8日に行われたアメリカの中間選挙について書こうと思っていたのだが、一向に大勢が判明しないため書くタイミングを逸したまま週末を迎えた。

事前の報道では野党共和党の圧勝が予想されていたが、昨日の段階で上院は49対49、ジョージア州はどちらの候補者も過半数を獲得できず決選投票が行われることとなり、民主党が辛うじて現状維持で主導権を握る可能性も出てきた。
バイデン大統領は早々と「民主主義の勝利」だと喜びを表したが、果たしてアメリカの民主主義は大丈夫なのだろうかと心配になる。
投票日から1週間経っても結果が出ない州があるというのは、このデジタル時代にちょっと信じられない印象だ。
この事態を招いたのは郵便投票の数が増えたことが原因で、郵便投票を行う有権者は民主党支持が多いらしいので、トランプ派が、投票結果が操作されていると主張しこれを受け入れない根拠にする余地を与えてしまっている。
中国やロシアのような強権的な政治は絶対に嫌だが、SNSによって社会の分断が固定化され、有権者登録を妨害して有色人種に選挙権を与えないような動きが表面化しているアメリカの状況も民主主義と言えるのか疑わしい。
デジタルは、強権主義との親和性が高く、民主主義とは相容れないのだろうか?

アメリカ的な資本主義は一方で、急激な為替の乱高下も引き起こしている。
一つの経済統計を根拠にアメリカのインフレが頭打ちとなりFRBによる利上げペースが減速するという思惑から、今週急速な円高が進んだ。
1ドル=150円に近かった相場が一気に138円台まで円が買われたのだ。
この2日間の値動きは上昇幅も上昇率でも1998年以来24年ぶりの急激な円高なのだという。
株も為替も、ウォールストリートの思惑で動く。
取引の多くはアルゴリズムによる自動売買だ。
東京市場でも主役はもはや外国資本であり、日本政府も日本の投資家もそれに振り回され、逆張りで対抗するのが関の山、いずれにせよ日本人が主体的に相場を動かしているようには見えない。

こうした中で、ビットコインもここに来て急落している。
11日に暗号資産交換業大手のFTXトレーディングが連邦破産法11条の適用を申請し事実上破綻したが、おそらくこの予兆を事前につかんだ人たちが先を争って売ったのだろう。
暗号資産については私はいまだによくわからないが、破綻した会社は2019年に設立されたばかりで瞬く間に世界有数の交換業者になったらしい。
コロナで撒き散らされた空前のマネーがもたらした世界的なバブルがいよいよ大きく揺らぎ始めている。
このまま巨大なバブルが崩壊するのか、それともポストコロナで世界経済は持ち堪えるのか、私には正直わからない。
あまりに多くの変数が絡み合って、素人にはますます先の読めない時代が訪れつつあることだけは確かである。

そんな中、私は昨日あるゴルフコンペに参加した。
私が卒業した大学のOBが集まる親睦コンペで、参加者は全員、私が所属する立川国際カントリー倶楽部のメンバーである。
そのコンペの存在はなんとなく聞いていたが、私はOB会にも入っておらず母校愛が薄いのでこれまで一度も参加したことがなかったのだが、この度縁あって私もお仲間に入れてもらった。

初参加の私は、慣例によりこの会の会長さんと同じ組で回ることになった。
会長さんは今年80歳になられた。
とてもそんな歳には見えない若々しさで、ゴルフもとてもお上手、先日見事エイジシュートも達成されたという。

今日は、天気予報ほどは晴れず、午前中はなんとかウィンドブレーカーを着たままでもプレイできたが、午後になると太陽が照りつけ半袖でちょうど良い気候となった。
11月としては異常に暖かい日が続いている。
今日は奥多摩コースのOUTスタートだった。
前半は、ドライバーも比較的真っ直ぐ飛び、パターも練習の甲斐あってまずまずのスタート。
細かなミスがいくつかあったもののぎりぎり及第点の44で回った。

ところが午後に入ると一転、ティーショットがブレまくる。
珍しく左に引っかけるミスが続き、2ホール連続で1ペナゾーンに打ち込んでしまう。
100ヤード以内のウェッジのミスも多く、バンカーにも2回つかまり結局49。
今日もまたトータル93の不本意なラウンドになってしまった。

とはいえ、パターとアプローチには若干の改善が見られたのは収穫だった。
3パットが2回、4パットが1回あったものの、1パットも8回ありこれは嬉しかった。
初参加なのであまり目立ちすぎるのも良くないし、これぐらいがちょうど良いスコアだったと言えるかもしれない。
私は今公式ハンディがなくなっているため、自己申告のハンディ16で参加したが結果は7位、ラーキー7賞をいただいた。
これまたちょうどいい所だろう。

ラウンド後の懇親会に参加して、正直ちょっと驚いた。
会長さんの80歳でさえ驚いたのに、コンペに参加したOBの中に80代の方がごろごろいらっしゃったのだ。
64歳の私なぞ、このコンペではほんの若造だ。
最高齢はなんと88歳。
70代のメンバーさんとはよくご一緒するので珍しくはないが、80歳を超えてもこんなに多くの方がゴルフを楽しんでいらっしゃることを知り未来に希望が見えた気がした。
88歳の大先輩にはさすがに特別ルールが適用され、女性用のティーグラウンドから第1打を打つことが許されているようだが、それでも見事ドラコンを獲得され、ニアピンホールでもしっかりと旗に名前を刻んでいたのには驚いた。
あっぱれという他はないだろう。

大先輩たちには、商社やゼネコンなどで海外を飛び回った「炎熱商人」も多い。
当時の日本人は今よりもずっとバイタリティーに溢れていたのだろう。
そして海外生活で慣れ親しんだゴルフを80歳になっても楽しんでいる。
世界がデジタル化することで、人間は幸せになっているのか、それとも不幸になっているのか?
世代間のギャップがますます広がっていく世界にあって、80代の先輩たちから学ぶことはまだまだありそうだと感じた1日であった。