<吉祥寺残日録>能登半島の群発地震は南海トラフ巨大地震の前兆なのか? #220621

今日は夏至。

東京は朝からどんよりとした天気だ。

今朝は明け方の気温が25度ほどまで上がって蒸し暑く、昨夜は今年初めて半袖を着て寝た。

井の頭池はもう一面、藻で覆い尽くされて水面の美しさはすっかり消えてしまった。

沖縄の梅雨が明け、九州で大雨が降っているという。

いよいよ日本列島に本格的な梅雨の季節がやってきたのだ。

でも今年は、大雨よりも気になっていることがある。

それは、大地震だ。

石川県の能登地方を震度6弱の地震が襲ったのは今月19日のことだった。

私は「どうせ活断層によるものだろう」とほとんど関心を持っていなかったのだが、翌日も震度5強の地震がほぼ同じ場所で起きた。

それでもよくある余震だろうとさして気にも留めていなかったのだが、どうもただの地震ではなさそうなことが明らかになってきて、俄然興味が湧いてきた。

政府の地震調査委員会の平田直委員長が昨日の会見で、「数カ月で地震が終わってしまうような兆候は表れていない」と述べた。

これは珍しいコメントである。

実は能登での地震はかなり以前から続いていて、その原因が専門家でもよくわからないのだという。

会見で平田氏は「外部要因による地震」との見方を示したが、メカニズムについては結論が出ていないと説明。会合では、今回の地震は一連の活動の一部であると評価したと述べた。能登地方で長期に及ぶ地震は前例がないとし、7月の会合で詳細な検討を進める意向を示した。

調査委によると、震源地付近では2018年ごろから地震が増え、21年7月ごろからさらに活発化。20年12月ごろから、石川県の珠洲市で南南東方向に累積1センチ超の地殻変動が確認されるなどしている。

平田氏は、群発地震では一般的に①地下の断層がゆっくり滑る②地下の割れ目に流体などが入る――などによって引き起こされる可能性があるとした。今回の地震については結論はでていないものの、流体として水をあげる専門家の声があると説明した。

引用:日本経済新聞

今回の群発地震はすでに2018年ごろから始まっていて、しかも前例がない地震だというのである。

これはやはり気になる。

さらにテレビや大手新聞はまだ控えているが、週刊誌などでは南海トラフ巨大地震の前兆ではないかとの見方も流れ始めている。

というのも、太平洋戦争末期から終戦後にかけて各地で起こった連鎖的な大地震に似ているというのだ。

まずは「FRIDAY」の『石川で連日激震…専門家が警鐘「スーパー南海地震の不気味な予兆」』から。

連日の大きな地震は予兆に過ぎないという。立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が解説する。

「北陸、上越地方は北米プレートとユーラシアプレートが、正面衝突している場所です。マグニチュード(M)7.5規模の大きな地震が起こすエネルギーが溜まっています。しかし今回起きているのは、M5.4クラス。石川や福井、富山、新潟などを震源にした大地震が起きる前の、中規模な揺れと言えるでしょう」

「今回と似たケースが、1943年に起き1000人以上が犠牲になった鳥取地震(最大震度7、M7.2)です。この災害は、各地で地震を誘発しました。1944年の東南海地震(震度7、M7.9)、1945年の三河地震(震度6、M6.8)、1946年の南海地震(震度6、M8.0)、1948年の福井地震(震度6、M7.1)……。 特に1948年の福井地震では、福井、石川両県で3700人以上の死者が出ています。今回も1943年の鳥取地震のように、各地の大地震と連動する可能性が高いんです」

引用:FRIDAY

1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年の三河地震、1946年の南海地震、1948年の福井地震。

1944年の東南海地震については軍部の報道統制でほとんど国民には知らされなかったという話は聞いたことがあるが、その時の一連の大地震が日本海側と南海トラフが連動して起きていたことは今回初めて知った。

続いて、「夕刊フジ」の『不気味な「南海トラフ巨大地震」との〝符合〟 「能登半島震度6弱」で誘発か 「隣接地域でM6・5~7・5程度の頻発注意」専門家が指摘』という記事。

地震のメカニズムについて、夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「内陸直下型の群発地震の場合、地下深くのマグマが地表近くに上昇しているケースがある。この場合、海外では普段活動をみられない火山で噴火を起こす事例もある」と解説する。

災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「最近は日本列島を東から押す太平洋プレートの動きが活発になっている。これに南から列島を押すフィリピン海プレートの力が合わさることで、鳥取県から新潟県が地震の警戒地域となっており、能登は象徴的な事例だ」と分析する。

気象庁は、今後1週間程度、最大震度6弱程度の地震への警戒を呼びかけている。高橋氏は「想定される1000分の1のエネルギーしか放出されておらず、能登に隣接する地域でM6・5~7・5程度の地震の頻発に注意すべきだ」と語る。

高橋氏は能登での地震について「南海トラフ地震の前に起こる内陸直下型地震の一環と考えられるのではないか」と強調した。

引用:夕刊フジ

さらに、今回の震度6の地震以前にも4月の「週刊現代」が『「巨大地震」がやってくる…いま北陸の地下で起きている「危ない異変」』という記事を掲載していた。

会見の中で、同調査委員会の平田直委員長は「原因はわからない。地下15kmから20kmくらいの深いところで、『何か』が起きている」と深刻な表情を浮かべた。

冒頭の泉さんが語るように、この地では15年前に「能登半島地震」が発生している。街中の建物が倒壊し、珠洲市と輪島市は一時、完全に麻痺状態となった。そんな過去があるからこそ、住民たちは「またあの悲劇が起きるかもしれない」と、戦々恐々としている。

政府はこの連続地震は原因不明としているが、本当にそうなのだろうか。立命館大学特任教授の高橋学氏はこう話す。

「今回の地震は、太平洋プレートの直接的・間接的影響で、北海道から関東が乗る北米プレートと、関東から九州が乗るユーラシアプレートの衝突によって発生したと考えられる。衝突で生じた歪みのエネルギーが解放される内陸直下型の地震です。

今のところ比較的小さな規模ですが、過去には北陸の地震をきっかけに、太平洋側まで巨大地震を引き起こしたと考えられる例もあり、今後、多数の死者が出る大震災に繋がる可能性があります」

引用:週刊現代

いずれの記事もネタもとは立命館大学の高橋学特任教授なので、多くの学者が南海トラフ地震との関連を述べているわけではない。

しかし専門家がメカニズムを解明できない地震が今北陸で実際に起きているという事実は、近い将来必ず起きるとされている南海トラフの巨大地震との関連も一応考えておいた方が良さそうだ。

私は最近、東京と岡山を往復する生活をしているが、もし本当に南海トラフで巨大地震が起きれば、どちらにいるのが安全か予断はできない。

いずれにせよ、心の準備をしておくだけで、いざという時に慌てなくて済む。

水や食料、その他必要な準備を東京と岡山の両方でしておいた方が賢明だろう。

杞憂に終わればそれに越したことはない。

<吉祥寺残日録>日向灘で発生した震度5強の地震は南海トラフ巨大地震の前兆か #220122

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