テロと暗殺

嫌なニュースが続いた。

まずはドイツの首都ベルリン。19日夜、大型トラックが市中心部で開かれていたクリスマス市に突っ込み12人が死亡、多数が負傷した。メルケル独首相は「おそらくテロだろう」と記者団に語た。フランス・ニースで9月に起きたテロ事件を思い出してしまう。

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トラックを運転していたのは難民としてドイツに入国したパキスタン系の男だと見られている。(注:後日このパキスタン人は釈放され、チュニジア人が手配された)

移民受け入れを進めてきたメルケル首相が窮地に立たされることは間違いないだろう。

もう一つの事件は、トルコの首都アンカラで起きた。19日、美術展の開会式でスピーチしていたロシア大使が、トルコの警察官に射殺されたのだ。大使を撃った警察官は警官隊との銃撃戦により射殺されたが、事件直後の姿をテレビカメラがとらえていた。警察官は射殺される前に「アレッポを忘れるな」と叫んだ。ロシアの介入で陥落したシリアの激戦地アレッポの報復と見られている。

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内戦が続くシリアでは、反政府勢力最大の拠点アレッポがロシアの空爆に支援された政府軍により制圧され、市民の脱出が始まっている。反政府勢力を支援してきたアメリカはトランプ大統領の誕生で大きく方針が変わる。シリアの民主化を求めて戦ってきた反政府勢力は見捨てられたのだ。

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冷戦時代、世界各地で繰り広げられた代理戦争。非常な国際政治の中で、突然はしごを外され見捨てられた人たちをどれだけ見てきたことか。

自由と民主主義のために戦う人たちにとって、アメリカは唯一の希望だった。しかし、トランプのアメリカはおそらく違ってくるのだろう。

「正義よりも利益」。そんなアメリカの登場で世界の秩序は大きな転換点を迎えている。

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