<吉祥寺残日録>岡山の家の床下をシロアリ業者と大工さんに見てもらった #211116

岡山への帰省2日目。

先月と違って畑まわりの仕事がずっと少ないので、気持ちにとても余裕がある。

先月摘んで納屋に置いておいた富有柿がすっかり熟して、半分以上は処分せざるを得ないほどグジュグジュになっていた。

まだ食べられそうな柿を選り分けて、その中でも一番熟したものを食べてみた。

富有柿はどちらかといえば硬めのイメージを持っていたのだが、時間が経てばこんなジェル状のずくし柿になるんだということを知った。

甘さも硬い時よりもずっと糖度が増している。

干し柿にするような渋柿の「西条柿」の方が美味しいが、来年以降、「富有柿」もなるべく柔らかくなるまで待ってから食べることにしよう。

そんな朝食を済ませて、草刈機を持って桃の木が植えてある小さな畑に向かった。

ここは10月には手が回らず、雑草がそのままになっている。

ちょっとオレンジ色のような穂が付いているのは「チガヤ」というイネ科の雑草だ。

この畑では、セイタカアワダチソウとこのチガヤ、さらにはススキがそれぞれの縄張りを持ち、壮絶な覇権争いをしていた。

この背の高い3つの植物たちの間に、赤い実をつけた植物が隠れている。

可愛らしいその実とは裏腹に鋭いトゲを持っている「ノイバラ」だ。

このトゲがチクチクと痛いだけではなく、虫除けのネットがついた私の帽子に絡まってくる。

草刈りだと地面ばかり見て作業するのだが、斜面ではこの「ノイバラ」が私の頭ぐらいの高さに枝を伸ばしていることがあり、一度引っかかるとそのトゲ地獄から抜け出すのに苦労する。

さらに茂みの中では、「ひっつき虫」の代表格「ヌスビトハギ」も潜んでいる。

おかげで、草刈りが終わると私にズボンはまたまたこの有様。

この事態を想定して、今朝はGパンではなく表面がツルッとしたズボンを履いて行ったのは正解だった。

ズボンにくっついた種子を取ってくれた妻は、「こっちのズボンの方が簡単に取れる」と私のズボンの選択を褒めてくれた。

1時間半ほど雑草と格闘し、終わったが終わったのは10時半。

畑は見違えるようにすっきりした。

集落もよく見えるようになり、やはり背の高い雑草がなくなると気持ちがいい。

雑草の中に埋もれたまま一年を過ごした桃の木が姿を現した。

今年は桃の実は全然できなかったようで、これも栄養を雑草に奪われたからかもしれない。

下からの雑草だけではなく、桃の木の天辺まで、つる草が絡みついて実をつけている。

桃の実はならず、つる草の実がなるとはなんたる理不尽。

来年はしっかり草対策をして、できることなら自分の手で桃を収穫してみたい。

桃の枝を見ると、新しい芽がたくさん付いているので、木は生きているようだ。

桃の世話はどうすればいいのか全く知らないが、少しずつこれも勉強していこう。

覚えることが実にたくさんある。

家に帰ると、妻は庭木の剪定をしていた。

東京ではやるべきことが少なくてちょっと体調を崩しがちな妻だが、岡山に来るといくらでもやることがあるので、ちょっと楽しそうだ。

私も手伝って、脚立に登って背の高い木の剪定作業を行う。

昼飯前にもうひと仕事。

先月オリーブの木を植えたお墓近くの小さな畑にミニ耕耘機を持ち込み、雑草だらけの土地を耕してみることにした。

耕耘機のパワーを過信して、草がいっぱい残ったままの畑を耕したところ、地中に埋まっていた雑草の根がローターに絡みついてしまった。

それで耕耘機が動かなくなったわけではないが、怖いので、少し耕してはローターに絡み付いた根を取り除き、再び耕すということを繰り返した。

そうして何度も耕耘機を傾けて絡みついた草を除去していると、今度はエンジンから白い煙が出始めて慌てて耕耘機をストップした。

どうやら傾けた時にオイルがエンジンに入ったことが原因のようで、そのまま恐る恐る作業を続ける。

そうしているうちにお昼になり、妻が私を呼びにきた。

なぜならお昼過ぎには、大工さんたちが家を見に来る予定になっていたからだ。

作業は午後1時半から始まった。

以前、この家の水道まわりを直してもらった水道屋さんがとてもいい職人さんだったので、他に気になるところの修理も相談したところ、知り合いの大工さんとシロアリ業者を連れてきてくれたのだ。

一番心配なシロアリに食われた床下を確認してもらうためである。

タンス部屋になっている奥の6畳間の畳を上げて、大工さんが床下を覗き込む。

築100年の家なので、コンクリートの基礎などはなく、地面に石を置きその上に柱が立てられていた。

そして床下の骨組みは実に貧弱で、薄い板を敷いただけ、断熱材なども当然ない。

そして案の定、脆弱な床下を支えている板がシロアリに食われていた。

大工さんが部屋の中から目視している間に、シロアリ業者の人はいつの間にか床下に潜って下から被害状況を確認している。

床下などこの家が建ってから100年ほとんど掃除もしていないだろうに、お仕事とはいえ、申し訳ない気がする。

シロアリが食べた跡は、素人の私が見ても痛ましいばかりで、少なくともこの部屋は床の張り替えが必要なようだ。

しかし幸いだったのは、柱が食われていなかったことと、シロアリはすでにこの家からいなくなっている可能性が高いことがわかったことだ。

どんどんシロアリの被害が広がっているということではないらしい。

おそらく、シロアリ対策の薬を施してもらった上で、必要な部分の床を直すことになると思うが、どうせ床を直すならば奥の部屋はフローリングにして床暖房をつけることも検討したい。

さらにシロアリに食われたあたりにトイレを増設することも考えてみることにし、いくつかのプランで見積もりを作ってもらうことにした。

打ち合わせが一段落した頃に、床下に潜っていたシロアリ業者さんが這い出してきた。

床下を這い回るために専用の作業服があるようで、玄関を出たところにシロアリ業者さんが脱ぎ捨てた作業服と長靴が脱いだままの形で置かれていた。

世の中にはいかにもしんどそうな仕事がいろいろあるが、シロアリ業者というのも大変な仕事だと痛感する。

とても感じのいい職人さんばかりだったので、いろいろ相談しながら身の丈にあったリフォームを行って、築100年の古民家を住みやすい家に少しずつ変えていきたいと思う。

<吉祥寺残日録>2週間の岡山帰省を終えて「ひっつき虫」のお話 #211021

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