もう2週間前の話になるが、メガネを買った。
新しい旅のブログを立ち上げようと、このところパソコンに向かって悪戦苦闘している私を見て、妻が「メガネ作れば」と声をかけたことがきっかけだった。
50歳の頃、ZOFFで安物のメガネを作ったことはあるが、ほとんど使うこともなく過ごしてきた。一応、近く用のメガネが1つと遠く用のメガネが2つ、家に転がっている。
遠く用のメガネは、たまに映画館で映画を観る時などに使う。でも、近く用のメガネは全然使っていなかった。なぜかと言うと、かけなくても文庫本も読めるし、かけるとなんだかクラクラするからだ。
でも正直言うと、パソコンに向かう時間が増えているのは事実で、それによる眼精疲労を感じることも多くなった気がしている。テレビのCMでよく登場するブルーライトカットとかした方がいいかなと思ったりはしていたのだ。
そのあたりを、妻はお見通しだったのかもしれない。
「いいメガネ屋さんがあるよ」と妻は言った。妻はそのお店でメガネを作り、アフターサービスも丁寧で気に入っていると言う。いわゆる安売り店ではないらしい。ケチな妻にしては、珍しいことだ。

妻オススメのお店は吉祥寺の繁華街サンロード商店街にあった。
「GLASSTORY IKARA(グラストリー イカラ)」

お店のサイトを見ると、次のようなコンセプトが書いてあった。
GLASSTORYとは、GLASSES(メガネ)+STORY(ストーリー、物語)の造語。
メガネはあなたを物語るものという思いから、この名前をつけました。
いいメガネは価格ではなく、お客様のもっている個性や物語を表現するもの。
GLASSTORY IKARA(グラストリー イカラ)はお客様一人ひとりの
パーソナリティにあったメガネをご提案する、「提案型メガネ専門店」です。

1階は普通のメガネ屋さん。
多少オシャレだが、今時はそんな店も多いので、私には違いはわからない。
人の良さそうな若い店長さんが対応してくれる。

促されるままに2階に上がると、なんだか美容室のようなスペースだった。
2階はお客さん一人一人に合ったメガネを見つけるためのフィッティングルームのようだ。

2階にはお客は私一人。完全なプライベートスペースだ。

眼科にありそうな機械が一台置いてあり、ここで目の検査をする。
ZOFFでもやったが、この店の検査はもっと念入り。普段メガネを使わない私には他の店との比較はできないが、いろいろな検査をして私に合ったレンズを見つけてくれる。

その結果、私の場合、メガネをかけなくてもギリギリ生活できるレベルの視力はあると言われた。
問題は、左右の乱視と、左目の方に白内障の症状が出始めていること。
付き添っている妻は、せっかくなら遠近両用のレンズを試してみた方がいいなどと言うもので、余計に時間がかかってしまった。
いろいろ試してみて、結局遠近両用ではなく、椅子に座ってパソコンとテレビを両方見るのに適した中近のレンズに決めた。
遠くを見る時には、今持っているメガネを使い、普段歩く時にはメガネはかけないでこれまで通り生活するということだ。そしてパソコンの前に座る時だけブルーライトカット機能がついた新しい中近のメガネを使うことにした。
店長さんは私の意見を聞きながら、やさしくアドバイスしてくれる。決して無理強いはせず、最後は客の好みに合わせる。
店長さんには、「何よりもまずメガネに慣れることです」と言われた。確かに今後どんどん目が悪くなるのは確実だ。まずは慣れることから始めるのは正しいアドバイスだと思った。

2週間後、私のメガネができた。
フレームは1階に並んでいる商品から、自分の好きなものを選ぶ。私はとにかく軽く、やさしい印象のメガネが好みだ。特段強い個性はないが、個人的にはとても気に入ったフレームが見つかった。
引き取りの際、店長さんは何度も何度もメガネをかけさせたり外させたりを繰り返し、細かくフィッティングをしてくれる。
とにかく仕事が丁寧で好感が持てる。妻が勧めた理由もこういう気持ち良さだったのだろう。

サービスでつけてくれたメガネ置きの中に入れて、新しいメガネはいつもパソコンの脇に置かれている。
そして今、このブログを書く際にもメガネをかけている。でも、気がつくとメガネをかけずにパソコンを打っていることがしばしばだ。
まずは慣れること。そこから全てが始まる。