<吉祥寺残日録>コロナ禍のハロウィンとアイドルロボット「高坂ここな」 #201031

今日は10月31日、ハロウィンの土曜日だ。

朝からとてつもなく天気がいい。

ベランダにサマーベッドを持ち出し、今日もひなたぼっこ。

ラジオの朗読で、夏目漱石の「三四郎」を聴いていたら、いつの間にか眠ってしまったらしい。

こんな極上の秋の週末、当然のことながら街は人でごった返している。

日本のコロナ感染者が10万人を超えたというニュースが流れたばかりだが、もはやコロナなんか忘れたと言わんばかりの賑わいだ。

私は自転車に乗って、そんな吉祥寺の繁華街を一回りしてみた。

目的は、コロナ禍のハロウィンの様子を探るためだ。

例年だと、吉祥寺も結構ハロウィンで盛り上がり、各ショップが工夫を凝らして飾り付けを競っている。

ところが、今年はまるで様子が違う。

ほとんどハロウィン色を街で感じないのだ。

仮装した若者や子供たちの姿も全くと言っていいほど見かけない。

吉祥寺の場合は、若いお母さんたちが子供たちにいろんな衣装を着せて街をぶらぶらするというのがこのところのハロウィンの光景だったが、そうした親子が全然いないのだ。

そんなハロウィーンの吉祥寺の街を回っていて、私の目に留まったものが2つあった。

その一つは、住宅街の路地にぶら下がっていたこの黄色い実だ。

結構大きな立派な実だが、何の木だろう?

そう思ったら、木の脇に注意書きが置いてあった。

「頭上注意 花梨の実が有ります。」

この注意書きのおかげで、この実が花梨(カリン)だということがわかった。

頭上注意ということは、いつか落ちてくるんだろうか?

もう一つ気になったのはパルコの入り口で行われていたイベントだった。

小さな行列ができていて、何だろうと人の後ろから覗き込むと、ロボットによる握手会だった。

背景の色などから、ハロウィンがらみのイベントのようだ。

このロボットの名前は「高坂ここな」。

「吉祥寺アイドルロボット」という肩書きがつけられている。

こんなご当地アイドルが吉祥寺にいたとは知らなかった。

調べてみると、吉祥寺に事務所を置く「スピーシーズ」という会社が開発したアイドルロボットだそうで、YouTubeの映像を見ると、それなりの身のこなしができるようだ。

さらに、歌を歌う「ここな」の動画もアップされていた。

私も一時、ロボット開発者たちと仕事で付き合っていたが、ロボットがリアルだとリアルなほど、どうしてもある種の気持ち悪さが残ってしまう。

「ここな」ちゃんもやはりこの課題は払拭できていないが、その動きはかなり進化している方だと感じた。

家に戻って、ネットで調べると、吉祥寺でも今年のハロウィンは自宅で楽しむオンラインパレードが呼び掛けられていることがわかった。

例年、大混乱となる渋谷も今年は静かなようだ。

いつもと違うハロウィンだが、「高坂ここな」と出会えたのはちょっとしたサプライズだった。

吉祥寺から気持ち悪さを感じさせないアイドルロボットが生まれたらきっと楽しいだろう。

いつか、その開発者たちに会ってみたいと思った。

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