鹿児島の桜

今年は全国的に桜が遅い。

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東京では全国のトップを切って4月2日に満開の宣言が出たが、「本当か?」と疑いの声が出た。東京の満開を伝えるテレビニュースの映像もどう見ても七分咲き程度にしか見えない。その日、井の頭公園の桜はまだせいぜい三分咲きといったところだった。

そして今日は晴天で気温も上がり、公園の桜もようやく七分咲き程度まで進んだ。

まあ、先週寒かったからだろうと考えていたのだが、今日の「報道ステーション」でちょっと怖い話をしていた。

鹿児島のソメイヨシノの話だ。

ここ数日で、西日本の全域で桜の開花が発表された。ところが、鹿児島県だけまだ開花していないのだという。

なぜか?

温暖化の影響ではないかというのだ。

ソメイヨシノの上限は北海道の道南であることは知られている。函館では咲くが、札幌では咲かない。

一方、南限はというと、種子島のあたりなのだそうだ。確かに沖縄ではソメイヨシノは咲かない。

そして今年、鹿児島の桜が咲かない理由は寒さの影響ではなく、温暖化によって桜の南限が北上したためではないか、というのである。近い将来、鹿児島ではソメイヨシノが咲かなくなる、そんな可能性が専門家の間で議論され始めているのだそうだ。

ネットで調べてみると、2005年に書かれた一つの文章が目に止まった。

龍谷大学経済学部の増田啓子教授が書いた「近年の桜の開花異常!?」という論文だ。「地球環境研究センターニュース」に掲載されている。その一部を引用させていただく。

『 ここ50年間の春の気温上昇に より桜の開花は全国平均で5日早まり、特に1989年 以降は3.8日早まっている。』

としたうえで・・・

『 ところが、気温が上昇しても開花は早まらない 地点が九州南部や西部に現れ始めている。最近ま での50年間に鹿児島の3月の平均気温は約2.5°Cも 上昇しているのに、ソメイヨシノの開花は早まっ ていない。1986年までは、気温が上昇すれば 開花は早まる傾向があったが、1987年以降、気温 が上昇しても開花は早まらなくなった。今年、鹿 児島や長崎では、観測開始以来最も遅いソメイヨ シノの開花となった。この最も遅い鹿児島の4月3 日の開花は、気温が最も低かったのだろうか。3月の平均気温は10.9°Cで平年よりも低いが、これま でで最も低かったわけではなく、1974年には同じ 平均気温だが3月23日の開花であった。開花前の気 温に敏感だった桜が異変を示し始めている。九州 の桜の開花日と気温との関係を示す。種子島、 宮崎、鹿児島を除く地点は気温との関係が深いが、 種子島、宮崎、鹿児島は気温との関係がなくなり つつある。すなわち、ソメイヨシノの南限に近い 地域では、冬の高温が開花する日を狂わせ始めて いるということである。』

今年も鹿児島では1月の平均気温が高く、3月が低かったという。

そして今日4月4日になっても、鹿児島の桜は開花していない。

10年以上前に書かれたこの論文の警告は、今年も当たったということだろうか。気温が上がれば、植物の分布範囲が北上する。当たり前といえば当たり前のことではあるが、ちょっとした衝撃を覚えた。

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