<吉祥寺残日録>【東京五輪15日目】メダルには届かなかったがサッカー日本代表は最強だった #210806

連日の熱戦に興奮した東京オリンピックもいよいよ今週末で幕を閉じる。

日本国内での新型コロナの感染者数の累計がついに100万人を突破したと報じられた今日も、私は家から一歩も出ることなくテレビでオリンピックを見続けている。

記憶に残るメダリストがたくさん輩出された今大会で、私を最も楽しませてくれたのはやはりサッカー男子日本代表だったような気がする。

準決勝のスペイン戦で延長終了間際に失点、惜しくも決勝進出を逃したが、今夜メキシコ大会以来53年ぶりの銅メダルを賭けてメキシコとの3位決定戦に臨んだ。

日本の先発は、予選のメキシコ戦に勝利した時と同じメンバーだった。

久保建英と堂安律を中心とした多彩な攻撃陣と吉田麻也・遠藤航というオーバーエイジ組が支える安定した守備陣。

世界の強豪と互角に渡り合える日本歴代最強のチームである。

ところが前半13分、ボランチで安定した守備でチームを支えてきた遠藤航がゴール前でファウルを取られる。

ペナルティーエリアの内か外か微妙なところだったが、メキシコにペナルティーキックを決められ早々に失点。

2日おきの6連戦にフル出場した吉田、遠藤にもさすがに疲れが見え、予選の時にはほとんど見られなかったパスミスも目立つ。

前半22分には、やはり自陣でのファウルで与えたフリーキックをヘッドで押し込まれた追加点を許した。

予選でメキシコに勝利した時には、前半早々に2点を先制し波に乗ったが、この試合では全く逆の苦しい展開となり中米の強豪を相手にメダルが遠のいていく。

前半を0−2で折り返した日本は、後半13分にもコーナーキックから失点。

試合は0−3と一方的なものとなったが、失点は全てセットプレイからのもので流れの中で崩されてはおらず、内容的にはほぼ互角と言ってもいいものだった。

ここから森保監督の素敵な選手交代が目を引いた。

サイドバックの中山を下げてドリブラーの三笘を投入、フォワードも上田に交代し攻撃陣を厚くする。

その直後、後半23分には三苫から上田へのスルーパスが通り、上田のシュート。

このシュートはゴールキーパーのオチョアに阻まれたが、この後も堂安、久保、三苫が相次いでシュートを放ちゲームは完全に日本ペースになる。

森保監督はさらに不動のボランチ田中碧を下げて、板倉を投入。

遠藤航をもっと攻撃参加させる攻撃的なシフトを敷く。

そしてついに念願のゴールが決まる。

後半33分、久保のパスを受けた三苫がドリブルで守備陣を振り切ってシュート、メキシコの守護神オチョアの必死のセーブをかいくぐりゴール左隅に突き刺さった。

森保監督はさらに、遠藤航を下げてトップ下の三好を投入、久保、堂安、三苫、三好というこの世代の日本代表が誇る多彩なタレントたちが勢揃いする最高レベルの攻撃的布陣を敷いた。

アディショナルタイムに入るとセンターバックの吉田麻也も攻撃に参加、失点のリスクを承知で総攻撃をかけるがゴールを奪うことはできず、1−3で試合は終わった。

試合終了の笛が吹かれると久保建英はピッチに倒れ込み泣いた。

それだけ本気で自国開催のオリンピックでメダルを獲りに行った若き日本代表。

彼らにその実力はあると思えたし、森保監督の采配も素晴らしかったので、敗れたとはいえ私は最後まで試合を楽しめた。

銅メダルを争った今夜の3位決定戦。

終わってみればボール保持率で日本はメキシコを上回り、シュートの数でもメキシコを大きく凌いだ。

決定力の問題はまだ残されているかもしれないが、若き日本代表は世界のトップレベルと戦う実力を身につけている。

日本が対戦したスペインもメキシコもフル代表で活躍する選手がたくさん含まれていた。

つまり、この世代がフル代表の主力となって戦う次のワールドカップではとんでもない奇跡を起こしてくれるかもしれない。

選手たちには悔しいだろうが、楽しみが広がった東京オリンピックの戦いであった。

団体競技ということで言うと、バスケットボール女子日本代表がとんでもない快挙を成し遂げた。

初めて勝ち進んだ準決勝でフランスを下し、メダルを確定させたのだ。

「アメリカを破って金メダルを」を目標としてチームづくりをしたトム・ホーバスヘッドコーチの言葉通り、次はいよいよ王者アメリカとの決勝戦である。

八村塁の登場で注目されたバスケット男子は世界の高い壁に跳ね返されたが、実は女子チームに素晴らしい選手が育っていたのだ。

中でも輝いていたのが町田瑠唯。

司令塔としてチームを自在に操り16アシストのオリンピック新記録を樹立した。

卓球の男子団体も宿敵韓国を破り銅メダルを獲得した。

第1試合は水谷・丹羽のダブルスで大接戦を制して勢いに乗り、第2試合ではエースの張本がこれまた接戦を勝ちきった。

第3試合の丹波は負けたが、第4試合で水谷が韓国のエースをストレートで破り団体の銅メダルを決めた。

勝利の瞬間、張本が飛び出し水谷に抱きつく。

女子に比べるとメダルが厳しいと思われた男子だったが、水谷のリーダーシップが張本を刺激し2大会連続のメダルにつながった。

大接戦となったシングルスを制した張本は雄叫びをあげた。

日本の卓球界を世界のトップに引き上げた水谷は、「今大会の主役は張本だ」と後輩へのバトンタッチを口にし続けてきた。

サッカーにしても卓球にしても世界で戦える素晴らしい若者たちが日本に育っている。

中国のような国家によるエリート養成ではなく、子供たちを導く指導者がいて、子供たちが憧れる先輩たちがいる、そんな自然な形で様々なスポーツで未来の人材が育っている今の日本は誇りに感じていいと思う。

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