<吉祥寺残日録>岡山帰省5日目、大雨警報が発令される中で伯母の入院を相談しエアコンを購入した #210708

東京に4度目の緊急事態宣言発出が決まった日、中国地方は記録的な大雨に見舞われた。

普段は雨が少ない「晴れの国」岡山でも大雨警報が発令され、梅雨前線による集中豪雨が続いている。

私が滞在している伯母の家にも、昨日から断続的に強い雨が降り注いだ。

瓦屋根や板塀、庭の松といった昔ながらの日本の風景は、雨の日にはとてもよく似合う。

昨夜は特に激しい雨が降り、妻はその雨の音でなかなか眠れなかったらしい。

それでも前の日に比べると多少眠れたようで、朝5時半ごろに夫婦で起き出し、家の片付けで出た大量の燃えるゴミを出しに行った。

大雨が降り続く中、重いゴミ袋を抱えて家とゴミ集積場を何度も往復した。

古い公会堂の前がゴミの集積場になっている。

この地区では燃えるゴミが月曜と木曜、資源ゴミが第3水曜が収集日となっているらしい。

吉祥寺のマンションでは敷地内のゴミ捨て場にいつでもゴミを捨てられるので、ゴミ捨ての曜日を気にしたのは久しぶりだ。

認知症が進んだ伯母の介護をどのように進めるのか?

その方針を決める上で、今日は一つの大きな節目となった。

午前9時に伯母のかかりつけ医を訪れ、新たな病院への紹介状を受け取った。

もはや伯母には一人暮らしは危険ですぐに入院して治療を受けるべき、というのが長年伯母を診てきたお医者さんの見解である。

この意見は私たちにとってとても重い。

紹介状の宛先であった岡山市内の「河田病院」を訪ねる。

まずは伯母を連れずに、入院や検査が可能かどうかを相談することが目的だった。

この病院は精神科や心療内科を主とする病院で、認知症の治療も積極的に行っているという。

受付で紹介状を出して相談したい旨を伝えると、病院に所属するソーシャルワーカーの女性が私たちの話を聞いてくれることになった。

伯母の認知症の症状や入院治療が必要というかかりつけ医の見解などを詳しく伝えると、来週月曜日に検査と診察を受ける予約を入れてくれた。

これでいよいよ、施設介護への第一歩を踏み出すことになる。

果たして頑固な伯母を病院まで連れて行けるだろうか?

この日もう一つ、大きな変化があった。

伯母が頑なに拒んでいたエアコンの設置を、ついに承知させたのだ。

伯母の家にはエアコンがない。

古民家なので夏は比較的涼しいとはいえ近年の猛暑ではさすがに我慢の限界を超える。

さらに冬は厳しく、底冷えがするのだ。

「エアコンをつけようよ」と何度も提案したが、伯母の答えはいつも「そんなもんいらん」。

しかし今回、私たち夫婦が長期で泊まったので、「おばちゃんはいらんと思うけど、俺らはエアコンが欲しいのよ。付けていいか」と尋ねたところ、伯母は初めて「好きにすりゃええが」とすんなりと許可を出してくれたのだ。

私はすぐに妻と連れて東岡山にある「ヤマダ電機」に車を走らせた。

果たして築100年の古民家にエアコンは設置できるのか、お店の人と相談するためだった。

事前に電話で概略を伝えると、壁面の構造やブレーカーの状況などを調べてきて欲しいと言われ、設置予定場所の室内、屋外、さらにブレーカーも写真に収めてからお店に行った。

大雨が降り続いているため、家電量販店の中はガラガラだった。

店員さんに設置場所のサイズは82センチを伝えると、左右に5センチずつ必要なので「設置できる機種は富士通ゼネラルだけだ」と教えられた。

選択肢が少ないため迷うこともなく機種選びは終わり、設置が可能かどうか下見をし可能であればその日に設置し合わせて電気工事も行うことになった。

もし設置が不可能ということになれば、全額返金してくれるという約束で機種代と工事費15万円余りを支払い、工事は今週の土曜日に決まった。

ついに伯母の家に懸案だったエアコンがつくかもしれない。

今回の帰省では毎日いろんなことが起きるが、今日はかなり手応えを感じた1日だった。

エアコン設置と伯母の入院。

「どうかうまく行きますように」と、ただただ祈るしかない心境である。

<吉祥寺残日録>岡山帰省6日目、高齢者の生活ぶりを観察する #210407

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