<吉祥寺残日録>年末恒例!10大ニュース2021 #211229

今年も残すところ3日。

このブログを始めてから年末には私なりの10大ニュースを勝手に選んでいる。

去年の年末、私はこんなことを書き残していた。

安倍さんが去り、トランプさんが去っても、習近平さんは残る。

アメリカやEUの力が落ちて、中国の存在感が相対的に大きくなる日本にとっては厄介な世界が確実にやってくる。

バイデン政権は同盟国を巻き込んだ対中包囲網を強化しようとするだろうが、その指導力は弱く、巨大市場を武器に経済面から切り崩しを図る中国の勢いを止められないだろう。

特に台湾をめぐる攻防は、日本にとっても他人事では済まなくなる。

コロナバブルでマーケットに溢れたマネーが世界経済にどんな影響を与えるかも気がかりだ。

東京オリンピックについては、私は開催できる開催した方がいいと思っているが、世論調査によれば中止を求める声も多く菅内閣にとって難しい問題になりそうだ。

そして来年行われる総選挙、野党の弱さに変化はないが、菅総理が党内基盤を維持できるかが注目されるところとなる。

引用:吉祥寺@ブログ

東京五輪をめぐる混乱、菅総理の退陣、台湾問題の先鋭化。

ある程度、予想通りの展開とはなったが、一番恐れていた世界的な経済危機に陥ることはなく一年が過ぎたのは良かったと総括しておこう。

例年通り、読売新聞が年末に発表する「読者が選ぶ10大ニュース」をまず見ていきたいと思う。

まずは国内の10大ニュースから。

【1位】大谷翔平、メジャーMVPに

【2位】東京五輪、日本は史上最多58メダル

【3位】新型コロナワクチン接種開始

【4位】眞子さま、小室圭さん結婚

【5位】静岡・熱海で土石流、死者・行方不明者27人

【6位】新型コロナ、変異株が猛威

【7位】自民党総裁に岸田氏、首相に就任

【8位】将棋・藤井聡太さんが新竜王、最年少四冠に

【9位】ゴルフの松山英樹がマスターズ優勝

【10位】東京五輪「原則無観客」決定。直前まで混乱続く

大谷翔平の活躍が国内ニュースの1位とはちょっと驚いた。

コロナの勢いが少し落ち着いている年末に調査を行ったため、比較的明るい話題が上位を占めた印象だ。

それでも全体としては、コロナを除けば比較的穏やかな一年だったということかもしれない。

さらに11位から30位も見ていこう。

《11》真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞

《12》電車内で無差別刺傷事件相次ぐ

《13》ヤクルト20年ぶり日本一

《14》東京パラ、日本は史上2番目51メダル

《15》菅首相が退陣表明

《16》「オミクロン株」対策で政府が外国人の新規入国停止

《17》新型コロナ感染者減少、緊急事態宣言や重点措置が半年ぶり全面解除

《18》大坂なおみテニス全豪V

《19》横綱白鵬が引退

《20》衆院選で自民単独過半数

《21》春夏甲子園、2年ぶり開催

《22》千葉・八街で児童の列にトラック、下校中の5人死傷

《23》作家の瀬戸内寂聴さん死去

《24》河井克行元法相、買収事件で実刑判決

《25》日大理事長、脱税容疑で逮捕

《26》沖縄に軽石大量漂着、政府が対策会議

《27》中3男子、同学年の生徒に刺され死亡

《28》「奄美・沖縄」「北海道・北東北」が世界遺産に

《29》福島第一「処理水」の海洋放出決定

《30》ゴルフ全米女子OPで笹生優花が優勝

この中でいえば、白鵬引退のニュースのランキングが低いという印象を受ける。

もしこれが日本人横綱だったら、もっと上位に入ったのだろう。

大相撲の記録をことごとく塗り替えた平成の大横綱の引退としてはメディアの扱いも悪く、コロナ禍で「おもてなし」を標榜していた日本人が再び内向きになっているような気がして、ちょっと心配なところだ。

続いては、海外の10大ニュースはこんな感じ。

【1位】ジョー・バイデン氏が米大統領に就任

【2位】新変異株「オミクロン株」、世界で感染拡大

【3位】新型コロナの世界感染者が2億人超に

【4位】ミャンマーで国軍がクーデター

【5位】アフガニスタンでタリバンが首都制圧

【6位】日本のコンテナ船、スエズ運河で座礁

【7位】北朝鮮、相次ぎミサイル発射

【8位】トランプ米大統領支持者が議事堂占拠

【9位】中国の不動産大手「中国恒大」が経営危機

【10位】新型コロナ治療の飲み薬、米製薬大手メルクが使用申請

これが海外ニュースに関する日本人の意識だとすると、ちょっとピンボケな印象を受ける。

私の印象だが、コロナ禍で日本人の関心が身の回りのことに縮んでしまっているのではないだろうか。

個人的に一番ショックだったのはミャンマーのクーデターで、国際社会の無力さを痛感させられた。

11位以下はこんな感じだ。

《11》米国で黒人男性暴行死の元警官が有罪

《12》ノーベル平和賞にフィリピン、ロシアのジャーナリスト

《13》米同時テロから20年

《14》G7首脳宣言、台湾問題に初言及

《15》中国探査機が火星着陸に成功

《16》英国でCOP26

《17》ドイツなどの豪雨災害で死者多数

《18》香港で「反中紙」廃刊

《19》米国で民間宇宙旅行ビジネスが活発化

《20》米当局、アルツハイマー新薬承認

《21》北京で中国共産党創設100年の式典

《22》ハイチ大統領が暗殺

《23》トランプ前大統領、弾劾裁判で無罪に

《24》中国と台湾がTPP参加を申請

《25》中国共産党が「歴史決議」を採択

《26》韓国地裁、元慰安婦の損害賠償請求を却下

《27》米中首脳、オンライン形式で初会談

《28》日米豪印の「クアッド」が首脳会談

《29》中国で海警法施行

《30》イスラエルで12年ぶりの政権交代

こちらには、いくつか気になるニュースが入っている。

中国関連では、共産党創設100年、歴史決議、そして海警法。

香港やウイグルでの実効支配が強まる中で、習近平体制の次のターゲットは明確に台湾だ。

来年には異例の3期目入りが確実とされる習近平さんがどこまで強硬策に出てくるのか、北京五輪の行方も絡んで今後とも中国から目が離せない。

そしてもう一つ注目されるのが宇宙ビジネス。

民間人の宇宙旅行を実現したアメリカIT企業の革新力にも驚かされるが、信じられないスピードでアメリカを追い上げる中国の宇宙戦略にも目を見張る。

米中の宇宙ビジネスの進展ぶりを見ていると、日本がもはや先進国ではないのだということを実感させられて暗澹たる気持ちになってしまう。

さて、それでは私が独断と偏見で2021年の10大ニュースを選ぶとしよう。

今の日本や世界の状況で私が懸念している点が反映されている。

【1位】コロナ禍の中で開催された「東京無観客五輪」と世論の分断

東京五輪の招致が成功して以来、日本社会はオリンピックを軸に「おもてなし」を標榜してきたはずなのに、コロナによって見事に化けの皮が剥がれ、五輪中止を求める世論が日増しに高まった。森喜朗大会組織委員長の直前辞任など最後まで混乱に混乱を極めた異例のオリンピックは、日本人選手の活躍によってそれなりの盛り上がりを見せたが、信念なき日本社会の本性や簡単に揺れ動くネット世論の危うさを痛感させられた。

【2位】2年目のコロナ禍、ウイルスと人間の「共存」

2年目を迎えたコロナ禍で、日本政府は1年に4度の緊急事態宣言に追い込まれた。新年から秋まで東京ではほぼずっと緊急事態宣言下での生活が続く。それでも手厚い政府の支援により倒産や失業は社会を破壊するほどには増えず、約8割の日本人がワクチンを接種し、それぞれ考えながらコロナとの共存を模索した一年だった。世界各国もウイズコロナの社会を模索しながら、デルタ株、オミクロン株など新種のウイルスが登場するたびに感染爆発が起きる試行錯誤を続けている。

【3位】「リアル二刀流」大谷翔平が満票でメジャーリーグMVPに

読売新聞の読者同様、今年目が離せなかったニュースといえばエンゼルスの大谷翔平である。投打のリアル二刀流を実現させただけでも凄いのに、リーグ前半はホームラン争いでダントツのトップを独走した。その実力はメジャーリーガーたちからも絶賛され、一年でメジャーを代表する世界のスーパースターに躍り出た。大谷だけでなく、ゴルフの松山英樹が日本人初のマスターズチャンピオンになったのも快挙だし、テニスの大坂なおみ、バスケットの八村塁、女子ゴルフの笹生優花など多様なルーツを持つ新たな日本人が国際舞台で活躍したことも印象的だった。

【4位】着々と進む習近平独裁体制と高まる台湾の緊張

今後の世界を考えるうえで、今年コロナ以上に注目し続けたのは中国情勢である。夏に中国共産党創建100周年を祝い、毛沢東・鄧小平以来となる「歴史決議」を発表した習近平総書記。「偉大な中華民族の復活」を掲げて着実に超大国としての存在感を増している中国は、香港の混乱を制圧し、習氏の3期目となる5年の間に台湾統一を目指す。当然、日本にも強い圧力がかかることになるだろう。

【5位】バイデン政権発足とアフガニスタンでの失態

トランプさんが去り、バイデンさんがアメリカの新しい指導者となった。政治経験は豊富だが、高齢でつまらないほど常識的だ。アメリカ単独主義と決別し同盟国との関係強化に軸足を移し、中国包囲網の構築を目指しているが、習近平さんに比べるとひ弱な印象は拭えない。コロナ対策で高い支持率を誇ったものの、アフガニスタンからの米軍撤退での失態で弱さを露呈した。巨額の財政出動の後始末も気がかりである。

【6位】宇宙ビジネス本格化、米中の覇権争いは地球外へ

「テスラ」のイーロン・マスク、「アマゾン」のジェフ・ベゾス。米IT企業の億万長者たちが宇宙を民間ビジネスの場に変えた歴史的な一年だった。夢の宇宙旅行が現実のものになりつつある。一方で、中国の宇宙技術が飛躍的に向上していて、月や火星を舞台にアメリカとの開発競争が加速している。岸田総理は日本人宇宙飛行士の月面着陸を公言したが、問題なのは技術力で大きく差をつけられてしまったという現実である。

【7位】ミャンマーの軍事クーデター、国際社会の無力さを露呈

2月に起きたミャンマー国軍によるクーデターで、民主化のシンボルだったアウン・サン・スーチー女史が逮捕された。多くの市民が街頭に出て、非暴力の抗議活動を続けたが、西側社会からの支援にも関わらず武力の前に沈黙させられてしまった。ミャンマーとの関係が深い中国は国軍の後ろ盾となっていて国連も無力、日本政府も表立って民主派市民を支援することはなかった。新たな「冷戦構造」のシンボルとしてミャンマー問題は非常に重要である。

【8位】「脱炭素」「SDGs」の定着とメルケルなき世界

地球温暖化問題に世界的な関心が高まり、日本でもようやく「脱炭素」や「SDGs」というキーワードが毎日のようにテレビで聞かれるようになった。産業界でも一斉に「脱炭素」の動きが活性化した一年だった。こうした地球規模の課題にいち早く取り組んできたのがヨーロッパであり、市民レベルの意識の差が日本人とはまだ大きい。そのヨーロッパの指導者として長年先頭に立ってきたドイツのメルケル首相が退任した。メルケルなき世界の行方を心配している。

【9位】菅政権退陣、岸田政権は「安部政治」から脱却できるか

私が贔屓していた菅総理は1年で退陣に追い込まれた。「デジタル&グリーン」を掲げて具体的な政策転換を次々に成し遂げていったにも関わらず、コロナ禍と五輪という難題に振り回されて短命に終わったのは残念だった。菅さんは、2050年カーボンニュートラルの大目標を掲げ日本社会を「脱炭素」に大きく舵を切ったほか、高齢者の医療費2割負担や福島原発の汚染水の海洋放出など批判を避けられない決断も行った勇気ある総理だと思う。後継に選ばれた岸田総理は安部さんの「傀儡」になることが心配されたが、これまでのところ独自色を打ち出し、「いい人」キャラを前面に出して頑張っている。具体的な政策が見えてこないのがやや不満だが、期待しながら来年も見守っていきたい。

【10位】眞子さまの結婚と白鵬引退、「内向き日本」のギスギス感

今年、週刊誌やワイドショーを中心に大きな関心を集めたのが秋篠宮家の長女眞子さまの結婚問題だった。小室家の借金問題が執拗に叩かれ、多くの日本人が皇室の婿としては相応しくないと怒った。ひどい人権侵害だと感じた。眞子さまには何も非がないにも関わらず、本来支給されるはずの支度金も辞退し、結婚式さえ挙げずにニューヨークへと逃げるように旅立った。白鵬についても、横綱の品格に欠けると批判され続け、その偉業が正しく評価されないまま引退していった。本来ならば大鵬や北の湖らのように一代横綱として白鵬親方となるべきなのに、それも認められず「間垣親方」を襲名した。どうも日本の伝統に関わると、日本社会に妙なバイアスがかかってしまう。保守派と呼ばれる偏狭な人たちが強い影響力を持ち、そうした極端な意見は厄介なことにネットとの親和性が高い。名古屋入管で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんに関わらず、日本にやってきている外国人たちがコロナ禍で窮地に陥っているのが気がかりだ。人手不足解消のため技能実習生という名目で中小企業や農村で働いている外国人が契約期間の途中で解雇され、帰国もできないまま犯罪に手を染めていることに私たち日本人の関心は極めて薄い。オリンピックを自ら招致しながら一方的に中止を求める世論とどこか通じるものを感じる。人の命はもちろん大切だが、信義の失われた社会で長生きすることにどれほどの意味があるのか。コロナ禍で人々の視野が狭くなり、日本が排他的な国になっているとすれば、それこそが2021年の一番のニュースなのかもしれない。

2021年は、多くの人が家に閉じこもりストレスを抱えて過ごした一年だった。

しかし、家にこもっていてもできることはたくさんある。

普段通りに行動できないイライラを他者にぶつける傾向はなかっただろうか?

「おもてなし」を標榜していた日本人がコロナを口実にして排他的な国に後戻りするとすれば、そこには昭和の時代、戦前に犯した過ちと同じ芽が再び育ちつつあるということである。

他者、特に弱者に寛容な社会で私は生きていきたい。

世界的なパンデミックという試練の中で、人間は内面を強くして、ポストコロナの新しい世界がコロナ前よりもいい社会になるよう一人一人が努力する時間にしたいものだ。

来年は、台湾をめぐる情勢がいよいよ気にかかる一年になるだろう。

中国の政策が変わらない限り、不測の事態が起きるリスクは確実に増している。

さらに、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、そして富士山の噴火。

予想されるような大災害が起きれば、コロナなんかの比ではない破壊的な影響が私たちの生活に及ぶことになる。

ウイルスよりも怖いものはいくらでもあるのだ。

中でも一番怖いのは、人間。

だから、私たちの心の中に眠る「悪」を呼び起こさないよう一人一人が気をつける。

それしか、平和な当たり前の暮らしを守る方法はないということを深く心に刻んで新たな年を迎えたいと思う。

<吉祥寺残日録>年末恒例!10大ニュース2020 #201230

年末恒例!10大ニュース

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