<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 七夕の日、93歳の義父が突如入院した #220707

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今日は七夕。

台風4号が過ぎ去った岡山は、晴れたり曇ったり時折にわか雨が降ったりと定まらない天気だ。

太陽がのぞくともう真夏の日差しで、クラクラするほど暑い。

今年は6月から記録的な猛暑が続いた影響だろうか、妻の高齢の両親にも異変が起きた。

特に93歳の義父は6月末ごろからほとんど食事を食べられなくなり、先日会った際にも目に見えて痩せて驚いたほどだ。

義父は、あの歳の男性にしては珍しく、朝食に自分でオムレツを焼いて食べるようなマメな人だった。

ただ義母が病気をして以前のように炊事ができなくなると、「ワタミの宅食」で毎日届くおかずを食べ、ヘルパーさんがカットして冷蔵庫に入れてくれる果物をつまむというのが最近の食生活だったそうだ。

ところが先月末からは、そのお弁当にもほとんど手をつけず冷蔵庫に入ったまま処分されるということが続いていた。

辛うじて果物だけは口にするため、スイカやメロン、オレンジやブドウなどが冷蔵庫にいつでも食べられる状態で常に用意されているのだが、さすがにそれだけでは体重が減るのも無理はない。

おととい毎月往診に来てくれるかかりつけのお医者さんが、久しぶりに義父の姿を見て驚き、体重を測ると42キロしかなかったという。

義父は自分の体重は55キロぐらいだと私たちに語っていたが、それよりも10キロ以上痩せたことになる。

義父は一日中ベッドで寝ていて全く起きてこない日もあるという。

心配したかかりつけ医は昨日もやって来て義父に点滴をしてくれたのだが、もう在宅は無理ではないかと妻には語っていたそうだ。

そのため妻は、父親が老衰で今月中にも亡くなるのではないかと考えるようになった。

もともと89歳の義母の方が病気をしたせいで介護度が高く、かつてのように夫の面倒を見ることはできない以上、二人揃って施設に入った方がいいというのが妻の考えなのだが、4人兄弟で考え方がまちまちのようで、弟や妹と意見が合わず悩んで私に愚痴をこぼしている。

こうしたことから今月岡山に帰省してから、妻は毎日のように実家に通っている。

今朝は8時ごろ妻を送って妻の実家に行くと、義父が一人ダイニングにいて自分で朝食の用意をしているところだった。

昨日の点滴が効いたのか、少し元気を取り戻したように見えた。

私は妻に頼まれた通り義母の部屋に置いてあった簡易トイレを義父の部屋に運ぶ手伝いをしただけでお暇したのだが、その後妻がかかりつけ医に電話して検査の結果を聞いたところ、医師からは強く入院を勧められたという。

二人暮らしはもう無理だと言われたらしい。

そして事態が急変したのは午後2時ごろ妻を迎えに再び実家を訪ねた時だ。

かかりつけ医の診断結果を受けて、義父が市内の病院に入院することになったという。

義父も入院に乗り気なので、私の車に妻と義父を乗せ病院に連れて行って欲しいと言われた。

病院に着くとまず車椅子に乗せられ、最初にPCR検査、続いてレントゲンとCT、さらに血液検査と心電図と入院前の一連の検査が行われ、ようやく病室へと案内された。

義父はさすがに疲れたようで、すぐにデッドに寝転がり点滴を受けたようだ。

担当の医師から検査の結果が伝えられ、予想したほどの問題はなく脱水症状もさほど酷くはないとのことで直ちに命の危険はないとのことだった。

特別なことがなければ数日で退院できる見込みなので、それまでに家族で今後のことを話し合ってもらいたいと諭された。

認知症の伯母を入院させた去年の夏と同じ状況が、今度は妻の実家で発生している。

ある程度予想していたことなので、私も妻も特別慌てるということはないが、首都圏に住む妻の妹などは最後まで自宅で看取ってあげたいと当初入院には強く反対していた。

再びコロナの流行が広がり始め、今入院すると二度と会えなくなるという心配も理解できる。

ただ私の立場で客観的に見れば、妻や医師が言う通り、二人だけで自宅暮らしを続けるのはそろそろ限界のように感じる。

兄弟が多いと親の介護の方針を巡ってどうしても考えの違いが表面化する。

最終的には2週に1回岡山に通い、中心的に両親の見守りをしてきた長男が判断を下すことになるだろうが、もしも在宅で看取るという判断になったら夜間の見守りをどうするのだろう?

去年の伯母のケースでは、私たち夫婦と弟夫婦の4人の話し合い、結局多数決で半ば強制的に伯母を入院させることになったが、たとえ死んでも伯母の好きなようにさせたいただ一人主張した私は、自分の気持ちを整理するのに時間がかかった。

妻の両親の場合には4人兄弟の考えが微妙にバラバラでどんな結論になるかまだ予断を許さない。

それでも遠くない将来、入院または施設という可能性が急速に高まってきたことは間違いないだろう。

昔に比べて様々な介護のオプションが用意された分だけ、家族の悩みも深くなる。

私は入院した義父よりも一人残された義母の様子が心配だったので、夕方会った時に「一人で大丈夫ですか?」と聞いてみた。

すると義母は「手を繋いで寝るような仲のいい夫婦と違って、うちはそれぞれ別の部屋で過ごしているので問題ありません」とキッパリと答えた。

かつて義母が入院した時、義父がいきなり廃人のようになったのとはあまりに対照的で、やっぱり女性は強いなと再認識させられた。

この先、妻の両親がどのような生活になっていくのか、今年最大のテーマに浮上したことだけは間違いなさそうである。

<吉祥寺残日録>岡山帰省12日目、妻の母親が倒れたとの報を受け病院に連れていく #210715

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