大阪に住む2人の孫娘が1泊2日で岡山に遊びにきて、元気いっぱい活動して無事に親元に帰っていった。
とても楽しい時間だったが、かなり疲れたというのも正直なところだ。

今回のメインイベントは、サツマイモの収穫だった。
先月、別の畑に植えていたサツマイモが非常に貧弱だったので、「イモ掘りにおいで」と声をかけたものの、どんな芋ができているのか私にも見当がつかなかった。
もしも、全然サツマイモができていなければ、じいじとしての面目丸つぶれである。

掘り始め、上の子がサツマイモの蔓を引っ張ったが、細い根が抜けただけで肝心のイモがついていなかった。
「やばい!」
慌てて、スコップで畑を掘り返す。
すると、サツマイモ独特のあの赤褐色の色が土中から現れた。
「おっ! 意外にでかい」
と思って、さらに周辺を掘っていくと、出てくる出てくる、大きなサツマイモが次々に顔を覗かせたのだ。

最初のうちは反応が薄かった孫たちも、大はしゃぎで土の中からサツマイモを掘り出し始めた。
ただ、黒マルチをはいだサツマイモの畝にはダンゴムシやゲジゲジのようなのまでたくさんの虫が蠢いていて、孫娘たちは「キャーキャー」と声を上げて逃げ惑う。

それでも表面の虫が見えなくなると、イモ掘りに熱中し始め、次々に土の中からサツマイモを見つけ出してくれた。
店頭に並んでいるサツマイモと比べると、形や大きさがバラバラで不恰好なものも多いが、初めての栽培としては上々の出来栄えである。

今年は、ホームセンターで購入した苗1束を3つの小さな畝に植えただけだったが、そのうちの1つの畝だけでも籠いっぱいのサツマイモが収穫できた。
これはタマネギ、ジャガイモに次ぐ、今年の成功例と言ってもいいだろう。

ただ、イモ掘りの最中、サツマイモと同じ畝で育てていたショウガを妻が誤って抜いてしまった。
ショウガは本来、11月に収穫する予定だったのだが仕方がない。
ショウガは季節ごとに、夏に収穫すれば葉ショウガ、秋に収穫すれば根ショウガとなる。
もう少し土の中に置いておきたかったが、根元には瑞々しい新生姜ができているではないか。

残念なことに、新しくできたショウガは、元の種芋よりもサイズが小さく、これではわざわざ時間をかけて育てた意味がない。
ショウガの場合、元の種芋も食べることができるそうだが、どうもお得感がない感じで、今年のショウガ栽培は終了した。

早速、孫たちと一緒に掘り立てのサツマイモを食べてみた。
妻の調理法は、サツマイモをスライスにしてただフライパンで焼くだけのシンプルなものだ。
うちの子供たちも全員、このサツマイモの焼き芋が大好きだったが、孫娘たちも大喜びで何枚もうまそうに食べてくれた。
実際に甘くて、私的には店頭のサツマイモよりも美味しいと感じたほどだ。

孫娘たちはサツマイモを家に送って欲しいと言うので、ブドウと一緒に宅急便で大阪に送ることに。
さらにこの後、大学の同期連中と一緒に北海道の友人宅に遊びに行きバーベキューをする予定なので、そちらにも掘り立てのサツマイモを送ることにした。
自宅用に吉祥寺にも箱詰めし、残ったサツマイモは土がついたまま新聞紙で包み、納屋で常温保存することにする。
サツマイモは長期保存に適した作物らしく、このノウハウをマスターすれば、来年以降もう少し栽培する量を増やしても自分たちで食べることができるようになるだろう。

孫たちとは、バドミントンをしたり、ゴルフのパターで遊んだり、トランプやUNOといったゲームをしたり、散々遊びに付き合わされた。
エネルギーに満ち溢れる子供たちのリズムは、夫婦2人の隠居暮らしとはかけ離れている。

今日の午後、駅まで送り届け、お土産を買うのを見届ける。
そして、あらかじめ予約したある新幹線に無事に乗るのを確認して、新大阪で待つ次男夫婦に連絡した。
これでじいじとしてのお役目御免だ。
2人の孫娘たちを見送った後、私も妻も疲れがドッと出た。
孫は来て嬉し、帰って嬉し。
誰が言ったか知らないが、そんな言葉が妙に合点がいった。