学校の休校は、先が見えない。
私の孫たちも、ずっと自宅にこもっているようで、息子からのリクエストを受けて「ばあば&じいじからプレゼント」を贈ることになった。
5人の孫たちからリクエストを聞いて、ネットショップで注文し、直接それぞれの家に宅配してもらうことにした。
まずは東京に住む長男。
「子供たちが退屈しているので、ちょっとしたプレゼントをリクエストしていいか」というメールが妻に入ったのがそもそものスタートだったが、長男の家には2人の子供がいる。

まずはお兄ちゃん、小学校6年生の男の子のリクエストは「甲辞園」。
ベースボールマガジン社発行の高校野球に関するマルチ大辞典だそうだ。
小さい頃は物静かで、レゴが大好きな子供だったが、いつの間にか野球に興味を持つようになっていた。
ウェブデザイナーをしている長男は、コロナの影響でいつもより少し仕事量が減っているようで、親子でグローブを買って初めてキャッチボールをしたという。

下の女の子は小学校3年生。
休校でずっと家で過ごすようになり、幼い頃に大好きだったリカちゃん人形を引っ張り出して遊んでいるという。
そこでリクエストは、リカちゃん人形のシリーズで「アクアカールみさきちゃん」。
髪型を自由にアレンジして遊ぶことができるらしい。
男の子しか育てたことがない私には、全く理解不能な世界である。
長男の孫たちにプレゼントを贈った後、妻は次男のところの孫たちにも公平にプレゼントをあげないとと思ったようで、次男に何が欲しいかリクエストをと連絡した。
すると、意外なリクエストが来た。

一番上の女の子は小学校2年生だが、任天堂スイッチのソフト「あつまれ どうぶつの森」のダウンロード版が欲しいという。
もうテレビゲームをやっているのかと驚きながら、ダウンロード版というものをどのようにプレゼントすればいいのか、妻とネット睨みながら思案する。
Amazonのサイトで売っているのだが、但し書きには「商品によって利用期限が設定されている場合もありますので、購入前に必ず商品情報および仕様についてご確認ください」とか、「この商品は返品を承っておりません」とか、不安にさせるような文言が並んでいる。
我が家で使うならダウンロードは簡単だが、どうやって大阪に送ればいいのかどこにも書いていないのだ。
妻が次男に電話して相談すると、「購入後表示される【ダウンロード番号】などを教えてもらえばこちらでダウンロードできる」というので、とにかく購入してみた。
確かに、ダウンロード番号と管理番号というのが表示されたので、それを次男に伝えると、「ダウンロードできた」との連絡が帰ってきた。
ファミコンならわかるが、任天堂スイッチがどんな仕組みになっているのか知らないので完全には理解できないものの、今後はこの手のリクエストにも対応できるようになった訳で、何事もやって見るものである。

上の子のリクエストにやっと答えたと思ったら、すぐに二番目の女の子のリクエストが届いた。
やはり任天堂スイッチのソフトで、「ディズニー ツムツム フェスティバル」のオンラインコード版が欲しいという。
一度やったので、今度はさっさとAmazonで購入し、ダウンロード番号などをすぐに伝えることができた。
ソフトをダウンロードして早速遊び始めたそうで、次男から大画面テレビの前でゲームをする孫たちの動画が届いた。
一番チビの男の子も、テレビの前に釘付けとなって3人でゲームに興じている。
ついこの間までは、お人形遊びなどをしていたのに、子供の成長は本当に早い。

そして最後に届いたリクエストは、今週2歳の誕生日を迎える一番下の男の子からだ。
もちろん本人からではなくて親のセレクトだと思うが、小さなテントが欲しいという。
2歳の誕生日プレゼントとして、ニュージーランドで買ってきた小さなラグビーボールを贈ったばかりなので、安い物をリクエストしてきたようだ。
小さなテントといえば、私の三男がまだ幼かった頃、自動車販売店から景品としてもらったテントでよく遊んでいたのを思い出す。
世代が変わっても、男の子がやる遊びは変わらない。
いずれ自動車遊びをし、戦隊モノやポケモンにハマり、やがてスポーツに興味を持つようになる。懐かしくもあり、単純なような気もする。
それはさておき、学校について少し考えたい。
世界各国では学校の休校に合わせて、オンライン授業の取り組みが始まっている。
教育を受ける権利は、子供たちの将来にとってとても大切であり、新型コロナウィルスの影響がいつ収束するかわからない現状では、日本でも早急な対応が求められている。
しかし、である。
残念ながらこの分野についても、日本の対応は極めて遅い。
文科省がはっきりとした方針を出さないというのも問題だが、自治体ごと学校ごとの判断がもう少し出てきたもいいような気がする。
普通に教師が教壇に立って授業を行い、オンライン会議システムを使って中継してもいいし、一旦撮影してyoutubeにアップして生徒がそれぞれ動画を見るスタイルでもいい。
オンライン用の特別な教材を作ろうと思うと大変だが、通常の授業をオンラインで視聴するだけならすぐにできるはずだ。要するに、やろうとする意思があるかどうかが重要なのだ。
最初から完璧なものを求めるのではなく、双方向性はある程度我慢して先生の授業を家で聞いて勉強する習慣をつけることに重点を置いて始めればいい。
やっているうちに先生も慣れてくるし、生徒たちのITリテラシーも格段に上がるだろう。
もちろん自宅にネット環境やデジタルデバイスがない子供たちもいるだろう。
そうした家庭をサポートする体制を急いで構築する必要がある。
普段からオンライン授業のビジネスを売り込もうとしているNTTドコモなどが教育用のタブレットを無料で貸し出し、行政が業者に補助金を出すスキームはどうだろう。将来的なビジネスを考えて手を上げる企業はあると私は考えている。
中国も韓国も、オンライン授業には力を入れていると聞く。
コロナ後の世界を考えると、この非常時にすべての子供たちにオンラインに触れさせることは、日本の未来にとって極めて重要だろう。
子供たちはすぐに適応するはずだ。
せっかくなら規制を一時的に緩めて、民間が開発したオンライン用の学習教材を全国の子供たちが利用できる対応も望まれる。
ピンチはチャンス。
この危機を逆手にとって、未来を担う子供たちのIT能力を向上させる絶好の機会としてもらいたいものである。