日本列島を縦断する予報の台風14号。
今朝起きると、中心の気圧は910hPaと猛烈なスーパー台風へと成長していた。

予想進路も若干南にそれ、岡山に近いルートを通るみたいだ。
ただし、スピードが遅いため三連休の前半は岡山にはまだ大きな影響はなく、義父母が施設に入所する日曜日の台風直撃は避けられそうである。
それでも手伝いに来ている妻の妹たちは台風が最接近する予定の19日に東京に戻る予定なので、スケジュールの見直しも必要になるかもしれない。

そんな猛烈な台風が北の空気を呼び込んでいるせいか、今朝は曇り空で空気もとてもひんやりして感じられる。
このくらいの気温だと農作業をするにも楽である。

今朝のミッションは、夏の間に急成長したクズに日光を奪われたクリの木を救出すること。
クズはマメ科の多年草で、長いつるを伸ばし近くの木に這い上り、ついにはクズの葉がクリの木をすっぽり覆い隠して、どぎつい印象の大きな花をたくさん咲かせる。
これではクリが育つはずがない。

早速クズの蔓を力まかせに引っ張って、クリから引き剥がそうとする。
細いつるは簡単にちぎれて芋づる式に除去することができるが、つるが太くなっていると人間の力で引っ張ったぐらいでは切れてくれない。
こういうこともあろうと持ってきた刈り込みバサミで太いつるを切っていく。

こうしてしばしクズと格闘し、ようやくクリの木の全体像が見えてきた。
クズの葉が取り除かれてしまうと、あんなに生い茂っていた薮が急にスカスカになってしまった。
クリの実もいくつか残ってはいるが、その数はわずかである。
イガが茶色くなって4つに割れ、中からクリの実が顔を覗かせるまでにはもうしばらく時間がかかるようだ。

クリの木の奥にはユズの木があるのだが、こちらも完全にクズに覆われて太陽を遮断されていた。
ユズの木の下から上を見上げると、空がクズの葉に覆われ昼間でも薄暗い。
こんなんじゃ、冬至の柚子風呂も楽しめない。
しかしユズの木は高いので、その上を覆うクズを取り除こうと思っても手が届かないのだ。

どうすればいいか思案していると、裏の斜面に太く成長したクズの幹を何本も見つけた。
こいつらを切断すれば、樹上のクズも枯れるだろうと考えた。
刈り込みバサミで切れそうな幹はすべてカットしていく。
このまま来月まで様子を見て、もしも樹上のクズが枯れていれば、繋がっていたことになる。
ただ刈り込みバサミでも到底切れそうにない太い幹もあり、こいつは後ほどチェーンソーを持ってきて切らねばなるまい。
来年は、もっと早い時期にクズをやっつけてクリとユズを守らねばならないと決意する。

そんな日の昼過ぎ、大阪に住む次男が一人で岡山までやってきた。
奥さんと子供たちは、連休を利用して東京の実家に里帰りしたので、施設に入る義父母の顔を見ることと私たちの農作業の手伝いをすることを目的にわざわざ来てくれたのだ。
嬉しいことではあるが、「雨男」として通っている次男が台風と共にやってくるということは過去にも何度かあり、相変わらずの「雨男」ぶりに感心してしまう。

まず取りかかったのはブドウ畑のお片付け。
収穫にあたって切り落とした蔓を集めて捨てにいくのだ。
低いブドウ棚の下での作業は意外にきつい。
それでも次男はまだ30代後半なので、動きがいい。
みるみるうちにブドウ棚の下がきれいになっていく。
この作業は腰にくるのだ。

作業を始めてまもなく雨が降り始めた。
でも強い日差しが降り注いだ昨日までに比べればずっとコンディションはいい。
重労働を息子にやってもらったおかげで私の作業量は3分の1、いつもよりずっと楽にブドウ畑の片付けは終わった。

集めたブドウの蔓や葉を、ゴミ捨て場として使っている別の畑に運んでいく。
息子を案内しながら2台の一輪車を連ねて行うと、普段は重く感じるゴミの袋もいつもより軽く感じるから不思議だ。

結局、ブドウ畑とゴミ捨て場を2台で2往復。
あっという間にこの日のミッションを完遂した。
ゴミ捨て場の帰り道、お墓の畑に立ち寄って最後のキュウリを収穫し、息子に先祖の墓の説明をしたりした。
昔はご先祖様などには全く興味を示さなかった息子が、初めて自分のルーツのことを知りたいと思ったようだ。
社会人としても中堅を迎え、社会の荒波に揉まれている次男。
だいぶ大人になったなと感じつつ、わざわざ手伝いに来てくれたことに感謝した楽しい1日であった。
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