「アルドステロンが高いですね。」
先月クリニックのお医者にそう指摘されたため、本日は会社を休み、紹介状を持って武蔵野赤十字病院に行ってきた。
パリジェンヌ
最寄駅は、中央線の武蔵境駅。吉祥寺に引っ越す前まで長く暮らした懐かしい駅だ。

南口を降りて、駅前に伸びる「かえで通り」を歩く。
かえで通りで私たちが暮らす前から営業していた老舗洋菓子店「パリジェンヌ」がもぬけの殻になっていた。
ここのいちごショートは息子の大好物で、誕生日やクリスマスにはよく使わせてもらったお店だった。

通りの反対側だったので、張り紙の内容がわからず、帰宅後ネットで調べてみると、どうやら5月15日で閉店し、武蔵境通りに移転したようだ。
しばらく来ない間に、街は少しずつ変わっていく。
武蔵野赤十字病院
朝9時前に病院に到着する。
この病院で診察を受けるのは、ずいぶん久しぶりだが、外来の対応がかなりシステマチックになっていた。
受付を済ませ、内分泌代謝科に行くように指示される。その流れはとてもスムーズで、内分泌代謝科でも看護婦さんの案内で血圧や身長・体重を測り、9時半の予約時間よりも早くお医者さんの診察となった。
まだ若そうなそのお医者さんは、一枚の紙を示しながら、どういう検査が必要か丁寧に説明してくれた。
私がひっかかったのは、アルドステロンというホルモンだ。
これは副腎という器官から分泌されるホルモンで、アルドステロンが増えると体内のナトリウムやカリウム、水のバランスが崩れ、高血圧や低カリウム血症を引き起こす。また、直接心臓や血管に障害を与える可能性もあるため、クリニックのお医者さんもそれを心配したのだろう。
ただ、副腎からはアルドステロンのほかに、コルチゾールやカテコールアミンというホルモンも分泌され、これらのホルモンも血圧を上げるため、まずは原因物質を特定する検査が必要になるという。
アルドステロンに異常があれば「原発性アルドステロン症」、コルチゾールに異常があれば「クッシング症候群」、そしてカテコールアミンに異常があれば「褐色細胞腫」という病気が疑われるのだそうだ。
まず必要なのは血液検査。
私はそれに備えて、朝の食事をせずに病院に行ったのだが、この場合の血液検査はもっと朝早くにやらなければならないので、今日は無理だと言われ後日出直すことになった。
そのうえで、原発性アルドステロン症を確定させるための3つの検査を受ける必要があるという。
①生理食塩水負荷試験
4時間かけて2リットルの生理食塩水を点滴して行う検査。
②フロセミド立位負荷試験
フロセミドという薬剤を投与後、2時間立ちっぱなしで血液の変化を調べる。
③カプトプリル負荷試験
カプトラルを投与し、1時間半寝たまま血圧や数値の変化を調べる。
これらの検査のうち、一つでも陽性なら「原発性アルドステロン症」ということが確定する。
ただ、これらの検査を一度にしようと思うと、4日間の入院が必要だという。特に、①と②の検査は外来では受けられないのだそうだ。
それは、ちょっときついかもしれない。
ということで、まずは血液検査の日にちを決める。すると、医師は「カプトプリル負荷試験」なら、血液検査と同じ日にできますよ」と言う。
なら、まずは血液検査とカプトプリル負荷試験を一緒にやってもらうことにする。
検査の結果が出るのに2週間ほどかかるので、もしその段階でまだはっきりしなければ、入院して残りの検査を受ければいい。
歳をとるとありがたいことに会社の時間がある程度自由になる。3日ほどの入院ならなんとでもなるだろう。
診察はスムーズに終わり、ロビーの自動精算機でカード払い。日赤も便利になったものだ。
妻は、必要以上に心配して、私の行動を制限しようとする。
でも、私は何も心配にはならない。ただ粛々と検査を受けるだけ。どうと言うことはない。
79歳でくも膜下出血で亡くなった父の死に方を私は理想としている。
治ったら治ったでいいし、治らないなら治らないでいい。
子供も巣立った今、私の心は静かだ。
まあ、当分死ぬ気はしていないが・・・。
ただ唯一、痛いのは嫌だ。一瞬で逝くのがありがたいとは思うが、そう上手くもいかないだろうな・・・。
パリジェンヌが閉店…とショックでしたが、移転だったんですね!