしれない。

今年の課題にしている英語にもっとしっかり向き合うのもありだろう。

コロナ禍が始まった2020年、ずっと自宅に引きこもって「ステイホーム」を実践していた頃を思い出す。

当時は会社を辞めたばかりだったので、そうして自宅で自由に時間を使うことが新鮮だったが、今ではすっかりそうした生活にも慣れてしまい、あの頃のようにワクワクはしない。

公園を走っていると、西園の桜の木の下で多くの人たちが集まって体操しているのを見かけた。

私も走るのをやめ、輪の一番外側で体操に加わる。

真ん中にいるおじさんがリーダーのようで、おじさんの掛け声に合わせてみんなが体を動かす。

動きはとてもゆっくりで、参加しているのも年配の人が多い。

昨日も見かけたので、おそらく毎日やっているのだろう。

体操はおじさんのオリジナルなのか、ラジオ体操と太極拳を混ぜたような動きだった。

それでもみんなの動きを真似てゆっくりと体を動かすと、凝った筋肉がほぐれていく感覚を味わえる。

木陰を流れる風も気持ちよく、夏の朝、毎日決まった時間に決まった場所でこうして体操をするのもいいものだと感じたりした。

でも本当は旅行がしたいのだ。

桜島の噴火も見てみたいし、東北の被災地もぐるっと回ってみたい。

三内丸山遺跡で縄文時代にタイムスリップし、北九州で弥生人たちの渡来の跡を辿ってみたい。

本当は東ヨーロッパに飛んで、ウクライナの現状も見てみたいのだ。

ただ、コロナを心配する妻を説得してまで、今、私がどうしても行かなねればならない旅ではない。

第7波が終われば、おそらく日本のコロナ対応も少し変わるだろう。

もう少しの辛抱だ。

自分に言い聞かせる。

円安の今、高騰した航空運賃を払って無理して旅行をするよりも、時を待てばいい。

100年前のスペイン風邪も3年で自然に終息した。

スペイン風邪の世界の感染者数は5億人、コロナの感染者数はすでにそれを上回り5億7000万人に達している。

当面国政選挙がないためだろうか、政府もこれまでのように国民に行動規制を強いることを控えている。

この夏どのように過ごすかは国民一人ひとりの判断なのだ。

「自分の健康には自分で責任を持つ、という考えがフランスにはある。政府が正解を持っているわけではない」

日本経済新聞の記事の中に出てくるフランス人のスポーツコメンテーターの意見だが、日本人もそろそろ政府に頼るのではなく、「自律と自衛」の精神を持ってコロナと相対していく頃だと思う。

その意味でも、コロナ第7波の夏をどのように有効に過ごすべきか、私は今も悩んでいる。

<吉祥寺残日録>トイレの歳時記❄️七十二候「水泉動(すいせんうごく)」に考えるステイホームの過ごし方 #210110

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