<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 父の命日に私の母がお墓参りに来なかった理由 #221216

今日は私の父の命日である。

今から15年前、くも膜下出血で突然倒れた父は3週間の闘病の末、2007年の今日、12月16日に息を引き取った。

奇しくもこの日は父と母の結婚記念日でもあった。

父の死後、毎日仏壇に話しかけ、お供えの花にこだわり、父が毎日飲んでいたアイスコーヒーを仏前に供えるのが母の日課となった。

そしてお盆やお彼岸とともに父の命日の頃にお墓参りに行くことも、母にとっては15年間変わらない年中行事だった。

だから、私たちが帰省している間にお墓参りに連れて行ってあげるつもりでいたのだが、電話で「いつにする?」と聞いた時、意外な答えが返ってきた。

「今年はやめとこおうかな」

私は思わず「どうしたん?」と聞き返すと、母は血圧が200を超えたことを教えてくれた。

もうすぐ90歳を迎える母は、歳のわりにとても若く見え、実際に一人で買い物にも出かけ毎日布団の上げ下ろしも行っている。

健康番組の熱心な視聴者で、身体にいいと聞くと食事や体操、通販までいろんなものを取り入れて健康長寿を目指しているのだ。

さまざまな健診も欠かさず受けていて、高血圧の治療も定期的に受けているのだが、どういう理由かこのところ血圧が高くなったのだという。

母としては200という数値はかなりショックだったらしく、すぐにかかりつけのお医者さんに診察を受けたのだが、そこでも血圧がいつもよりも高く、新しい薬を処方されたのだそうだ。

私が電話をかけたのは、ちょうど新しい薬を飲み始めた日だったようで、この薬の塩梅がわかるまで外出を控えようと考えたらしい。

今週に入って急に寒くなったし、相変わらずコロナも流行っているので、無理に墓参りなどで身体を冷やすことはない。

私もすぐに納得し、母から1万円のお花代を預かって代わりにお墓参りをすることになった。

私と妻は帰省してすぐにお墓に参っているので、お墓には多少花も残っているが、母のお金を使ってホームセンターで改めて花を買い、再びお墓参りをする。

あまり多すぎても挿せないと思い、3000円分だけお花を買い求めた。

母は必ず何かお供えのお菓子を用意していくのだが、墓参りの直後にカラスがお墓に集まり、一瞬のうちにお菓子を持ち去るのを見ているので、馬鹿らしくてお菓子を置く気になれなかった。

代わりに納屋で余っている柿を一人1個ずつお墓に置いていく。

柿ならば、村のあちらこちらにたくさんの実がそのまま残っているので、カラスたちも珍しくなかろうと考えたのだ。

来週でもまた母のマンションに行った時に証拠としてお墓の写真でも見せてあげよう。

それにしても、元気だった母も来年3月で90歳になる。

一人で身の回りのことができるうちは父との思い出が詰まった今のマンションで暮らすことを希望しているが、そろそろ一人暮らしも心配な年齢ではある。

私も弟もそれぞれの子供たちも、ほとんどが東京で暮らしているので、母には東京に出てくる気がないかと何度か尋ねてみたが、今のところは一人で大丈夫と笑いながら答えるのが常である。

まあ、元気なうちは本人の好きなようにすればいい。

伯母の場合も、義父母の場合も、異変は突然現れるものだ。

その時慌てないように、心の準備だけはしておきたい。

私と弟ではかなり死生観が違いそうなので、いざとなったら意見の相違が出るかもしれないが、その時の状況を踏まえて判断するしかないだろう。

おかげ様で、老人介護についてそれなりの知識や人脈はここ数年でできたので、来るならドーンと来いという心境である。

人生の最終盤を迎えつつ親たち。

100%満足とはいかないが、その人に合った見守りを出来るだけしてあげたいと思うばかりだ。

命日

コメントを残す