<吉祥寺残日録>定年後を考える😄 ドラマ「定年オヤジ改造計画」を見て感じたこと #220726

昨夜BSプレミアムで放送された郷ひろみ主演のスペシャルドラマ『定年オヤジ改造計画』。

番組表で気になって録画していたら、たまたま予告編を見た妻が「これ見たい」というので、結果的に妻と一緒にリアルタイムでこのドラマを視聴することになった。

物語の内容はほぼタイトルから想像される通りである。

郷ひろみさんが定年を迎えたダメオヤジに扮し、家事に育児に大奮闘!「子供は3歳までは母親が育てるべきだ」主人公・常雄(郷ひろみ)はそんな考え方の持ち主。だが定年してふと気づくと、妻(伊藤蘭)は「夫源病(ふげんびょう)」で車の助手席に座ることもできず、娘(成海璃子)からは「古くさい!キモ!」と言われ・・。定年オヤジと、長年虐げられてきた女性陣とのバトルを、笑いたっぷり&ハートフルに描きます!

引用:NHK

番組の冒頭は定年を迎えた主人公の歓送パーティ。

部下たちのおべんちゃらと共に見送られ、家では妻と娘が労を労ってくれる、人生最高の瞬間?

しかし幸せな時間は長くは続かず、家にずっと亭主がいる生活に疲れた妻は体調不良、医師からは「不定愁訴」と診断される。

要するに原因不明の病、明らかに夫が原因の「夫源病」であり、あれこれと指示する夫に妻は息苦しさを感じるようになる。

そんなある日、同期会で再会した昔の仲間たちにその悩みを打ち明けると、みんな似たり寄ったりの状況だということを知る。

定年後の有り余る時間をいかに過ごすか?

主人公の模索が始まる。

ちょっとこの主人公は「昭和オヤジ」すぎて、今時これほど奥さんを女中扱いする夫も少ないと思うが、女性の視点から描かれた定年オヤジの言動には私も思い当たる節がある。

原作は垣谷美雨さんのベストセラー小説。

単行本の帯にある「黙る妻、呆れる娘、耐える嫁 vs 鈍感すぎる男たち」の文字にドキリとさせられる。

「全女性に贈る“読むデトックスサプリ”」

「溜まっているもの、全部出せます!」

「これはもう世の中の旦那たちにぜひ読んでもらいたい。いや、読め!(笑)」

なかなか上手なコピーをつけるものだ。

確かに主人公の妻のように言いたいことを直接夫に言えない奥さんもきっと多いのだろう。

ところが、文庫本の帯を見ると、明らかにターゲットが変わっている。

「女が黙ったときは危険信号!」

「定年世代の新バイブル」

「鈍感すぎる男たち、変わらなきゃ長い老後に居場所なし!」

と、明らかにシニア男性読者向けのコピーに変わっている。

当初はストレスを抱えた女性向けと思って出版したが、意外に男性が購入していたということかもしれない。

我が家では、いつも妻から不平不満を直接ぶつけられているので、妻がストレスを抱えている時は比較的わかりやすい。

多くの場合、私が妻の話をまともに聞かず、適当に受け答えしている時に妻がキレる。

昔は子育ての相談、今は介護の相談が中心だが、私はこうした厄介事を妻に任せてしまう傾向があり、それが妻を苛立たせていることは理解している。

でも、先手先手で手を打とうとする妻と、様子を見ていざとなったら対応しようとする私とは常に考えに隔たりがあり、これは別人格なのでやはりどうしようもないのではと思ってしまう。

さて、ドラマの話に戻ろう。

主人公に大きな転機となるのは、孫の保育園の迎えを引き受けたことだった。

幼い子供2人を持つ長男の嫁が仕事に復帰することになり、長男は母親に保育園の迎えを頼みにくる。

しかし母親は体調不良を理由に断り、代わりに夫にその仕事をお願いしたいと言い出した。

「私には母性本能がない」と言って断ろうとする主人公。

しかし、娘や息子からも「どうせ暇なんでしょう」と言われ渋々引き受けることになったのだが、1歳児のおむつ替え、3歳児のカルタの相手、さらには子供たちが散らかした部屋の掃除や片付け・・・。

家でゴロゴロしていた主人公の生活は一変する。

普通だったらすぐに根を上げそうなものだが、この主人公はサラリーマンの仕事だと思って育児に取り組み次第に家族の信頼を獲得、保育園でも父母が抱える悩みを解決する存在になっていく。

このあたりからは小説で、実際には多くのオヤジが育児に根を上げそうな気がするが、それでも家事をサラリーマン時代の仕事だと思えば定年オヤジなりに役目が果たせるという希望をこの物語は与えてくれる。

やっぱり、夫婦は一定の距離を保ち、妻から相談事を持ちかけられたら面倒でも真剣に聞くことが大事なのだろう。

価値観の違う二人の人間が一緒に暮らしていると、いろんな問題が起きてくるのは当然だ。

最近ネットで目にした一つの記事についても触れておこう。

東洋経済オンラインに掲載された『「友達は妻だけオジサン」中高年男の超残念な現実 なぜ皆、口を揃えて「人付き合いがめんどくさい」と言うのか』という記事だ。

企業幹部や政治家など1000人の中高年男性のコーチングをおこなってきたコミュニケーション戦略専門家の岡本純子氏が指摘するシニア男性の問題について、この記事から引用させていただく。

 最近、「中高年男性の友達いない問題」が注目を集めています。

 コミュニケーションの研究家であり、リーダーの話し方の「家庭教師」をしている私は、日々、中高年男性たちに寄り添い、悩みを聞いていますが、そのなかで、男性と女性とでは「コミュニケーション」や「人付き合いのスタイル」には異なる傾向があることに気づかされます。

 それは確固たる科学的研究によっても裏付けされているのですが、年代や社会・文化的環境による差はあるものの、多くの国々で共通しており、「なぜ、中高年男性には友達がいないのか」といった記事はイギリスやアメリカのメディアにもしばしば登場しています。

 この傾向は、「独身かどうか」ということはあまり関係がありません。逆に結婚して家族がいることで忙しく、友達との付き合いがなかなかできなくなる人も多いのが実態です。

 まずは、「中高年男性に友達がいない」その事例をいくつか紹介しましょう。

 筆者の友人Aさんの夫は、コロナでずっとリモート勤務ですが、たまにひとりでごくごく短い時間、近所に買い物に出かけるぐらいで、本格的な外出も友達と会うこともゼロ。  「約3年間、ほぼ家にこもりきりで、私以外に話し相手がいない。仕事をしているうちは、まだ人とコミュニケーションがとれるからいいが、退職したあとは、どうするのだろう」と思案顔です。

 ワシントンDCに住むBさんは、アメリカ人の夫が「自分から友達をつくろうとしない」のが悩みのタネです。  まず彼女が友達をつくり、次に夫婦同士で会って、夫がその友人の夫と仲良くなる、というのが常套手段。彼女がすべてお膳立てをしなければならず、ため息が止まりません。  公民館や地域の集会所で開かれる高齢者向けのイベントに行くと、参加者のほとんどが女性で、「旦那さんはどちらですか?」と質問すると、「家にいる」「図書館にいる」と答えるか「空の上」と指差すのです。

 こもりきりの夫を見かねて、妻が最初に英語サークルに入り、夫を招き入れたうえで、「夫が馴染んだのを見極めて、自分は退会した」という人もいました。  旅先やレストランで、楽しげな中高年女性の集団をよく見かけますが、プライベートで男性同士というのは多くはありません。

 かくいうわが家も母は、習い事に毎日忙しくしていますが、父は数カ月に一度昔の友人と出かけたり、病院に行ったりする程度。家族がいなかったら、誰とも話さない状態になってしまうに違いありません。

引用:東洋経済オンライン

私はもともと人と群れるのは好きではないので、退職後1人でできること、夫婦でできることを中心に過ごしているのだが、これは別に特殊なことではなく世界的にもごく一般的な傾向だということなのだろう。

この傾向について専門家の分析が紹介されている。

 アメリカの心理学者トーマス・ジョイナーは著書『Lonely at the top』(頂上で孤独)で、男性がなぜ孤独になっていくのかを詳細に分析しています。

 「男性は成功と権力を追求する過程で、友人や家族を『当たり前の存在』とみなす傾向があり、女性に比べて『関係性を構築する努力』をしない。男の子同士の交流は、たとえば、スポーツや興味がある『モノ』を通じて成立しているため、それほど、『人』に対する気遣いをする必要がなく、関係維持にそれほどの熱意を注ぐことがない」のだそうです。

 一方、「女性は小さいころから、複雑な人間関係を読み解き、お互いの表情や感情を気遣いながら、共感関係を構築し、維持する訓練をしており、結果的に、男女の間で、対人関係の構築力に大きな差が出てしまう」と結論づけました。

 人類史をさかのぼって考えても、古来、男性は外に出て狩りをし、獲物を得ることが仕事であり、敵を出し抜き、勝ち残る「戦闘力」「競争力」は問われても、「会話力」「対話力」などは、さほど求められなかったわけです。

 男性は生まれた家族と一生を共にした一方で、女性は婚家に嫁ぎ、新しい人間関係を一から築かなければなりませんでした。そこで、子どもを産み育てるという過程でも、周りの支援を受けるための「協創力」が欠かせなかったのです。  女性は「つながる」ことに、男性は「勝ち抜く」ことに重きを置く傾向があると言えるでしょう。

引用:東洋経済オンライン

要するに、男性は観察力がなく、コミュニケーション能力が低いため、組織や仕事という利害関係なしに人間関係を築くことが苦手だということだろう。

男性でも無駄話が好きで、用がなくても居酒屋で同僚と愚痴ることを好む人もいるが、それは女性のコミュニケーションとは別物なのだろうか?

 男性になぜ「友達と会って話したりしないのか」と問うと、高い確率で「めんどくさい」という答えが返ってきます。

高名な人類学者であるイギリス・オックスフォード大学のダンバー教授は、高校から大学に進んだ学生を追跡調査し、「女性は、電話で話すことなどを通じて長距離の友情関係を維持することができるが、男性は一緒に何かをすることがなければ、関係を継続することが難しい」と結論づけました。  「男性にとって、サッカーを一緒にする、観る、一緒にお酒を飲む、といった共通体験がないと、関係を維持できない」というのです。ダンバー教授の言葉を借りれば、「(男性の友人関係は)去る者は日日に疎し」。

 女性がお互いの目を見ながら、向き合う(face to face)のに対し、男性はテレビでスポーツを観るときのように、互いに肩を並べて、共通の目的(スポーツや仕事、ゲームなど)のために、コミュニケーションをとる(shoulder to shoulder)スタイルと言われています。

 つまり、男性は物理的に時間を一緒に過ごす必要があり、その「目的」、つまり、何らかのきっかけやアクティビティがないと、関係構築・維持が難しい。「つながりをつくるためのハードル」が極めて高いということになります。お茶一杯や電話一本で維持できる関係ではないから、「めんどくさい」となるわけです。

引用:東洋経済オンライン

「めんどくさい」というこの感覚はとてもよく理解できる。

人間関係を持つことは元気な時は楽しいのだが、そうでない時には甚だ「めんどくさい」ものである。

若い頃は自分も友達も柔軟で、お互いの話で刺激しあい大いに共感できたのだが、歳をとると人それぞれの考え方が出来上がり、同じ話題について話していてもそれぞれ自分が話したいことばかり話していて相手の意見は聞いていないというようなことも増えてくる。

逆に意見が異なることについてとことん議論するとお互い意見を曲げず気まずい雰囲気になることさえある。

表面的な付き合い方をしている分には問題はないが、関係性が濃くなればなるほど意見の違いはトラブルに発展しがちだ。

人間関係は本質的に面倒なものなのだ。

人付き合いを面倒がる中高年男性にとって、妻という存在はどんどん特別なものになるのだという。

 「ひとり時間」は大いに楽しむべきですし、付き合いが多ければ多いほどいいわけでもなければ、「友達いない」=「孤独」ということでもありません。「ひとりでいること」と望まない「孤独」は別物です。

 いまの時代、ひとりで生きていく力は必要でしょう。ただし、楽しいはずの「ひとり」が、いつの間にか望まぬ「孤独」につながる可能性は否定できません。  問題は、本当は「誰かとつながりたい、話したい」、「寂しい」という気持ちがあるのに、それを無理に抑え込まなければならない状況です。  人は「何かにつながりたい生き物」です。うまく人とつながれず、不安を感じると、特定の人(たとえば妻や母親)、アルコールやあやしい宗教、極端な思想に「依存」したり、心身に影響が出たりという状況が生まれやすくなります。

 2019年5月のアメリカの女性誌『ハーパーズバザー』の「男性には友達がいない。だから、女性がその重荷を背負わなければならない」という記事にはこう書かれています。  「男性は、ほかの男性の前では、ストイックなロボットのようにふるまうことを求められ、親密な関係性を築けない。結果、(妻などの)女性が心の支えになり、依存するようになる」。そうやって、気がつくと「妻が唯一のつながり」であり、「社会への窓口」になっていたりするわけです。

引用:東洋経済オンライン

『楽しいはずの「ひとり」が、いつの間にか望まぬ「孤独」につながる可能性』

『気がつくと「妻が唯一のつながり」であり、「社会の窓口」になっていたり』

これらの指摘には謙虚に耳を傾けたい。

今のところ、私なりに工夫して「ひとり」の暮らしを楽しんでいるつもりだし、妻へ過度に依存しないように心がけているつもりだが、もっと歳をとって自由に動けなくなった時は危険だ。

それではどうするか?

岡本純子さんのアドバイスはこうだ。

 というわけで、中高年男性にとっては、友達づくりの負荷やハードルはかなり高いと言わざるをえません。

 「では、どうしたらいいのか?」と尋ねられた時、私は、「家族」「肩書」「会社」の3Kに依存するのではなく、「趣味」「仕事」「知り合い」の3つのSを大切にしましょうとおススメしています。

 束縛感のある関係性を無理につくろうとする必要もないでしょう。それよりも大切にしたいのは「見知らぬ人以上、友達未満のゆるい関係」。

 スナックや喫茶店などでの何気ない会話。顔見知りや近所の人とのちょっとした立ち話。病院の先生や行政の関係者、お店の人とのやり取り。

 コロナで、コミュニケーションは希薄化し、将来的には、お一人様がデフォルトになる時代がやってきます。だからこそ、改めて、礼節をもって関係性を維持するコミュニケーションスキルの重要性が高まっています。

 身の回りの「一期一会」を大事にし、緩やかに気持ちよくつながり続ける。そのための最強の武器が「雑談力」というわけなのです。

引用:東洋経済オンライン

岡本さんは「雑談力」を教えるプロらしいので、こういう結論になったようだが、この結論は私にはあまり参考にはならなそうだ。

薄い関係性を作るのは昔から得意だからだ。

でもそんな薄い関係から本当の満足感は得られないというのが私のこれまで得てきた教訓である。

一人でゴルフ場に行って知らないメンバーさんと一緒にプレーするのも苦にならない。

しかしそんな薄い関係を求めて居酒屋に行くよりも、妻や家族との関係をしっかりと構築したいというのが私の気持ちだ。

そのためには、妻の話をはぐらかさずにしっかりと聞くこと。

まずはそこから始めてみようと思っている。

<吉祥寺残日録>定年後を考える😄 会社を辞めて2年!私が見つけた「幸せな隠居生活」を築くための『10の習慣』 #220701

【定年後を考える 】

コメントを残す