なおみ全豪制覇

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すごい試合だった。

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大坂なおみが全米に続き、全豪オープンでも優勝し、世界ランキング1位に躍り出た。アジア人として男女通じて初めての快挙だ。

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相手は世界ランク6位、チェコのペトラ・クビトバ。ウィンブルドンを過去2回制した強豪だ。

クビトバのことは全然知らなかったけれど、彼女は2011年に世界ランク2位となるなどトップ選手として活躍していたが、2014年自宅で不法侵入した男に襲われ利き腕の左手に重傷を負うという悲劇に見舞われた。

どん底から再びグランドスラムの決勝まで復活したクビトバには、凄まじい気迫がみなぎっていた。

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第1セットは両者サービスゲームを譲らず、タイブレークにもつれ込む。今日の大坂なおみは終始落ち着いてミスも少ない。次第に自らのペースに持ち込み、大事なセットを奪う。

第2セットも大坂がまずブレーク、優位に立つ。そして5−3で迎えた第9ゲーム、大坂は0−40とクビトバを追い込み、チャンピオンポイントを迎える。

勝った、と思った。おそらく、大坂なおみも勝利を一瞬確信しただろう。

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しかし、クビトバはここから信じられない反撃を見せる。ここから5ポイントを連取してこのゲームをキープすると、次の大坂のサービスゲームをブレイク。すると冷静だった大坂なおみのメンタルの弱さが噴出する。ラケットを叩きつけ、目から涙が流れる。

勝利を確信した次の瞬間に突然変わった流れ。大坂は何が起きたのか理解できないように、混乱した。抑え込んでいた幼子のようなメンタルが彼女を支配した。こうなると大坂は信じられないほど脆い。続けざまに4ゲームを連取され、第2セットを失う。

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ほぼ手中にしていたビッグタイトルは、一瞬のうちにクビトバの方に近づいていた。

大坂は心を落ち着かせるため、頭にタオルをかけてトイレへと消えた。そしてコートに戻ってきた大坂は、再び冷静さを取り戻していた。第1セットのように、小刻みなフットワークを踏み、自らを落ち着かせる。

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ハラハラしながら見守る観客をよそに、大坂は立ち直った。

クビトバのサービスゲームで0−40のブレイクポイントを握りながら再び逆転を許した時も、第2セットのように冷静さを失うことはなかった。最後までベストを尽くし、そして勝った。

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勝利を収めた瞬間、大坂なおみはガッツポーズを見せることもなく、静かにコートにうずくまった。弱い自分に打ち勝ったことを、噛み締めているように私には見えた。

全米ではセリーナを応援するスタンドの観客たちに「ごめんなさい」と詫びた彼女は、全豪でも喜びを体で表すことはなかった。表彰式でも戸惑ったように振る舞い、試合中とは打って変わって怯えた動物のようだった。

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選手生命が絶たれるような大きな怪我から復活したクビトバの前で、無邪気に喜ぶことは不適切と考えたのだろうか?

彼女の振る舞いは、紛れもなく日本人的だった。彼女の中に流れる血があのような振る舞いをさせるのか?

大坂なおみはまだ若い。もっと素直に喜びを全身で表しても誰も文句は言わないだろう。

でもそんな奥ゆかしい大坂なおみは、素敵だ。

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これから彼女はもっともっと強くなる。絶対女王と呼ばれる存在になるだろう。

その時、彼女の控え目な態度や今日試合中に流した涙はきっと伝説となる。

いよいよ大坂なおみ時代がやってくるのだ。

おめでとう、なおみ。

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