アルドステロン

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「アルドステロンが高いですね。紹介状を書きますので、日赤で診てもらってください。」

いつものように高血圧の薬をもらいに行って、医者から予想外の言葉をかけられた。

「アルドステロン」という名前も知らなかったので、思わず聞き直した。

定年で会社の診療所が使えなくなり、近所の内科クリニックで薬をもらうようになったのは今年の初めだった。今度のお医者さんは学究肌の人で、それまで飲んでいた薬を減らし、血液検査をしましょうと勧めた。

そして今日、血液検査の結果が出たのだが、アルドステロンの値が高かく、レニン活性の値が低かった。

この2つの値をもとに計算した「アルドステロン÷レニン活性比」が、基準値200のところ私の場合610もあり、精密検査が必要との結論に至ったのだ。

帰宅して、ネットで調べてみた。

クリニックのお医者さんが疑っているのは、「原発性アルドステロン症」というものらしい。大阪大学のサイトには、こんな説明が載っていた。

『アルドステロンが過剰に産生されることによって高血圧になる病気です。人体には血圧を調節するレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系というシステムがあります(図2)。このシステムは血圧が下がることや、塩分(塩化ナトリウム)不足になることで活性化し、血管を収縮させることや腎臓からのナトリウム排泄を抑えることによって血圧を上昇させようとします。アルドステロンは腎臓からのナトリウム排泄を抑えることで血圧を増加させるホルモンであり、副腎という腎臓の上の方にある小さな臓器にある副腎皮質から分泌されます。原発性アルドステロン症は副腎でアルドステロンが過剰に産生されることで発症する病気です。健常者の場合、アルドステロンの分泌は腎臓で産生されるレニンが増加する事で促進されますが、原発性アルドステロン症ではアルドステロンが過剰に分泌されることで、レニンの産生が減少します(図3)。原発性アルドステロン症を起こす二大疾患としてアルドステロンを産生する良性腫瘍が副腎にできるアルドステロン産生腺腫(APA)、アルドステロンを産生する細胞が副腎で過剰に増える特発性アルドステロン症(IHA)があります。原発性アルドステロン症は二次性高血圧の中で最も多い原因疾患と言われています。原発性アルドステロン症は本態性高血圧に較べて心筋梗塞、脳卒中などの合併症が多いことが知られています。また糖尿病や睡眠時無呼吸症候群を合併しやすいことも知られています。』

通常は高血圧というと、生活習慣などの問題から起きるのだが、10人に1人ほどは別の要因から高血圧になるという。その一つが「原発性アルドステロン症」である。

要するに、私の場合、生活習慣の問題ではなかったかもしれない。高血圧と診断されてから、妻からは口うるさく減塩を指示されたが、あれば冤罪だった可能性が浮上したのだ。

それでも、放っておくと心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるというので、早速武蔵野赤十字病院に電話して予約を取った。

紹介状の宛先は、内分泌代謝科。

ところが、この科はとても人気で異常に混んでいるらしく、一番早い診察日は5月24日だった。

まあ、いい。私は別に急いではいない。

もし万一、それまでに心筋梗塞などが起きても、それもまた運命だろう。このブログでも何度も書いているが、長生きしようという考えは私にはないのだ。

ただ、私の唯一の心配は、心配性の妻が過剰反応して「塩分を控えろ、お菓子を食べるな」とまた口うるさく言い出すのではないかということだった。

案の定、家に帰って妻に告げると、「もう会社辞めたら」とか予想通りの過剰反応が返ってきた。

トホホ・・・先が思いやられる。

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