オーストリア

ヨーロッパで極右の元首が誕生するのか注目されたオーストリアの大統領選挙。

リベラル系・緑の党のファン・デア・ベレン元党首が、極右・自由党のホーファー氏に勝利した。

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自由党は戦後に元ナチス党員らが旗揚げし、自虐史観の是正や排外主義を訴えて1980~90年代に党勢を伸ばした。今回は無党派層を取り込むため、過激な言い回しを封印。ソフト路線を演じて、寛容な難民政策を掲げるリベラル系を猛追した。「反エスタブリッシュメント、反難民」がキーワードだった。

オーストリアには、私も何度か行ったことがある。最初は湾岸戦争の取材を終えた帰路、飛行機の乗り継ぎのためウィーンに入った。1泊2日の時間があったため、レンタカーを借りてザルツブルクまで車を走らせた。冬だった。モーツァルトのカセットテープを買い、それを大音量で聞きながら霧がかかったザルツブルク郊外の農村を走った。中東の喧噪の中で3週間過ごした後だったこともあり、オーストリアの自然に魅了されたのを今でもはっきりと覚えている。

ボスニア戦争の取材でもウィーンから列車でユーゴスラビアに入った。列車の中では、ウィーンの秋の味覚「シュトルム」を飲んだ。半発酵状態のワインで、甘酸っぱい発砲ワインのような味わいだ。現地に住む日本人は「どぶろく」と読んでいた。

家族でスキーに行ったこともあった。山の中腹にトンネルが掘られ、そこをケーブルカーで上っていく。着いたところはアルプスの山中に作られたすり鉢状の広大なスキー場だった。

いずれにせよ、とても魅力にあふれた国だ。

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そのオーストリアを舞台にした映画と言えば「サインド・オブ・ミュージック」が有名だが、この映画では、ナチスドイツによるオーストリア併合に反対する軍人一家がアルプスを越えスイスへと亡命する。実話をベースにしたミュージカルだが、実際には多くのオーストリア国民がドイツとの併合を歓迎したと言われている。

シリアなど中東からドイツを目指す難民たちが大量に流れ込んだオーストリアで、今また極右思想が広がりつつある。今回は負けたとは言え、国民の約半数が極右の大統領候補を支持した。

来年予定されているフランス、ドイツ、オランダの選挙はどのような結果が待っているのだろうか。

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