今年一番の猛暑となった3連休。
小学6年生の孫娘が我が家に泊まりに来た。
食べたいものを食べさせ、やりたいことに付き合う。
そういうコンセプトで2日間みっちり孫娘と遊んだ。

身長が150センチを超え、妻と同じくらい大きくなった孫娘。
海とかプールとかショッピングとか、行きたいところに連れて行ってやろうと思って「どこか行きたい?」と聞いたところ、帰ってきた答えは動物園だった。
昔遊びに来た時に連れて行った「井の頭自然文化園」のことを憶えていたらしく、随分お手軽なリクエストが帰ってきた。
体は大きくなっても、まだまだ子供である。
暑さが多少おさまってくる閉園間際を狙って午後4時ごろに動物園に駆け込んだ。
井の頭自然文化園の閉園時間は午後5時で、4時までにチケット売り場に辿り着かなければ中には入れてもらえないらしい。

あげた小遣いで漫画が買いたいというのでブックオフにも連れて行った。
お目当ての本を探すのにすごく時間がかかり、腰掛ける椅子もないコミック売り場でなすすべもなくただ孫娘が本を選ぶのをひたすらに待つ。
我が家も子育て中には息子たちによく漫画を買い与えたものだが、あの頃は息子たちが好きな漫画のタイトルもある程度わかっていたのでお目当ての本を見つける手伝いもできたのだが、孫娘の代にあるともはやどんな漫画を読んでいるのかさっぱりわからず、並んでいるコミック本の背表紙を見ても知っているタイトルはほとんどない。

「食べたいものは?」と聞くと、ガレットが食べたいと想定外の答えが返ってくる。
これも以前来た時に井の頭公園内のカフェで一度食べさせたことがあり、それがとても美味しかったらしい。
子供というのは同じものを食べたがる傾向があるのである。

でも私としては、孫娘をダシにオヤジ一人では行きにくい店に行ってみたいと、かき氷の人気店を偵察に行った。
ドンキホーテ裏にあるかき氷専門店「氷屋ぴぃす」。
暑い日にはもってこいだと思って行ってみると、ものすごい混雑で、店内の予約はすでに一杯、テイクアウトの行列がビルの外まで伸びていた。
この暑いのにご苦労なことである。
ということで、かき氷は断念して孫娘が買ってもらったことがないというホールケーキを探しにアトレに行った。

選んだのはフランス発祥の洋菓子店「FLO PRESTIGE」の「ショコラアメール」(3000円)。
いつも迷ってなかなか決められない孫娘が珍しく一発でこのチョコレートケーキを選んだ。
家に持ち帰り半分にカット、それをさらに三等分して私と妻、孫娘の3人でいただいた。
孫娘はこのケーキがとても気に入ったようで、フォークで少しずつ無くなってしまうのを惜しむようにチビチビと食べていた。
残りの半分はお土産として保冷剤をたっぷり入れて家に持ち帰らせることにした。

そのお返しというわけではないが、孫娘は家からきな粉を持ってきて自分でデザートを作ってくれた。
砂糖を加えたきな粉に少量の牛乳を加えて練り上げたうえ、冷凍庫でしばらく凍らせるだけのシンプルなお菓子である。
まだまだ子供ではあるが、すでに11歳、自分の好きなデザートを日常的に作るようになったようだ。
きな粉のデザートは甘さ控えめで素朴な美味しさがある。
そのまま食べても美味しいが、朝ヨーグルトに混ぜていただくと一段と大人の味がした。

1泊2日の滞在中、孫娘と最も多くの時間を費やしたのがゲームだった。
ゲームと言ってもテレビゲームではなく、トランプやUNO、バックギャモン、五目並べ、三角ドミノなど昔ながらのゲームである。
これなら私たちも一緒に遊べるのだ。
小学6年生ともなれば、もはや一人前で手加減の真剣勝負が楽しめる。
昨日の10時半ごろ我が家に到着してから今日の午後3時半ごろ帰宅するまで、ほとんどの時間をゲームに費やした。
おかげで普段使わない脳の部分が活性化され、とても良い脳トレとなった気がする。
手強い孫娘に勝利するため、こちらもだんだん手段を選ばずあの手この手を繰り出していると、最後には孫娘から「じいじ、性格悪い」と言われてしまった。
ある程度成長した子供たちには手加減はせず、全力で勝ちにいくというのが私流の子育て術だ。
そうやって息子たちとも遊んできた。
それが良かったか悪かったかはわからないが、その方が自分も楽しいし、わざと負けてやるよりは子供たちにとってもいいのではないかとずっと信じている。
孫娘が帰るとドッと疲れが出た。
夏休み、暇だったらまたいつでもおいで。
そう言って、家路につく孫娘の後ろ姿を見送った。
クソ暑い3連休、でも楽しい2日間であった。